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2011-04-10

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

アスピリンは膵がんの危険性を低下させる可能性

サイエンスデイリー(2011年4月10日)-大規模な症例対照試験によると、アスピリンを少なくとも月に1回服用することは、膵がんの危険性の有意な減少に繋がるという。この試験結果は米国フロリダ州オーランド(Orlando, Florida)で4月2日から6日まで開催された2011年第102回米国癌学会年次総会(the AACR 102nd Annual Meeting 2011)で発表された。

ミネソタ州ロチェスター市(Rochester, Minn.)にあるメイヨークリニック(Mayo Clinic)の研究員、シャンリン・タン医師・医学博士は、この大規模共同試験から得られた発見は予備的なもので、膵がん予防のためにアスピリンを広範囲に使用することをすすめるわけではないと語っている。

「この結果は、全員が膵がんの危険性を減らすために月1回のアスピリン服用を始めるべきだ、と提案しているものではありません。アスピリンには若干副作用がありますから、服用については、一人一人が主治医の先生と相談されるのがよいでしょう。」

タン博士と同僚らは、膵がんと診断された904名と健常者1,224名を対象にこの試験を実施した。膵がん患者は全員55歳以上で、アンケート調査を通じてアスピリン、NSAID(非ステロイド抗炎症薬)、アセトアミノフェン使用の有無を報告した。

すると、1か月間に少なくとも1日アスピリンを服用していた被験者群は、アスピリンを定期的には服用していなかった群と比べて膵がんの危険性が26パーセント低いことがわかった。タン博士によると、心臓病予防のために低用量アスピリンを服用していた群でも、膵がんの発生率が35パーセント低いことがわかったという。

アスピリン以外のNSAIDやアセトアミノフェンには有益性が見られなかった。「アスピリンが膵がんに対する化学的予防効果を持つ可能性について、この結果は新たな証拠をもたらしてくれています。」とタン博士は述べ、実際の効果を証明するにはもっとデータを集めなければいけないと付け加えた。