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2012-02-02

ソース(記事原文):ニュース・メディカル

がんに対する新たな対抗手段、コルヒチン

ニュース・メディカル(2012年2月2日)―

がんに狙いを定めた薬

体の異常細胞のみをターゲットとし、健康な組織には無害な薬を見つけることは、がん研究者の目標である。それが、ブラッドフォード大学がん治療研究所(the Institute of Cancer Therapeutics at the University of Bradford)の所長であるローレンス・パターソン(Laurence Patterson)教授と彼の研究チームの研究を後押ししている。彼らが開発している薬は、イヌサフラン由来の化合物であるコルヒチンをベースとしている。研究者チームは、この薬の開発を、腫瘍への血液供給を除去する最初の試みだと考えている。病変組織にのみみられる酵素をトリガーとして用いることはまた、体中に拡散するがんに起因する二次腫瘍も標的にできるということになる。

出発点は、腫瘍組織中で同定されていたMMP14と呼ばれる一群のマトリックスメタロプロテイナーゼであった。この酵素は、周辺の健康な組織中のタンパク質を分解し、腫瘍を増殖させる。微量のこの薬がMMP14に出会うと、結合しこの薬を活性化する。

がんの命綱の破壊

腫瘍は、身体から栄養素を摂取して成長する。そこで、腫瘍の血管系を破壊すれば、酸素と栄養素を遮断できる。パターソン教授は説明する。「我々はこのような破壊剤があることは知っていたが、それらの標的は絞られていなかった。試験で使われた薬は吸収された部位では効果がある。しかし、毒性が高い部位の一つは心臓だった。これらの薬はこのために開発が進展しなかった。ここが、今回の我々の達成の素晴らしい点である。我々が調査した腫瘍はすべて、この酵素MMP14を発現し、すべての腫瘍がMMP14発現する理由は、元の正常な組織環境内に閉じ込められているすべての腫瘍は、その環境から抜け出す必要があるからだ。これは、すべての腫瘍タイプに恩恵がある酵素である」

臨床試験

この化学物質は天然の誘導体であるが、研究チームは実験室で作っている。チームは概念実証を確立しており、資金提供が確立されれば、次の段階である薬の開発に移行し、臨床試験を設定する。

この薬の素晴らしい点は、化学療法などの従来の治療法との適合性だとパターソン教授は見込んでいる。腫瘍には耐性があるが、コルヒチンは、がんを増殖させる血液供給を遮断するという身体の戦いにおける、新たな対抗手段となることが期待されており、悪性のがんも制圧できるであろう。


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