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2014-08-08

ソース(記事原文):ザ・テレグラフ

予防薬として認可する時が来たタモキシフェン

ザ・テレグラフ(2014年8月8日) ― ジュディス・ポッツ(Judith Potts)著

実績があるだけではなく薬価が低い(7ペンス/日)のがタモキシフェンです。35歳以上で、その家族歴から乳がん発症リスクが17%を超える女性は48万8千人に上ると推定されており、医師は彼女たちにタモキシフェンまたはラロキシフェンを提供するようNICEは要請しています。予防策としてタモキシフェンを服用すればリスクが40%減り、発症しても患者の多くは、外科手術による傷、放射線治療、化学療法から身を守れるかもしれません。NHSにとっても、多額の費用を節約できることになります。

予防策でタモキシフェンを使用することにNICEが同意してから1年が経ちますが、医薬品医療製品規制庁(Medicine and Healthcare Products Regulatory Agency : MHPRA)はまだ認可していません。結果的に、現在の訴訟社会を十分認識している医師たちは適応外での処方を非常に嫌がっています。

さあ、MHPRAはさっさと認可しなさい。乳がんの骨転移を抑制するビスホスホネート(30ペンス/日)の認可も急いで。「ブレストキャンサー・キャンペーン(Breast Cancer Campaign)」のミア・ローゼンブラット(Mia Rosenblatt)だって、「世の中には低コストで有効な治療法があるのに、お役所仕事のせいで利用できないなんて理解に苦しむ」と言ってるのだから。

ただ、タモキシフェンを使用すれば副作用があるので、中には規定量での服用開始を嫌がる人もいますし、たいていの人は使用を開始したら中止できないのだと分かっています。副作用を軽く考えないほうがいいです。副作用がとても辛くてしんどいこともありますが、誰でもそうなるわけではありません。人によっては、時々起こるホットフラッシュが思い当たるぐらいで大したことないということもありますが、逆に一般的な副作用なんて序の口ということも…でもこの点については、現在進められている良いニュースがあるんです。

2013年1月4日の私のブログ記事では、いろんな開発内容の中でも特に、錠剤タイプよりも副作用が少ないというタモキシフェン・ゲルに触れました。ノースウェスタン大学シカゴキャンパス(Chicago's Northwestern University)のシーマ・カーン教授(Professor Seema Khan)がこのゲル剤を研究し続けていて、今回、その結果が『クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clinical Cancer Research)』誌に掲載されています。

(臨床試験では)エストロゲン陽性非浸潤性乳管がんに分類された閉経前・閉経後の乳がん女性に、タモキシフェン・ゲルを使用しました。

カーン教授は、「乳房の皮膚を介して届くゲル剤は、薬が全身をめぐる必要のない場合しか適応とならないため、浸潤性乳がんで治療中の大半の女性には当てはまらないでしょう」と話します。

「しかし乳がんのリスクが高い女性や、治療が必要なのは乳房だけの非浸潤性乳がんと診断された女性の場合、乳房の皮膚にゲル剤を塗れば、乳房は治療するけれど体の他の部分への悪影響は避けられます。これで、もっと多くの女性が予防的治療をきちんと行う気になるかもしれません」。

「ブレイクスルー・ブレストキャンサー(Breakthrough Breast Cancer)」のキャロライン・ダルトン博士(Dr Caroline Dalton)は今回の結果を歓迎して、こう話しました。「研究では、ゲル剤を使用した女性たちの乳房組織のタモキシフェン濃度は、錠剤タイプを使用した女性たちと同程度であったことが明らかにされた」一方で、ゲル剤使用群ではタモキシフェンの血中濃度が低かったために「副作用が少なかった可能性があります」。ただし博士は、さらなる研究が必要でありゲル剤が利用可能になるのはそれからだと強調しつつも、「将来的に乳がんリスクが高い女性の予防という点でエキサイティングな進歩となったのではないでしょうか」。副作用を減らしたり、適応となる患者を増やせることがあれば、それはすべて大きなプラスになるでしょう。

私は5年間のタモキシフェン服用を終えたところですが、ニューオーリンズ・チューレーン大学医学部(Tulane School of Medicine)の研究結果にちょっと不安を感じました。タモキシフェンががん細胞をどう殺すのか調べているスティーブン・ヒル博士(Dr Steven Hill)が、タモキシフェンにきちんと働いてもらうには患者は真っ暗な部屋で寝るべきとの結論を出したからです。ホルモンには松果体で作られるメラトニンというものがあって、その濃度は夜間に高くなるようです。メラトニン濃度が高くならないと乳がん細胞は眠らず、眠れば増殖メカニズムのスイッチがオフになるので、タモキシフェンはがん細胞を殺すことができるというわけです。ヒル博士は、「携帯電話やコンピューターのように小さな明かりでも、光があるとメラトニン濃度が乱れて細胞が起きてしまう」と説明しています。その場合、タモキシフェンは役目を果たすことができません。

ではメラトニンサプリメントを服用すればいい、ということではないと博士は強調します。なぜなら、「サプリメントの服用は患者の自然な睡眠覚醒サイクルを乱す可能性があるし、体の自然なメラトニン産生能力を妨げるだろう」から。

また、「タモキシフェンを夜に服用して必ず8時間眠るのがベスト(不眠症で夜間に起きてしまうのなら明かりをつけないようにする)」と述べています。

私は暗いのが苦手で、今までカーテンで遮光して寝たことないのが心配なんです。私の場合、5年分のタモキシフェンは有効だったのかな?サイモン&ガーファンクルの歌詞「Hello darkness, my old friend(暗闇よこんにちは、僕の古い友達)」は、私には当てはまらないわね。


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