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2012-09-09

ソース(記事原文):MPR

慢性痛にはイブプロフェンとファモチジンの合剤が有効

MPR(2012年9月9日)― キャシー・ボルツ(Kathy Boltz)博士

ネバダ州ラスベガス ― ファモチジンなどの高用量H2受容体遮断薬(H2RA)とイブプロフェンを複合する合剤(単一錠剤型)により、イブプロフェン誘発性の潰瘍症が減少し、患者の服薬遵守率も改善することが、 2012年疼痛学会(PAINWeek)で発表された研究で示された。

変形性関節症、関節リウマチ、および慢性痛に対して非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用する場合には、胃腸毒性が大きな懸念事項となる。このため、プロスタグランジン類似体や、プロトンポンプ阻害薬、H2RAなどの胃保護薬を併用薬として処方したり、コキシブなどの胃腸リスクの低いものをNSAID薬に用いたりする。

イリノイ州ノースブルックのホリゾン製薬(Horizon Pharma)メレル・メガリ(Merrell Magelli)薬学博士らは、この合剤(単一錠剤型)について検討した2件の多施設共同無作為化二重盲検並行群間第3相試験(REDUCE-1試験とREDUCE-2試験)の結果を発表した。変形性関節症、関節リウマチ、または慢性痛に対しNSAID薬を必要とする患者を対象に、イブプロフェン800mgとファモチジン26.6mgの合剤を1日3回投与した場合、イブプロフェン単剤と比較して、上部胃腸潰瘍が有意に減少するかどうかを同氏らは評価した。試験期間中、患者をファモチジン/イブプロフェン合剤群またはイブプロフェン単独群に約2:1の割合で無作為に割り付けた。

患者(REDUCE-1試験930人とREDUCE-2試験452人、年齢40歳~80歳)を上部胃腸潰瘍を発症させる2つのリスク因子に基づいて層別化した。リスク因子の1つは低用量アスピリン(325mg/日以下)またはその他の経口抗凝固療法、もしくは両方を併用していることとし、もう1つのリスク因子は上部胃腸潰瘍の既往があることとした。8週目、16週目、24週目に内視鏡検査を行い、主要評価項目は24週間の試験期間中に内視鏡検査で特定される胃潰瘍とした。内視鏡的に胃腸潰瘍であると診断するには、潰瘍の深さが明確であり、かつ潰瘍径が3mm以上であることとした。

メガリ氏らによれば、ファモチジン/イブプロフェン合剤により、全体としてNSAID薬に関連する上部胃腸潰瘍が減少し、さらに変形性関節症と関節リウマチおよび慢性痛の全症状に対してNSAID薬を服用している患者(部分集団)においても上部胃腸潰瘍が減少したことが今回の結果で示されたという。治療に関連した副作用の発現率は、2治療群間で消化不良以外は同程度であった。消化不良はファモチジン/イブプロフェン群(4.7%)の方が、イブプロフェン群(8.0%)よりも統計学的に少なかった(P=0.009)。重篤な副作用は、ファモチジン/イブプロフェン群で3.2%、イブプロフェン群で3.3%報告された、と同氏は記している。


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