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2014-06-16

ソース(記事原文):癌ネットワーク

多発性骨髄腫に対するレナリドマイド投与でサリドマイドよりもQOL向上

癌ネットワーク(2014年6月16日) ― リア・ローレンス(Leah Lawrence)著

新たに多発性骨髄腫と診断された患者において、メルファランおよびプレドニゾン併用下で、サリドマイドまたはレナリドマイドの追加を比較したところ、奏効率、効果の深さ、治療期間、無増悪生存率、全生存率において有意差は認められなかった。ただし、レナリドマイド投与群の方が、グレード3以上の有害事象(毒性)が少なく、導入療法終了時のQOL(生活の質)が一層向上した。

このECOG E1A06試験の結果は、アリゾナ州スコッツデールにあるメイヨークリニック(Mayo Clinic)の外科医キース・スチュワート(Keith Stewart)氏によって、2014年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された。

「本試験では統計学的に確かな結論を得られなかったため、2つの治療法のうち、どちらか一方が劣っているのか否かは証明されなかった」とスチュワート氏は述べている。

多発性骨髄腫と新規診断された患者のうち、移植術の適応とならなかった場合における現在の標準的治療法は、メルファラン、プレドニゾン、サリドマイド(MPT)の併用療法となっている。しかし、初期臨床試験で、サリドマイドの代わりにレナリドマイド(MPR)を用いると、有効性が高まり、有害事象が減少する可能性のあることが示唆された。

試験開始時、本研究者らは無増悪生存期間がMPT療法群で約20ヵ月、MPR療法群で約24.7ヵ月と予測していたが、この評価項目の結果を出すにはMPR療法の長期的な経過観察が不十分であった。

本試験では、306人が登録され、サリドマイド維持療法(MPT)群またはレナリドマイド維持療法(MPR)群のいずれかに無作為に割り付けられた。年齢中央値は75.7歳で、追跡調査の中央値は40.7ヵ月であった。

奏効率については、試験実施計画書に合致したMPT患者とMPR患者の間で有意差はみられなかった(部分奏効はMPT群64%に対しMPR群60%、P = 0.557)。なお、本試験の一部における検査値の欠損により、per-protocol解析(試験実施計画書に合致した解析)対象となったのは患者の約17%であった、とスチュワート氏は指摘している。そこで、研究者判定による奏効率に関するデータも発表された。この解析では、奏効率はMPT群で75%であったのに対し、MPR群では70%であった。具体的に、最良部分奏効率/完全奏効率はMPT群で25%、MPR群で32%であった。

また、無増悪生存率には有意差は認められなかった(ハザード比 = 0.84、95% CI:0.64~1.09)。無増悪生存率の中央値は、MPT群で21ヵ月であったのに対し、MPR群で18.7ヵ月であった。性別、病期、活動度(PS)、年齢、または人種別のサブグループ解析では、無増悪生存率に差のないことが明らかにされた。

二次の全生存解析の結果からも治療群間で差のないことが明らかにされた(ハザード比= 0.88、95% CI:0.63~1.24)。

有害事象に関する群間差がいくつか発見された。グレード3以上の全有害事象(73% 対 58%、P= 0.007)、ならびにグレード3以上の非血液学的毒性(59% 対 40%、P= 0.001)が、MPT群の方がMPR群よりも有意に多かった。

最後に、スチュワート氏らがQOL解析を行ったところ、導入療法終了時の平均QOL変化量がサリドマイド群で-2.8、レナリドマイド群で+3.3となり、レナリドマイド群の方が優れていた(P = 0.007)。

2014年ASCO年次総会で発表された別の試験では、多発性骨髄腫患者におけるレナリドマイドと低用量デキサメタゾンの併用投与が、一部のQOL評価項目において、メルファラン、プレドニゾン、サリドマイドの3剤併用を上回る有意な改善を示したことが明らかにされた。


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