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2013-11-16

ソース(記事原文):メッドペイジ・トゥデイ

PCI(経皮的冠動脈インターベンション)時の腎障害をスタチンが回避する可能性

メッドペイジ・トゥデイ(2012年11月16日) ― 執筆:メッドペイジ・トゥデイ(MedPage Today)誌常勤のライターのチャールズ・バンクヘッド(Charles Bankhead)

監修:ボストンのハーバード大学医学部臨床内科准教授ドリ・ザレズニク(Dori F.Zaleznik)博士と、看護プランナー(Nurse Planner)ドロシー・カプト(Dorothy Caputo)

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行前のアトルバスタチン(リピトール)単回投与で、造影剤による急性腎障害の発生頻度が4分の1に減ったことを、イタリアの研究者らが報告した。

急性腎障害の所見は、アトルバスタチン投与群の4.5%で認められたのに対し、対照群では18.4%でみられた。また、スタチンによる前治療は、糖尿病と中等度慢性腎臓病を併発する患者においても、急性腎障害の発症率低下に関連した。

米国心臓学会誌「サーキュレーション(Circulation)」オンライン版の報告によると、アトルバスタチンは造影剤による腎細胞死を防ぎ、細胞生存に関連する分子シグナル伝達を修復することが、試験管内(in vitro)試験で示された。

共著者であるナポリのフェデリコII大学(Federico II University)のジェロラマ・コンドレッリ(Gerolama Condorelli)博士は「造影剤投与前の24時間以内に単回のアトルバスタチンを高用量負荷投与すると、造影剤による急性腎障害の発生率低下に有効である」と結論付けている。「この有益な作用は、低~中リスクの患者に限り、認められる」

造影剤による急性腎障害のリスクには大きなばらつきがあり、患者集団、リスク因子、および急性腎障害の定義によって左右される。発症率は1%未満から50%超におよぶと報告されている。

造影剤による急性腎障害については、全て解明されているわけではないが、腎血流量の変化が原因で起こるとみられており、腎髄質低酸素や、造影剤の腎細胞への直接的毒性作用につながる、と著者らは論文の序論で記している。

活性酸素種、JNK/p38、および内因性アポトーシスに関連する経路におけるシグナル伝達の変化により、ヨード造影剤がアポトーシス細胞死を誘発することを、本著者らは過去に報告済みである。

著者らによれば、周知されているスタチンの多面的作用はアポトーシス経路にもたらされる。急性腎障害を予防するスタチンの薬効は、複数の観察研究や無作為化試験で検討されているが、結果はまちまちで一定していない。

スタチンが造影剤による急性腎障害の予防に役立つのかどうかを判断することを目的として、ネイティブ冠動脈の新たな冠動脈病変に対する冠動脈インターベンション前にアトルバスタチンを投与する無作為化試験に登録した慢性腎臓病のうち、事前に規定した特定部分患者集団に関するデータを研究者らが解析した。

PCI前の24時間以内にアトルバスタチン80mgを単回投与する群、または前治療しない群に患者を無作為化した。全患者はN-アセチルシステイン(NAC)と炭酸水素ナトリウムを投与されたほか、非イオン性等浸透圧造影剤イオジキサノール(ビジパーク)も投与された。

親試験に登録された患者1,348人の中には、コンドレッリ氏らによる解析の基盤となる慢性腎臓病(糸球体濾過率<60 mL/分/1.73m2)患者410人が含まれた。部分集団解析の主要評価項目は、造影剤による急性腎障害とし、その定義は造影剤投与後24時間以内の血清シスタチンCの10%以上の増加とした。平均年齢は70歳であった。

その後、造影剤による急性腎障害を発症したのは、アトルバスタチン群の患者202人中9人であったのに対し、対照群では208人中37人であった。この差は造影剤による急性腎障害の確率がアトルバスタチン群で78%低いことを示している(オッズ比0.22、P=0.005)。

副次的評価項目は、48時間時点の血清クレアチニン値の0.5mg/dL以上増加(25%以上の増加)としたが、アトルバスタチンがこの達成率に有意に影響することはなかった。全体的に見て、血清クレアチニン値はアトルバスタチン群よりも、対照群で増加した(P=0.018)。

1年時点の結果データは患者の98%で得られた。重大な有害事象は評価可能な患者402人中37人で起こり、その内訳は造影剤による急性腎障害の患者45人中で9人(20%)、急性腎障害でない患者357人中では28人(7.8%)であった(P=0.013)。

造影剤は、腎細胞株の生存シグナル伝達に関連する活性化タンパク質AktおよびErk量の減少を招くことが、in vitro機構解明試験で示された。アトルバスタチン投与により、シグナル伝達がほぼ正常レベルまで修復された。

また、N-アセチルシステインとアトルバスタチンの単剤投与と併用投与が、造影剤との培養後の細胞死に及ぼす効果についても評価された。その結果、単剤よりも併用投与した方が、細胞死の優れた抑制効果につながることが明らかとなった(P=0.010)。

著者らによれば、本研究の限界点は、初回試験で患者が慢性腎臓病別に無作為化されていない点と、造影剤による急性腎障害を確定診断するのに血清クレアチニン値ではなく血清シスタチンC値が用いられている点にある。血清クレアチニン値を用いた場合、1,000人以上の患者を登録する必要があった、と本研究者らは指摘している。また、追跡不能となったのは患者の4%であった。


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