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2012-06-15

ソース(記事原文):精神医学ニュース

若者における中毒による併存症を見極める

精神医学ニュース(2012年6月15日)― アーロン・レヴィン(Aaron Levin)著

青少年における薬物乱用の研究により、治療に関する貴重な洞察(特に併存症の果たす役割)が得られている。

思春期の若者における薬物使用が増えている一方、関連疾患を治療する既存の心理社会的介入にはわずかな有効性しか認められていない。

デンバーのコロラド大学医学部(University of Colorado School of Medicine)物質依存症部門責任者で精神医学部教授ポーラ・リッグス(Paula Riggs)博士は、フィラデルフィアで5月に開催された2012年アメリカ精神医学会年次総会において「青少年が中毒になりやすいのは、20代半ばまで続く脳の急速な発達が一因である。ティーンエイジャー(13歳~19歳)であれば誰しも、脳の発達やプルーニング(青少年期にみられる神経回路の最適化)への影響がみられる」と語った。

したがって、中毒および精神疾患はともに小児期に発症し、発育状況下に多くみられ、互いがもう一方のリスク因子となる、と同氏は続けた。

マリファナにおいては一般社会での評判は悪くないが、CB1受容体の調節的役割によって前頭前野の発達を乱すことから、特に青少年には悪影響をもたらすと同氏は説明している。

また、マリファナはその他の薬剤への強化効果(報酬効果)に変化をもたらすほか、内因性カンナビノイド系のグルタミン酸やGABA(ガンマアミノ酪酸)の制御を破綻させ、さらに高リスクの患者に統合失調症をはじめとする精神病を発症させやすくする。

治療は有効であるものの、治療を要する患者の約10%にしか利用されていない。治療により薬物使用はわずかに減少するだけで、薬物離脱率も低く、再乱用率は高いことが多くみられる。

同氏は、治療が成功しない理由を1点挙げると、併存症が多いにもかかわらず、行動療法と薬物療法を組み合わせた治療はほとんど行われていない点にあると指摘した。多くの青少年は早期治療により効果が得られるが、大半は身体的に健康であり、かかりつけ医の診察を受けることはめったにない。

薬物乱用を治療する鍵となるのは併存症の可能性がある。

リッグス氏は、精神医学的な併存症(うつ病やADHD[注意欠陥多動性障害]など)が認められる薬物使用者を治療する目的で、薬物療法と認知行動療法(CBT)を併用している複数の臨床試験を引用した。ある試験では、フルオキセチンと16週間の認知行動療法(CBT)の併用群と、プラセボとCBTの併用群について比較検討している。うつ病はプラセボ/CBT群(52%)と比較して、フルオキセチン/CBT群(70%)での寛解率がより高いものの、うつ病の寛解率は両群とも予想以上に高く、このことから薬物乱用をターゲットとした認知行動療法(CBT)がうつ病の治療効果に寄与した可能性のあることが示唆される、とリッグス氏は述べている。

さらに、治療群を問わず、薬物使用はうつ病が寛解した患者では有意に減少した一方、寛解しない患者では使用が減ることはなかった。

同氏は「うつ病の寛解は薬物治療の転帰に重要となりうる」としている。「したがって、薬物治療開始から1ヵ月後、うつ病の症状に著しい軽減がみられない場合、フルオキセチン投与を考慮し、注意深く観察すべきである。フルオキセチンは薬物から離脱していない人にも安全かつ有効であるとみられる」

同氏によれば、もう1つの類似した計画に基づく研究では、認知行動療法(CBT)による薬物治療を同時併用する青少年のADHDには、OROS(浸透圧を利用した放出制御システム)-メチルフェニデートが安全かつ有益でありうることが示されたという。また、この研究結果から、OROS/メチルフェニデートとCBTの併用を受けたADHD患者では、プラセボとCBTの併用群と比較して、薬物治療の転帰(尿中薬物検査陰性の増加や、離脱日数の延長など)に大幅な改善が示された。

統合的治療へのアプローチは、精神および薬物使用の包括的診断評価から開始すべきであり、具体的には感情障害と統合失調症のためのキディー・スケジュール(Kiddie Schedule for Affective Disorders and Schizophrenia:KSADS)を併せるなどした構造的評価がある、とリッグス氏は述べている。

同氏は「薬物乱用・精神症状の開始と進行との間の時間的・発展的関連性を調査すること。使用と依存を区別するため、常用、先月の使用、前回の使用について尋ねること」としている。

治療は非薬理学的なアプローチで開始し、次に必要があれば、薬物に応じてフルオキセチン、OROS、またはナルトレキソンなどの有効性の証明された薬剤による単剤療法を行うべきである。副作用と治療遵守を観察すること、とリッグス氏はアドバイスしている。

また、「節約と単剤療法について考慮すること。子供が3剤または4剤服用しているのは見るに耐えない」とも述べた。

最後に、若者の脳の発達を促すため、医師らは青少年が「薬物のない向社会的活動」に関与するよう働きかけるべきである。

同氏は、薬物乱用をターゲットとした認知行動療法(CBT)による精神症状への効果について、さらなる研究で検証する必要性のあることを強調した。より優れた検証済み心理学的指標と、より洗練された解析法も必要とされる。医療費節約につながるような従来とは違った環境(学校など)における早期介入に関する更なる研究も役立つものと考えられる。

リッグス氏は、とりわけ「総合的チームによる既存の地域資源を用いたアプローチが必要となる」としている。


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