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2014-07-09

ソース(記事原文):ウォール・ストリート・ジャーナル

妊娠率の向上にレトロゾールが有効との研究報告

ウォール・ストリート・ジャーナル(2014年7月9日) ― 多嚢胞性卵巣症候群と闘う女性患者に薬物療法が役立つ可能性

シャーリー・ワン(SHIRLEY S.WANG)著

不妊症と闘う多嚢胞性卵巣症候群患者は、現在一般に病院で使用されている薬剤とは別の薬剤を用いて妊娠確率を高められることが、新たな研究で示唆されている。

本試験は、政府の資金援助で750人の女性を対象に実施されたもので、不妊症と多嚢胞性卵巣症候群について検討された主な大規模試験のうちの一つである。今回の結果から、レトロゾールは排卵を改善させ、一次治療のクロミフェン(別名クロミッド)よりも、高い妊娠率および生児出生率につながることが明らかにされた。レトロゾールはジェネリック医薬品(ノーブランド)であるが、ノバルティス社(Novartis)からもフェマーラという商品名で販売されている。

米国国立小児・人間発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development)生殖医学ネットワークとして知られる学術研究機関コンソーシアムに所属する著者らによれば、レトロゾールがクロミフェンと比べて効果に優れている可能性を示す既存の証拠の中で、今回の結果は最も有力なものであり、臨床診療の見直しを後押しする可能性がある。

本論文の主著者でペンシルベニア州立大学医学部(Penn State College of Medicine)産婦人科教授のリチャード・ルグロ(Richard Legro)博士は「本研究は妊娠達成に向けた安価で安全かつ効果的な新しい手段をもたらすものである」としている。結果は医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)に掲載された。

本試験において、レトロゾール群は累積生児出生率27.5%と、クロミフェン投与群の19.1%よりも有意に高く、具体的な生児出産数はレトロゾール群の方が31件多かった。被験者は増量された薬剤を最高5サイクル投与された。

また、副作用と先天性欠損の数において両群で有意差はなかった。先天性欠損はレトロゾール群で4例、クロミフェン群で1例みられたが、妊娠数自体もレトロゾール群の方が多かった、とルグロ氏は述べている。

レトロゾールは、乳癌への適応でFDAの認可を得ているが、排卵誘発への使用については適応外である。著者らは、未公開データに端を発し、先天性欠損リスク増加の有無が懸念されているとしている。ルグロ氏は、これらの新たな結果は安全性について若干安心感を与えるものであるとしている。

それでも、一部の人は慎重な見方を促している。ワイルコーネル大学医学部(Weill Cornell Medical College)生殖医学センター(Center for Reproductive Medicine)責任者のゼフ・ローゼンワークス(Zev Rosenwaks)氏は、本試験について成果のある興味深い試験と捉えている一方で、今後の試験でレトロゾールの詳しい安全性データを確認したいとしている。同氏は本試験に関与していない。

多嚢胞性卵巣症候群は、不妊症の主因の一つであり、テストステロンというホルモンの過剰産生や、排卵不定期および卵巣嚢胞を一般に特徴としている。最多で500万人の米国人女性がこうした病状にあると考えられる。

レトロゾールやクロミフェンのような薬剤は、効き目に個人差があるものの、女性に排卵を促すことにより最終的に受胎能を改善させ、受精部位となる卵管に卵子を放出させる。クロミフェンは数十年間にわたり一次治療として使用されてきたが、その有効性は比較的低く、専門家らはもっと優れた治療選択肢が必要であるとしている。


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