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2016-10-14

ソース(記事原文):News-Medical.Net

心臓疾患に処方される一般的なβ遮断薬に抗がん作用

【News-Medical.Net】(2016年10月14日)

プロプラノロールは、不整心拍やほかの疾患に処方されるβ遮断薬で、有意な抗がん作用を持つ、と『ecancermedicalscience』で発表された新しい医療研究を行なった研究者たちが語っている。


がん対策基金、ベルギー、アメリカ拠点のグローバル・キュアによる国際共同研究である薬再利用プロジェクト(ReDO)は、既存の、なおかつ広く使用されている非抗がん薬が、がんに対する比較的新しい治療薬になるかもしれない、と言う。


歴史的に見て、製薬会社は既存の薬剤の“再利用”に対してはほとんど時間を費やさない。ReDoプロジェクトは、がん医学にこれらの治療を使用し、その証拠を共有するためにecancerで一連の記事を発表して意識を高め、それを変えることを希望している。


プロプラノロールは、がんに対して安く、安全で、効果的な治療方法になり得る薬の中ではもっとも新しい。ジェネリック薬として世界的に入手可能であり、特に稀な心臓疾患である血管肉腫に対する薬としてWHOの必須医薬品リストにも名を連ねている。


「血管肉腫の証拠は古くなっている、というのは特に説得力があります」と語るのは、研究の著者でありベルギーにあるがん対策基金のパン・パンジアルカ博士。「これは未だ満たされていないニーズを伴う稀な疾病で、市販薬開発の部署にとっては出資の魅力に欠けるようです。プロプラノロールはこれらの患者に、効果や毒性の少なさや毒性のなさの証拠を提供しているのです」。


「プロプラノロールのがん治療への使用に関する既存の動物および人間のデータは興味深く、またいくつかの腫瘍タイプにおいては迅速かつ慎重な評価に値します」と、研究著者であるアメリカのハーバード大学医学大学院グローバル・キュアのビカス・P・スカトメは補足している。


さらにこの研究論文はプロプラノロールが転移カスケードの重複点、特に周術期調整に効く可能性についても強調している。術後転移拡散はよくみられる臨床的現象で、この現象の取り組みは転帰の改善につながる大きな可能性を持っている。


「生体内実験でプロプラノロールは、単剤またはほかの薬剤との併用でこの過程に影響を与えている、とのよい結果を出しています」とパンジアルカ博士。「転移拡散を減少させ、最終的に命を救っているのです」。


がん対策基金の医長であるゴーチェ・ブーシュは、プロプラノロールが既に幼児期の良性腫瘍の治療に再利用されていることを指摘している。


「幼児期の血管腫に対する効果的な治療は1960年代から存在していますが、私たちがこれを発見したのは2008年のことで、それも慎重な医師が偶然に見つけたのです。私は毎日自分にこう問いかけています。“満たされないニーズを持つ患者に対して、プロプラノロールはほかに何を提供することができるのだろうか?”と。私はおそらくたくさんあると思っています。そしてそれを見つけ出すために、また40年も待ってはいけないのです」。


認識の高まりが、薬の使用範疇を超えて、おそらくがん治療に対してこれらの薬を使うことを研究者たちは望んでいる。


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