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2012-11-12

ソース(記事原文):ヘルス・カナル

白血病の「特効薬」が様々な血液がんの治療に使える可能性

ヘルス・カナル(2012年11月12日)― ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の研究者らから成る国際研究チームの報告によれば、白血病の一種(亜型)に分類される患者の予後を大幅に改善させた薬剤が、複数タイプの非ホジキンリンパ腫にも同様に有効となりうることが予測されるという。

イマチニブは血液のがんと呼ばれる慢性骨髄性白血病(CML)患者の治療に効果的に用いられているが、同剤を導入する前は極めて予後不良ながんであった。

医学誌「ネイチャー(Nature Medicine)」オンライン版に掲載された発表では、イマチニブが主に小児や若年成人に発症する侵襲性の高いタイプの未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の治療に有効となりうることが示唆されている。

同チームは標準的治療に効果を示さなかった27歳の患者に対して、研究室レベルで陽性確認した後、イマチニブを投与することにした。わずか10日後、患者は臨床的完全寛解となり、その後も19ヵ月間にわたり持続した。

この国際共同チームは、血液がん慈善団体「白血病&リンパ腫リサーチ(Leukaemia & Lymphoma Research)」から一部研究助成を受けている。同チームによれば、イマチニブはPDGFR-β(血小板由来増殖因子β受容体)分子の活性を中和することにより作用するものであり、この分子は多くの患者のALCL(未分化大細胞リンパ腫)細胞表面に高濃度で検出されるという。この「受容体」分子は、がん細胞の急速な拡大を手助けする重要な役割を担っている。

PDGFR-βの存在が認められる患者は、特にNPM遺伝子とALK遺伝子の融合によって形成されるがん遺伝子によるリンパ腫を有する。同研究者らは、NPM-ALKがんタンパク質陽性のリンパ腫を治療することにより、生存期間を有意に延長できることを研究室レベルで明らかにした。

ケンブリッジ大学病理学部に勤める白血病&リンパ腫リサーチベンネット(Bennett)研究員スザンヌ・ターナー(Suzanne Turner)医師は「イマチニブがリンパ腫を制御する正確なメカニズムはまだ明らかにされていないが、確かなのは同患者の将来的治療にかなり有望であるということである」と語った。

「次のステップとして今後の臨床試験において、患者の腫瘍細胞でPDGFR-βの有無を分析し、存在が認められた患者にはイマチニブ追加投与を用いた別の治療を診断時に行うべきかどうかを判定する予定である」

イマチニブは、非ホジキンリンパ腫の別の亜型(タイプ)でも有効だと考えられる。タイプの異なるリンパ腫を有するPDGFR-β陽性患者3人では、標準治療に効果がみられなかった一方、イマチニブを利用した結果、延命効果が得られた。初回診断時に本剤を使用すれば、もっと高い有効性が得られるのではないかと同研究者らは考えている。

白血病&リンパ腫リサーチの研究責任者クリス・バンス(Chris Bunce)教授は「未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は容認しがたいほど再発率が高く、患者は副作用が生涯続く化学療法を何度も繰り返し受けざるを得ない。今回の重要な研究は、多くの患者の命を救える薬剤が既に手元にあるかもしれないことを示している」と述べた。

詳細情報の照会先は以下の通りである(英語のみ):白血病&リンパ腫リサーチ広報部 Henry Winter氏宛、電話020 7269 9019、携帯07824 375880、電子メール:hwinter@beatingbloodcancers.org.uk


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