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2014-03-10

ソース(記事原文):ニュース・メディカル

子宮頸がん治療の向上にエルロチニブが有望

ニュース・メディカル(2014年3月10日) ― 新しい臨床研究から、分子標的抗がん剤エルロチニブは子宮頸がん治療の向上に有望なことが分かった。結果は米国がん協会(American Cancer Society)の査読付きジャーナル『キャンサー(CANCER)』オンライン版に先行発表されており、子宮頸がん患者の標準治療にエルロチニブを加えるべきか見極めるにはさらに大規模な試験が必要だとしている。

子宮頸がんは毎年、世界で50万件近くが新たに報告されており、女性に多いがんの第3位とされている。検診の体制が広まり、最近ではヒトパピローマウイルスワクチンが登場したものの、子宮頸がんは今もなお公衆衛生上の重要問題だ。

局所進行子宮頸がんの標準治療は、シスプラチンを主体とした化学放射線療法である。残念ながら治療への反応を予測することはできず、効果を認めても短期で終わり失望することが多い。有望とされる新しい治療戦略は、子宮頸がんではよく過剰発現している上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするものである。EGFRを阻害すれば、さまざまながんで抗腫瘍効果を得られることが分かっている。

ブラジル国立がん研究所(Brazilian National Cancer Insitute)のアン‐リカ・ノゲイラ‐ロドリゲスMD, PhD(Ang-lica Nogueira-Rodrigues, MD, PhD)と共同研究者らは第II相臨床試験を計画し、子宮頸がんの女性36人を対象として、化学放射線療法と併用したEGFR阻害薬エルロチニブの可能性を調べた。治療期間中央値は77日間、追跡調査期間中央値は59.3カ月であった。

全体的に治療の忍容性は良好で、34人(94.4%)が完全奏効(すべてのがん病変が消失すること)に至った。2年後には被験者の91.7%が生存しており、病勢進行を認めなかったのは80.6%だった。3年後の生存率は80%、病勢進行を認めない被験者は73.8%だった。

「子宮頸がんは重要視されておらず、この10年間に報告のあった臨床試験はごくわずかでした。それでも私たちをはじめとする少数のグループは、子宮頸がんがその性質上、分子標的治療の対象となりやすい可能性を報告してきました」とノゲイラ‐ロドリゲス博士。「私たちの知る限り、局所進行子宮頸がんの管理において分子標的薬が有望な働きをすることを示した研究はこれが初めてです」。博士は、今回の研究結果を無作為化試験で裏付けることができれば、局所進行子宮頸がんの標準治療に分子標的治療が加わるかもしれないと続けた。


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