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2013-06-18

ソース(記事原文):ヘルスライン

アルツハイマー病治療のための合剤で消失したシナプスが再生する可能性

ヘルスライン(2013年6月18日)― レイチェル・バークレー(Rachel Barclay)著

10年にわたる研究でアルツハイマー病により脳が障害される仕組みを明らかにした結果、その障害を回復させる新規薬剤が開発されている。

その新しい薬はニトロメマンチン(NitroMemantine)と呼ばれており、優れたアルツハイマー病治療薬を作りだそうと2つのFDA承認薬を組み合わせた合剤である。アルツハイマー病患者は細胞のある経路が原因で重要なシナプスを失っていくことから、ニトロメマンチンはすでに存在する多くのアルツハイマー病治療薬とは異なり、その経路を直接標的にするようだ。

アルツハイマー病は認知症の主な原因の1つであり、現在、米国の患者数はおよそ5百万人に及ぶ。高齢者の医療費が増え続けるなか、認知症を回復させ、老年になっても健康でいられるようにする薬は研究に携わる者の夢である。

サンフォード・バーナム医学研究所(Sanford-Burnham Medical Research Institute)のスチュアートA.リプトン博士(Dr. Stuart A. Lipton)率いる研究者らは、アルツハイマー病で脳の神経が変性するメカニズムを解明しようと、10年ものあいだ研究に力を注いできた。

古い知見にとらわれなかったことで新しい知見を発見

現時点でアルツハイマー病について分かっていることは、ほとんどが観察結果に基づくものである。科学者らはアルツハイマー病で亡くなった患者の脳を剖検したり、組織サンプルを顕微鏡で調べたりできる。このレベルでは病態はかなり明らかにされており、神経細胞がシナプスと呼ばれる構造を介してある領域から別の領域へと情報を送る能力を、タンパク質凝集塊のアミロイド斑と神経原線維変化が妨げることで、脳が障害されることが分かっている。

原因は明らか―つまり、これらのタンパク質凝集塊が毒などとなって情報を伝達する神経細胞(ニューロン)が障害される、と考えられている。この凝集塊を分解する薬や、そもそも凝集塊の形成を防ぐ薬が次々と開発されてきたが、効果はほとんど期待できないものばかりだった。

「私たちは別の道を選びました。シナプスを保護しよう、ということになったのです」。サンフォード・バーナム医学研究所の科学ディレクターで、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の神経科医でもあるリプトン博士は、そう話した。

ニューロンが情報のやりとりに使う分子としてグルタミン酸があり、この神経伝達物質は障害されたニューロンに高濃度で存在しているという。これまで、これはアミロイド斑や神経原線維変化による障害の結果であると仮定されていたが、博士はそうではなくグルタミン酸が神経変性に積極的な役割を果たしているのではと考えた。

「認知症になるメカニズムと、アルツハイマー病で唯一病理的に相関しているのがシナプスの数です」と、博士は説明した。「アミロイド蛋白が多くても、ひどい認知障害になるとは限りません」。

ラットおよびヒトの生きている脳細胞を研究室で培養し、これを使って行った一連の確固たる実験を通じて、博士のチームは答えを見つけたようである。

リプトン博士は、アミロイド蛋白によるシナプス消失を、合剤のニトロメマンチンが完全に抑えるだけでなく回復もさせることを発見した。6時間もたたないうちに、細胞はアルツハイマー病のせいで失ったシナプスを再生しつつあった。さらに、効果があらわれたのは ニトロメマンチンで処理してからわずか10分後だった。

脳の最大の敵:脳細胞そのもの

脳細胞10個のうち、ニューロンは1個にも満たない。残りはグリアという細胞で、ニューロンの情報伝達速度を速めたり、有害物質や感染からニューロンを守ったり、その他の重要な機能を遂行したりする。グリア細胞の1種はアストロサイトと呼ばれる。

アストロサイトはニューロンを取り巻くように位置して、ニューロンを保護している。死んでも再び増殖できる大部分の体細胞とは異なり、大人になると脳神経の大半は新しい細胞を増やせなくなるため、既存の細胞の保護が最優先となる。アストロサイトは血流と自らが保護しているニューロンの間に位置することによって、食事から摂取した有害物質をフィルターのようにブロックしたり、ウイルスや細菌の侵入に対し防御の最前線としての役割も果たしたりしている。

100年以上にわたり、アストロサイトには保護の役割しかないと考えられていた。リプトン博士の研究を含めた新しい研究によって、アストロサイトはこれまで考えられていたよりもはるかに大きな役割を果たすことが明らかにされている。

この研究者らが発見したのは、少量であってもアミロイド蛋白はアストロサイトをじゅうぶん活性化できるということであった。アストロサイトはグルタミン酸の放出を開始し、自らが保護しているニューロンの特定の受容体を活性化させた。正確なメカニズムは不明だが、博士のチームはどの実験でも同じ結果を観察し、ニューロンにあるこのグルタミン酸受容体が活性化されるとシナプスが消失し始めて情報伝達能力が失われていった。

脳内の平均的なニューロンにはシナプスが1万個ある。アルツハイマー病患者の場合のように、ニューロンは情報伝達に飢えると最終的には萎縮して死んでしまう。

それでは、なぜアストロサイトのせいで脳神経は重要なシナプスを失うのか?ニューロンの保護に加え、アストロサイトの目的の1つはシナプス増殖を抑えることである。シナプスが多すぎるというのは、とりわけ、うつ病、統合失調症、双極性障害と結び付いている。異常増殖を防ぐことで、アストロサイトは脳を健康に保っているのである。しかし、アルツハイマー病の場合はこの調節システムが過剰に働いて、シナプスの消失が多くなりすぎてしまうようである。

ここで、ニトロメマンチンの登場である。

FDA承認薬のメマンチンはアルツハイマー病を適応としており、グルタミン酸受容体を活性化させずにブロックする。したがってアストロサイトが放出したグルタミン酸は行き場がなくなる。しかし、メマンチンは強力なプラスの電荷を持つため、まるで2つの磁石のS極を無理やりくっつけようとしたときみたいに、滑るように受容体から離れてしまう。メマンチン単独の試験で特に効果が証明されていないのは、このためである。

リプトン博士のチームは、心疾患の治療で一般的なニトログリセリンという別の薬からニトロ基の部分を選んで、メマンチンに付け加えた。ニトロ基はグルタミン酸受容体との結合力が強いため、結果としてメマンチンは正しい位置に到達し、ニューロンを保護することができる。

さらに良いことに、ニトロメマンチンはアストロサイトが作動させるグルタミン酸受容体だけを標的にして、ニューロンが情報交換し続けるのに必要な受容体には作用しない。

「私たちが以前に開発した、FDA承認薬のメマンチンが標的とするのは障害されたニューロンです」と博士は言った。「病変が多いほど、この薬は良く効きます。必要になったら病変だけにとどまり、仕事を終えたらその場を離れます」。

実験でみられたのと同程度の効果を人でも証明できれば、ニトロメマンチンはアルツハイマー病関連の脳障害を防いだり回復させたりする初の薬になるだろう。アルツハイマー病を初期段階で見つけて、この薬を使えば、患者は認知症を全く経験しなくて済むかもしれない。

「現時点で、少なくとも動物モデルでは、この新しい改良薬ニトロメマンチンはかろうじてシナプスを守るというよりもシナプスの数を完全に正常な状態にまで戻します」。リプトン博士はそう語った。「これには本当に驚きました。素晴らしい薬になるという希望を与えてくれるものです。でも、やらなければならないことがまだたくさんあります」。


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