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2014-07-10

ソース(記事原文):ザ・ガーディアン

アスピリンが乳癌死亡リスクを半減し得る仕組み

ザ・ガーディアン(2014年7月10日) ― アスピリンを極めて低用量服用している女性においても高い効果を得られる。

アスピリンは乳癌女性患者の生存確率を2倍以上向上させる可能性のあることが、研究で示唆されている。乳癌診断後にアスピリンを服用した女性では、数年以内に死亡する確率が半減するという研究結果が報告された。

癌による死亡確率は58%減少した。

大半の女性は「小児用」アスピリン(頭痛の軽減に使用される量の数分の一)を服用していたにもかかわらず、高い効果を得られた。今回のグラスゴー大学(Glasgow University)の研究は、最新報告であり、既に心発作や脳卒中を予防するために広く使用されているアスピリンに強力な抗癌作用が認められることを示唆している。

一方、専門家らはアスピリンが重大な副作用を引き起こし得るとして注意を促しており、自己判断で治療し始める前に、かかりつけ医を受診するよう患者に呼び掛けた。副作用は、吐き気や消化障害をはじめ、脳卒中、致死的にもなる胃出血にまで及ぶ。

本試験は、ダンディー(スコットランド)及び周辺地域における1998年から2008年までの乳癌女性4,627人を対象とした。平均6年間の追跡調査で約1,802人が死亡し、このうち815人の死亡は癌によるものであった。

研究者らによれば、英国人の10人に1人が脳卒中・心発作リスクを増加させる悪玉遺伝子を有しているという。欠陥のあるDNAは、特に若年期の心発作を発症する確率を高める。今回の発見は、高リスク患者を特定するための簡便な血液検査につながる新たな道を開くものである。こうした遺伝子保有患者に、禁煙または食の改善を目指した特別な手助けや、薬物療法を提案できると考えられる。

キングス・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)の研究者らは、世界各地の5万人を対象とする82件の試験を統合し、PIA2遺伝子と心発作及び脳卒中を関連付けた。

この遺伝子は血液の粘着性を強めると考えられており、心発作や脳卒中を誘発し得る血栓の原因となる。

悪玉遺伝子のコピーを1つ有する英国人のうち10分の1は脳卒中リスクが12%高い一方、遺伝子はペアになっているので、この遺伝子コピーを2つ有する人では100人に1人が74%増のリスクを持つ。

また、この遺伝子は心発作の確率も高める。

アルバート・フェロ(Albert Ferro)教授によれば、それでも生活習慣は重要であるという。「全てが遺伝子のせいではなく、自分の管理にも左右される」と補足した。結果は米科学誌プロス・ワン(PLOS ONE)に掲載された。

診断後にアスピリンを処方された女性は1,000人余りで、研究期間中、同患者で乳癌をはじめとする全ての疾患を原因とした死亡率が低下した。

英国がん雑誌(British Journal of Cancer)の記事で、研究者コリン・マッカウアン(Colin McCowan)氏は、アスピリンが疾患進行を促進する炎症性化学物質の遮断に役立つ可能性があるとしている。同氏は、女性の中でも特にアスピリンが効きやすい女性グループが存在するのか確認するため、今後さらなる研究が必要とされるとしている。

ほとんど全ての処方箋は、「小児用」75 mgであり、一般に心発作や脳卒中の予防に服用されている用量である。患者はこうした疾患の治療を目的としてアスピリンを処方された傾向が強く、癌治療のためでないとみられる。

本研究では、この錠剤の服用頻度を検討しなかったが、先行研究で週に2回のみの服用でも役立つことが示唆されている。

先行研究によると、アスピリンのおかげで、腸癌及び前立腺癌の死亡リスクが削減し、そもそも同疾患の発症確率も低下するという。

しかし、対照的に、最新の研究で、癌と診断される前にアスピリンを服用した女性は死亡確率が高まるとされており、矛盾する結果となっている。

乳癌撲滅運動慈善団体(Breakthrough Breast Cancer)のサリー・グリーンブルック(Sally Greenbrook)氏は「最終的な結論に至るのは時期尚早である。アスピリン使用と乳癌診断後生存率の関連を結び付けたり、説明したりする前に、いくつかすべきことがある」としている。

英国がん研究所(Cancer Research UK)マーティン・ルードウィック(Martin Ledwick)氏は「場合によっては重篤な副作用を起こすこともあるので、アスピリンの服用を検討している人は、まず医師に相談するのが望ましい」と述べている。


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