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2014-05-05

ソース(記事原文):HCPライブ

「実地臨床」試験の現場でうつ病に対するデスベンラファキシンは安全かつ有効

HCPライブ(2014年5月5日) ― フラン・ホーソン著(Fran Hawthorne)

デスベンラファキシン(商品名: Pristiq)は、成人のうつ病(旧病名:大うつ病性障害)治療薬として、臨床試験での検証を経て、米国食品医薬品局(FDA)によって2008年認可された。今回、アルゼンチン、チリ、コロンビア、メキシコの医師ら10人からなるチームが、実際の臨床診療現場で「観察」しながら本剤を検討した。

今後、さらに1年間、患者をモニタリングし続ける予定であるが、これまでの結果で、初期の実験室条件下以外でも優れた有効性が示され、具体的には他の薬剤を投与されている患者などでも効果が認められた。この結果は、ニューヨーク州ニューヨーク市で5月4日日曜日に開催された2014年アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)年次総会で報告された。

ブエノスアイレスにあるアルベアル救急精神科病院(Alvear Emergency Psychiatric Hospital)に勤める精神科医ダニエル・モスカ(Daniel Mosca)博士は「うつ病の病歴や治療歴の多い患者は回復しにくかった」と述べている。

医師らは、本剤の治療着手に適した候補者を特定し、このうち試験に同意した90人を登録した。

本試験は2013年11月に開始され、デスベンラファキシン50 mgを1日1回、最長6ヵ月間にわたり投与した。2ヵ月後、HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)とMADRS(Montgomery Asbergうつ病評価尺度)スコアに基づき、あまり効果のなかった15人に、デスベンラファキシンを100 mg(1日1回)まで増量した。さらに2ヵ月後、効果不十分のままであれば、別の抗うつ薬を追加した。6%の患者にブプロピオン(商品名ウェルブトリンなど)を投与し、5%にミルタザピン(商品名Remeron:レメロン) 、別途5%にラモトリジン(商品名Lamictal:ラミクタール)、3%にはアリピプラゾール(商品名Abilify:エビリファイ)を投与した。

6ヵ月後、患者の73%が標準的な不安評価法で50%以上の改善を示し、このうち54%は完全寛解を得た。10%は本試験から脱落し、内訳は4人が不応、3人が副作用、2人が追跡不能によるものであった。

研究者らによって複数の有害事象が報告され、最も多かったのが吐き気(18人)であったが、6日以内に消失した。その他の有害作用には、性欲減退(4人)、不眠(4人)、遅延射精(3人)、便秘(1人)などがあった。

なお、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health :NIH)は、広範囲な副作用の可能性について言及しており、最も深刻なのは、小児、10代の若者、若年成人における自殺リスクの上昇である。NIHが提示している40項目の潜在的な副作用のうちの一部を挙げると、発疹、嘔吐、眠気、呼吸困難、胸痛、眩暈、振盪、霧視がある。

本試験の主要な部分は1ヵ月前に終了したが、試験自体はまだ完了していない。完全寛解を得た患者に、最終投与量をそのまま継続投与し、12ヵ月と18ヵ月時点で病状を経過観察する予定である。

モスカ氏によると、今回の結果は、臨床試験を反映するものであるとともに、普段から診療現場で目にしていたことでもあるため、驚くに値しない。しかし、同氏によると、本研究には実施するだけの価値があったという。同氏は「臨床試験では、よく似た特徴を持つ患者を選択しなければならない」が、本研究では「希望した患者を無作為に抽出した」と語った。


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