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2012-10-09

ソース(記事原文):腎臓泌尿器科ニュース

遠隔転移を認める腎細胞癌患者に対するアキシチニブの生存率はソラフェニブと同程度

腎臓泌尿器科ニュース(2012年10月9日)― ジョン・シエスズター(John Schieszer)著

ウィーン発 ― 遠隔転移した腎細胞癌の二次治療にアキシチニブ治療を用いた場合の全生存期間(OS)は、ソラフェニブ治療によるものと同程度であることが、欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology)2012年総会で発表された最新結果で示された。

試験責任医師ブライアン・リニ(Brian Rini)博士が報告した第3相AXIS試験の最新結果では、遠隔転移した腎細胞癌に対する二次治療としてのアキシチニブは、ソラフェニブと比べ、無増悪生存期間が延長することが示された(中央値6.7ヵ月対4.7ヵ月)。同氏は、初回全身療法後に癌が進行した遠隔転移のある明細胞型腎細胞癌患者723人のデータを発表した。米国東部癌共同研究グループ全身状態(ECOG PS)スコアが0または1の患者は、その得点および前治療で層別されてから試験に登録された。アキシチニブ5mgを1日2回投与する群、またはソラフェニブ400mgを1日2回投与する群のいずれかに無作為に割り付けられた。

リニ氏らは425件の事象に基づいて副次評価項目としての全生存期間を分析した。治療中の拡張期血圧(拡張期血圧)に応じて患者を分類した(拡張期血圧測定値が1回以上90mmHg以上と90mmHg未満)。

全生存期間の中央値は、アキシチニブ群で20.1ヵ月、ソラフェニブ群で19.2ヵ月であった。ケースウェスタンリザーブ大学(Case Western Reserve University)クリーブランドクリニック医学部医学教授リニ氏は「この結果は意外ではなかった。全生存期間に有意な改善はみられなかったが、数値的な差は認められた」と語った。

前治療の影響

同研究者らは前治療を受けた患者群を検討した。前治療がサイトカインの場合、アキシチニブとソラフェニブで全生存期間中央値を比較すると、アキシチニブのほうがソラフェニブよりも優れていることが明らかにされた(29.4ヵ月対27.8ヵ月)。一方、前治療でスニチニブを投与された患者では、ソラフェニブのほうがアキシチニブよりも良好な全生存期間との関連がみられた(15.2ヵ月対16.5ヵ月)。

二次治療がもたらす全生存期間延長に関連する予後因子は、前治療の薬剤タイプとECOG PSスコア=0などであることが、リニ氏らによって見出された。全生存期間の延長に関連する別の要因には、ヘモグロビン値が高いこと、骨転移を認めないこと、補正カルシウム値が低いことが挙げられた。

本試験の両群における全生存期間は、12週間の評価時点で、拡張期血圧90mmHg以上の患者のほうが、90mmHg未満の患者よりも有意に延びた(アキシチニブ群で20.7ヵ月[90mmHg以上]対12.9ヵ月[90mmHg未満]、ソラフェニブ群でそれぞれ20.2ヵ月対14.8ヵ月)。

レニ氏は「これら2剤では治療標的が異なるので、さまざまな患者群で、どちらの薬のほうが効果的となるのか把握する必要がある」と述べている。「どの患者にどの薬を用いるとより効果的であるかを予測するバイオマーカーはまだ存在しない」と続けた。


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