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2015-10-22

ソース(記事原文):その他ソース

単純性高血圧の治療にβ-遮断薬は古い?

【MedPageToday】(2015年10月22日)

β-遮断薬は、血圧の治療に使用される初期の現代薬物治療のひとつである。1950年より以前は高血圧治療の選択肢は限られており、レセルピン、ペンタキン、ヒドララジン、グアネチジンなどの薬は、起立性めまい、鎮静状態、便秘、インポテンス、視界不良を誘発するため不評であった。1960年代になるとプロプラノロールとクロロチアジドが開発された。当初は狭心症の治療薬として開発されたが、思いがけなくもプロプラノロールには血圧を下げる効果もあることが発見された。奇妙なことに、プロプラノロールは同世代やそれ以降のほかのβ-遮断薬のように、血圧を下げるために血管に直接働きかけるようなものではなく、むしろその作用機序はβアドレナリン作動性受容体の阻害、心拍出量の減少、そして交感神経の低下によるものであった。

β-遮断薬の奇妙な作用機序にかかわらず、血圧を下げるという点においては早期の抗高血圧薬と同等の効果を持っていた(現在でも持っている)。旧世代の薬よりも副作用が少ないことがわかるとβ-遮断薬は急速に広まり、それ以来、数多くのβ-遮断薬の派生品や新世代品が使用されるようになり、高血圧治療の中心となった。こうしてβ-遮断薬は、この40年間前線で高血圧と闘ってきたのである。

しかし2014年、研究者たちは8次高血圧治療ガイドライン と呼ばれる米国高血圧合同委員会(JNC)の発表を採用した。新しい推奨では、β-遮断薬はチアジド(サイアザイド)系利尿薬、カルシウムチャンネル遮断薬(CCB)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)、アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARBs)に次いで、第二選択療法に格下げになっていた。何十年もの間、高血圧治療の中核であった後で、果たしてβ-遮断薬は時代遅れなのか?

2000年初期から行なわれているいくつかの研究において、β-遮断薬は高血圧治療の魅力的な治療法ではなくなってきている。2002年、3万人以上の高血圧の患者を集めて行なわれた「心臓発作予防に対する抗高血圧剤および脂質低下治療試験」(ALLHAT)では、チアジド系利尿剤クロルタリドンによる治療が、ACEiやCCBよりもはるかに心不全(HF)率を低下させた。さらに、クロルタリドンで治療したアフリカ系アメリカ人は脳卒中の出現が少なかった。ほぼ同時に発表された類似の小規模研究「高血圧治療における目標としての治療介入」(INSIGHT)もまた、HF率の低下を示した。その一方で、β-遮断薬でこれらの転帰は実証されていない。このように、ALLHATとINSIGHTがチアジド系利尿剤を高血圧治療の最前線に導いたのである。

アテノロールが脳卒中のリスク低下においてほかの高血圧治療よりも劣っていることを示唆したメタ分析(相対リスク1.13; 95% CI 1.02-1.25)がランセット誌で発表された2004年には、セカンドヒットのβ-遮断薬となった。それに続く研究や大規模なメタ分析でこの関連性が認められ、またプロプラノロールにもこの欠陥があることが明らかになった。この多くの根拠により、JN第8次Cガイドラインはβ-遮断薬を高血圧治療の第二選択療法に格下げした。

脳卒中の実際のリスクを説明するためにいくつかの理論が提示された。力を得るというひとつの理論は、脈波の同期不全という考えに基づいている。そのため圧力波は早々に劣化し、硬化した動脈によりその周辺から跳ね返り、その結果として中心収縮期圧の増加を引き起こす。またβ-遮断薬は収縮期を延長するため、脈波の同期不全を悪化させ、中心大動脈圧を増加する。橈骨動脈(橈骨動脈圧平眼圧測定と呼ばれる)によって中心圧を計算するように設計された圧力感知器を使用し、ある研究では高めの中心大動脈圧が悪化した心臓血管転帰を導くだけでなく、β-遮断薬はCCBsと比較したときに中心血圧を下げる能力が低いことを示した。特にアテノロールは、相対末梢血管収縮を引き起こすことで同期不全をさらに悪化させる可能性がある。

しかしながら、すべてのβ-遮断薬が同じ結果を引き起こすわけではないということを留意してほしい。例えば新生代のβ-遮断薬は、第一世代および第二世代にみられた高血糖や脂質異常症を含む、以前の薬の望ましくない副作用を取り除いている。さらに、カルベジロールやネビボロールなどのβ-遮断薬は、心拍出量を減少させるというよりはむしろα1の阻害または一酸化窒素(NO)放出を促進することで末梢血管抵抗を減少させるように働く。広く知られているこれらの機序は、小規模研究におけるアテノロールと比較したときに中心大動脈圧のわずかな減少に変換する。いくつかの臨床試験は既に第三世代のβ-遮断薬の血圧降下の研究を進めているが、新しいβ-遮断薬の長期的な効果および脳卒中や冠状動脈性心臓病転帰リスクに対してどのような影響を与えるか、または単純性高血圧における全死亡率を調査するためにはさらなる研究が必要とされる。

β-遮断薬のあらゆる欠点にもかかわらず、いまだに使用されている。最近の「コクラン・レビュー」では、プラセボと比較した場合にβ-遮断薬には脳卒中のリスクを低減させるわずかな効果(RR 0.80; 95% CI 0.66-0.96)があることが報告されている。さらに、過去に観察された脳卒中リスクのほとんどが高齢者を困惑させたことが2007年のメタ分析でわかった。β-遮断薬とほかの降圧薬の間にあるリスクは、分析が60歳以下の患者を対象としたときに除外されたことを著者は示すことができた。さらに、β-遮断薬の心血管転帰に関する分析の多くはアテノロールとプロプラノロールを使用した研究から来ており、ほかの同じグループの薬には当てはまらないと思われる。例えば、高血圧患者におけるメトプロロールのアテローム性動脈硬化予防(MAPHY)研究では、メトプロロールコハク酸エステルなどのβ-遮断薬を長期使用した場合に脳卒中および冠動脈性心疾患が減少する可能性を示している。最後に、代謝系の副作用が少ないこのクラスの比較的新しい薬は、将来的に高血圧を治療する標準装備となるかもしれない。若者に対していまだにβ-遮断薬を第一選択治療として推奨し、またそれらが高血圧に対して依然として適切な選択なのかということには理由があるのである。


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