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2012-10-14

ソース(記事原文):ザ・スター・オンライン

肝癌を乗り越える

ザ・スター・オンライン(2012年10月14日)― ネクスパップ患者支援プログラム(NexPAP Patient Assistance Programme)が3周年を祝っています。

バイエル社(Bayer)によるネクスパップ患者支援プログラムの恩恵を受けた肝癌生存者らが、最近、プログラムの3周年にあわせた祝賀会のために集まりました。

このプログラムはバイエル ヘルスケア社(Bayer HealthCare)とマレーシア肝臓財団(Malaysian Liver Foundation)による共同イニシアチブで、手術不能な肝癌(肝細胞癌、HCC)と診断された患者が2カ月間のソラフェニブ治療に耐えた後、適格とされる患者にこの薬を提供するものです。

ソラフェニブはマレーシアで承認されている唯一の経口抗癌剤であり、HCC患者の全生存期間を有意に改善することが証明されています。

マレーシア肝臓財団のチーフエグゼクティブオフィサーで、メディカルディレクターのプロフ・ダツク・ノア・シャヒーダ・ハイルラ博士(Prof Datuk Dr Nor Shahidah Khairullah)は、この内輪だけの集まりで次のように話しました。「私たちはネクスパップ3周年を記念するにあたり、どれほどのプログラム受益者たちがソラフェニブ治療によって生き延びることができたか祝えることを嬉しく思います。肝癌は治療が難しいことで有名です。なぜなら、患者は末期となっていることが多く、あっという間にこの病気に負けてしまうからです。」

「それでも私たちは、肝癌の患者さんたちをソラフェニブで治療しながら診ています。中にはプログラムの最初の年からの患者も含まれており、彼らはより質の良い生活を楽しみ、そして大切なことに、愛する人たちとの貴重な時間を楽しんでいます。」

財団代表のタンスリ・モード・イスマイール・メリケン博士(Tan Sri Dr Mohd Ismail Merican)は、「死亡率が高く、5年生存率は10%を下回るため、診断も治療も時間が重要となります。この3年間、ネクスパッププログラムが患者とその家族の人生に与えた影響を、私たちは目の当たりにしてきました。私たちは、このプログラムがマレーシアでさらに多くの肝癌患者の役に立っていくのを見るのが楽しみです」と話しました。

現在、肝癌は世界人口のおよそ695,000人の命を毎年奪っています。この病気の発症は男性に多く、女性の2倍以上です。マレーシアでは、男性が罹る癌として5番目に多いのが肝癌であり、人口100,000人あたり5.7人の発症率となっています。

「肝癌が早期に発見された場合は、外科的切除が治癒の絶好のチャンスとなります。しかし、肝癌は比較的末期で発見されることが多いため、手術可能な患者は15%程度に過ぎません。手術不能肝癌の患者が診断後1年を超えて生存するのはまれです」コンサルタントがん専門医のジョン・ロー博士(Dr John Low)はこう説明しました。

「肝癌は、従来型の化学療法にはあまり反応しません。」

「ソラフェニブのような標的療法は、標準化学療法とは異なり、癌細胞に焦点を合わせることで、また腫瘍を飢えさせることで作用する一方、正常細胞は比較的無傷のままにします。」

「ネクスパップ受益者たちでそうしたポジティブな成果を見ることは非常に励みになり、私は、バイエル社とマレーシア肝臓財団がこのようにして肝癌患者に救いの手を差し伸べていることを称賛します」と同氏は言い添えました。

ソラフェニブは、患者の全生存期間を改善する目的で、HCC治療として保健省(Health Ministry)に承認されている唯一の経口標的療法でもあります。

この薬は抗癌剤の中でも比較的新しいクラスに入り、細胞内シグナル伝達タンパク質を標的にして阻害することにより腫瘍細胞の増殖を止めるとともに、腫瘍への血液供給を遮ることで作用します。

2009年のプログラム開始以来、120人以上の患者がその恩恵を受けました。

カマルディン・サムスディン(Kamarudin Samsudin)(71歳)さんは、このプログラムのごく初期の受益者です。彼には、B型肝炎、2型糖尿病、良性前立腺過形成、痛風性関節炎の病歴があり、2009年に肝癌と診断されました。

医師の勧めで、彼はソラフェニブの処方を受けました。

「多くの肝癌患者が1年以上生きられないことは皆知ってるよ。肝癌生存者として私がこの旅を始めてから、もう3年が経った。」

「ネクスパッププログラムのおかげで、今日も生きているというこの奇跡に、そして、わりと健康で普通の生活を妻や家族と一緒に送れることに感謝してるよ」と彼は話しました。

カマルディンさんは4人の子供と5人の孫に恵まれ、全般的な健康状態についても改善が見られています。

治療後、ほどなくして彼は、一番の気晴らしである庭いじりなどの日課に徐々に戻ることができました。

31カ月にわたりソラフェニブを服用した後で、彼は1月に肝臓の部分切除術を受けました。担当医によれば、これにより回復の見込みは50%になるそうです。

それ以降、最近の2度のスキャン検査では、癌の徴候は認められていません。

もう一人のネクスパップ受益者、デビッド・リー(David Lee)(52歳)さんは、B型肝炎の病歴があるにもかかわらず、30年以上にわたり活発で健康的な生活を送っていました。

彼は定期的な血液検査を受けた2008年3月に、肝癌と診断されるとショックを受けました。

リーさんは肝移植を受け、それによって回復し、3カ月以内には仕事に復帰するとともに普通の生活に戻ることができました。しかし、2011年4月までに癌は右肺に転移していました。

肺の2カ所の小結節を切除する手術をしたのに、癌は1月までには右肺の中間領域にあるリンパ節に、5月までには骨に、そして7月までには脳に進行していました。がん専門医は、彼の病期分類をステージ4・末期としました。

リーさんは、自分がたどっている困難な旅路にもかかわらず、力強く前向きであり続けています。

「ソラフェニブを服用し続けて14カ月が経ち、僕のネクスパップは2年目に入ったところだよ。少なくともあと3年は家族と一緒に楽しく過ごして、子ども達が成長するのを見ることができればいいな」彼はそう話しました。

「すごく支えになってくれてる家族や友人、そして神への信仰が、当時の辛い時期を乗り切る助けだったんだ。」

「僕は、シンガポール・グレンイーグルスのアジア肝疾患移植センター(Asian Centre for Liver Diseases and Transplantation)、担当のがん専門医でパンタイ病院(Pantai Hospital)のロー先生、そしてバイエル社のネクスパップ支援プログラムに感謝してるよ。みんなのおかげで、僕はソラフェニブ治療を続けていられる。」

バイエル ヘルスケア・マレーシアのメディカルディレクター、シャロン・チョン博士(Dr Sharon Chong)はこう話しました。「私たちには、医学の発展に貢献し、人々の生活の質を改善するという長期的・継続的な責務があります。」

「ネクスパップ受益者それぞれに心温まる話があり、彼らの前進がとても励みになっています。」

「より多くの肝癌患者が有効な治療の恩恵を受けて、愛する人たちとの貴重な時間を楽しむのを見るために、私たちはマレーシア肝臓財団とともにネクスパップ活動を続けていきます。」

患者は、処方医の推薦があればマレーシア肝臓財団にネクスパップ患者支援プログラムの申し込みができます。

詳しくは、財団(03-7842 6101)までお問い合わせください。


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