高血圧

◆高血圧症とは◆

高血圧症とは、血管内の圧力である『血圧』の測定値が日本高血圧学会によって定められている140mmHg/90mmHg以上(2009年改定「高血圧治療ガイドライン」)を継続して超えるようになる状態です。
腎疾患やホルモン分泌異常、大血管疾患などの原因による二次性高血圧と、はっきりとした原因のわからない本態性高血圧とに分類されていますが、実際にその大半を占めるのが本態性高血圧で、遺伝や加齢といった要因に加えて、塩分の多い食事、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の乱れなどが絡んで発症するとされています。

高血圧症となっても特徴的な症状が現れることはありません。
中には頭痛、肩こり、めまい、吐き気などの症状が現れる場合もありますが、どれも高血圧に特有の症状ではないため放置されがちです。

しかし血圧が高い状態が長期間に渡って続くと血管障害や臓器の損傷が起こりやすくなり、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血、心筋梗塞、腎硬化症などの命に関わる重篤な合併症が引き起こされることになります。
実際に高血圧症を患っている人の心疾患発症率は健康な人の3倍になるともされ、また高血圧合併症の心疾患、及び脳血管疾患を併せた死亡率は日本人死亡率第一位のがんを超えるとされています。
このようなことから高血圧はサイレントキラー(静かなる殺人者)と呼ばれています。
また、その発症が食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒といった日常の乱れた生活習慣の積み重ねによって引き起こされることから、生活習慣病の一つとされています。

高血圧症の治療は、血圧の上昇要因を減少させる事が第一となります。 明確な原因のある二次性高血圧においては、原因となっている疾患を根治させることによって血圧の降下が認められるため、原因疾患に対する治療が行なわれることとなります。
一方、生活習慣病としての本態性高血圧の場合は血圧を上昇させる原因が特定できないことから、塩分や脂質を制限した食事、喫煙や過度のアルコール摂取を避ける、適切な運動と適正体重の維持といったような生活習慣の見直しと改善がまずはかられます。

しかしこのような処置によっても血圧の下降がみられない場合や重度の高血圧症である場合には血圧を下げる作用のある降圧剤による内科療法が食事療法、運動療法と併用して取られることとなります。

◆高血圧治療薬(血圧降下剤)◆

利尿薬

カルシウム拮抗薬

β(ベータ)遮断薬

α(アルファ)遮断薬

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)