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2012-01-07

ソース(記事原文):PsychCentral.com

より早期の薬剤投与により、禁煙しやすくなる可能性

PsychCentral.com(2012年1月7日)― 共同編集者ジャニス・ウッド(JANICE WOOD)著、監修ジョン・グロホル(John M. Grohol)博士

タバコをやめたいですか? 禁煙開始する数週間前から禁煙補助薬を飲み始めると、治療が成功しやすくなる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。

バッファロー大学ロズウェルパークがん研究所(Buffalo Roswell Park Cancer Institute:RPCI)が実施した臨床試験では、バレニクリン(商品名チャンティックス、Chantix)という薬を、禁煙予定日の4週間前から服用し始めた喫煙者は、禁煙日の1週間前に服用し始めた(標準治療)喫煙者よりも、禁煙に成功する割合が高かったことが明らかとなった。

本研究は医学誌「Clinical Pharmacology and Therapeutics(臨床薬理学&治療学)」に最近掲載されたもので、タバコを1日1箱吸うニューヨーク西部の女性35人と男性25人を対象としている。

主著者でバッファロー大学文理学部の心理学准教授ラリー・ホーク(Larry W. Hawk)博士は、「バレニクリンは喫煙に満足感が得られないようにするのを目的として開発されており、禁煙する2~3週間前から服用すると、その効果が発揮されやすいことがデータで示唆されている」と述べている。

「今後この結果が大規模試験で裏付けられれば、公衆衛生に重大な影響を及ぼすと考えられる」

共著者でRPCI医学・保健行動学部門の腫瘍学准教授のマーティン・マホーニー(Martin C. Mahoney)博士は、「本試験ではほぼ完全遵守が認められた。つまり、忍容性が高いだけでなく、実際に治療を最後までやり遂げられることを示唆している」と補足した。

マホーニー氏の指摘では、被験者の多くは軽度の吐き気を報告しており、喫煙願望を失わせる一助となった可能性がある。吐き気は一般に2~3週間でなくなるという。

ホーク氏は「バレニクリンを禁煙予定日より前に投与し始めると、味覚の変化または吐き気が生じ、これにより喫煙率が低下するように思われる」としている。「これらの変化によりタバコをやめやすくなるはずだが、それが生じるまでに若干時間がかかることも理解している。以上を踏まえて、禁煙予定日前のバレニクリン治療期間を延長すると、良好な結果が得られるのかどうかを確認することにした。その結果、今回の小規模試験でそれが裏づけられた」

また、4週間バレニクリンを服用した女性はタバコの本数を減らす傾向が強かったが、これは吐き気の報告が多かったことが原因となる可能性のあることを同研究者らが明らかにした。女性はバレニクリンを3週間服用したところ、喫煙量が平均50%以上減少した。

バレニクリンを4週間服用した男性では、喫煙量が26%減少した。男女差が実在するのかを確かめるには、一層大規模な試験が必要となる、と同研究者らは述べている。

ホーク氏は「現行の最も有効な禁煙治療を用いて、単に禁煙する2~3週間前から投与し始めることで、現在の効果を50%向上できうることが本試験から示唆される」と結論づけている。


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