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2016-11-02

ソース(記事原文):News-Medical.Net

2種類の一般的な抗生物質が、
過去の概念と異なる方法で細菌を攻撃

【News-Medical.Net】(2016年11月2日)


広く使用されている抗生物質であるクロラムフェニコールとリネゾリドは、科学者や医者が長年思い続けていたのとは異なる方法で細菌と闘う可能性があることを、シカゴにあるイリノイ大学の研究者たちが発見した。これらの薬はたんぱく質の合成を手当たり次第に阻止するのではなく、遺伝子内の特定の位置においてのみ機械的にたんぱく質合成を制限する。


リボゾームは細胞内のもっとも複雑な成分の中にあり、細胞の生存に必要なすべてのたんぱく質を大量につくり出す働きをしている。細菌内では、リボゾームは多くの重要な抗生物質の標的となっている。


アレキサンダー・マンキンとノラ・バスケスラスロップは、リボゾームと抗生物質に関する画期的な研究を行なった。『Proceedings of the National Academy of Sciences 』で発表された最新の研究で、クロラムフェニコールとリネゾリドはリボゾームの触媒中心を攻撃するが、特定の場所においてのみたんぱく質の合成を阻止することを発見した。


「抗生物質の多くは、たんぱく質合成を阻害することで病原菌の成長を妨げます」と語るのは、UICセンター分子生命科学の所長であり、医薬品科学薬物学の教授であるマンキン。「抗生物質はたんぱく質がつくられる細菌リボゾームの触媒中心を標的にしているのです。一般には、これらの薬はたんぱく質合成の万能阻害薬とされており、各ペプチド結合の形成を素早く阻止すると考えられています」。


「しかし…これは必ずしも問題ではないことを私たちは明らかにしたのです」と医薬品化学薬物学の研究員教授であるバスケス・ラスロップ。


天然産物のクロラムフェニコールは、市販されているもっとも古い抗生物質のひとつである。何十年にもわたり、髄膜炎、腺ペスト、コレラ、腸チフスなど多くの細菌感染に対して使用されている。


合成薬剤のリネゾリドは、レンサ球菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌など、ほかの抗生物質に耐性を持つグラム陽性菌によって引き起こされる重篤な感染の治療に使用され、比較的新しい抗生物質である。マンキンは、過去の研究でリネゾイドの作用や機序の一部を立証している。


抗生物質は非常に多種多彩であるが、いずれもリボゾームの触媒中心に結びつき、そこで長い生体高分子を鎖でつなぐたんぱく質の合成と関連しているそれぞれのペプチド結合の合成を阻害するとされる。単純酵素内では、触媒中心を侵略する阻害薬が、この作用から単純に酵素を阻止する。マンキンは、これは科学者が信じていた、抗生物質がリボゾームを攻撃するということが正しかったということでもある、と語った。


「この概論に反して、クロラムフェニコールとリネゾリドの活性は、リボゾームや成長たんぱく質に接続する隣のアミノ酸によってもたらされる新生鎖の特定のアミノ酸の性質に非常に頼っています」とバスケス・ラスロップ。「これらの結果は、新生たんぱく質がリボゾーム触媒中心の性質を変化させ、抗生物質を含むその配位子の結合に影響を与えることを示唆しているのです」。


ゲノミクスと生物化学の結合は、どのように抗生物質が作用するのかをUIC研究員たちによりよく理解させた。


「抗生物質がどのように作用するかを知っていれば、それをさらによい薬にすることができ、また研究にとってのよりよい道具になることでしょう」とマンキン。「さらに人間と動物の両方の病気治療に対して、より効率的に使用することができます」。



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