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2015-12-08

ソース(記事原文):MedPage Today

がんによる静脈血栓塞栓症に対するワルファリンの使用は安全

【MedPage Today】(2015年12月8日)

レジストリ研究において、抗凝固療法を低分子量ヘパリン(LMWH)からワルファリンに切り替えたがんによる血栓症を患う患者は、6ヵ月経過後も安全であった。

オンタリオ州ハミルトンにあるマクマスター大学のチャトリー・チャイ・アジサクソファ博士によれば、1500人以上の患者を対象としたレトロスペクティブ分析では、静注LMWHから経口ワルファリンに切り替えた患者に静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク上昇はみられなかった。

チャイ・アジサクソファ博士は、オーランドの血液学会(ASH)集会の記者会見において、ワルファリン使用患者は大量出血のリスク上昇もなかった、と話している。

この研究は、多くの医師が実行しているワルファリンの選択が有害ではないことを保証する意味でとても重要である、とオランダのロッテルダムにあるエラスム大学医療センターの医学博士であり、ASH発表会の共同司会者でもあるマリーケ・クリープ博士は述べている。

「それは私たちが日ごろから行なっている習慣です」と彼女はメッドページ・トゥデイにこのように語っている。「私たちが行なっていることのデータを確認し、それがいいかどうかを調べることはいいことです」。

多くのがん患者は抗凝血治療が必要であり、そのガイドラインは6ヵ月のLMWHを推奨している、とオタワ病院調査研究所の医学博士であり、ASHのもうひとりの司会者でもあるマーク・キャリエール博士は述べている。

しかしその後にどうなるかははっきりしていない、と彼はメッドページ・トゥデイにこう語っている。「6ヵ月後のデータはほとんどありませんが、合意では患者は依然として何らかの抗凝血が必要であろうということになっています」。

一部の患者においては、ワルファリンは魅力的な選択になることがある、とキャリエール博士。「6ヵ月後、人々はLMWHの自己注射にうんざりするはずです。それが経口剤に切り替えられるのがいかに素晴らしいことか想像することができるでしょう」。

その一方で、論点はすぐに直接的Xa因子阻害薬などの新しめの抗凝血薬として議論されるかもしれず、診療所に移る。これらの薬はワルファリンほど集中的な監視をせずに利用できるため、現在の試験では「少し古いニュース」という結果になっています」とキャリエール博士。

チャイ・アジサクソファ博士とその同僚は、がんによる血栓症を伴う患者が登録されている国際急性VTE患者レジストリ(RIETE)を調べた。

彼らは、血栓の診断後に6ヵ月のLMWHを完了した1502人の患者の記録を調査し、2つのグループに分けた。ひとつはLMWHを継続した763人、もうひとつはワルファリンに変更した739人。

血栓もしくは深部静脈血栓症、または肺塞栓症が客観的に確認できる再発に至るまでの時間を分析の主要評価項目とし、また主な副次的評価項目は大量出血の比率とした。

患者は最初の診断後平均で11ヵ月追跡調査され、2つのグループは作為的に振り分けたとはいえほとんどの特徴によく合っていた。例外は肺がんの高い確率とLMWHを継続している患者における転移性疾患であった。

彼らはまた血栓の種類、診断前の口内の大量出血歴、抗血小板物質の併用など臨床的所見に関してもよく一致していたことを研究者たちは発見した。

この分析は主要評価項目に到達した2つの治療グループの患者の比率において明確な違いを示さなかった。

  • ● LMWH群の55人およびワルファリン群の44人がVTEを再発し、その比率はそれぞれ7.2%と6%であった。

  • ● LMWH群の3人およびワルファリン群の4人がVTEにより死亡し、その比率はそれぞれ0.4%と0.5%であった。

  • また、大量出血の累積発現率は、LMWHグループで2.6%、ワルファリングループでは2.7%で、総合出血率はそれぞれ6.7%および7%であった。

    VTEまたは大量出血の再発の臨界期は最初の6ヵ月以内であることを研究は示唆しており、見解は現在の研究により裏付けられているとアジサクソファ博士は語った。

    この研究は無作為化に欠いているため限定的であり、考慮に入っていない交絡因子が存在しているかもしれない、と彼は指摘している。結果を確定するため将来的な研究が必要である、と語った。

    RIETEデータベースはバイエル・シェリングファルマAGの支援を受けている。

    チャイ・アジサクソファ博士は企業との関わり合いがないことを公表している。共同著者のひとりはバイエル、サノフィ・アベンティス、ベリンガー・インゲルハイム、第一三共製薬と関係があることを公表している。

    クリープ博士はフェリングおよびファイザーと関係があることを公表している。

    キャリエール博士はファイザー、レオ・ファーマ、ブリストル・マイヤー・スクウィブ、バイエルと関係があることを公表している。


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