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2010-12-09

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

エキセメスタンは、ホルモン受容体陽性早期乳がんに対する、もう一つの第一選択補助療法であるかもしれない

サイエンスデイリー(2010年12月9日)-エキセメスタンはエストロゲン産生を妨害するアロマターゼ阻害薬である。このエキセメスタンがホルモン受容体陽性早期乳がん手術後の閉経後女性に、もう一つの選択肢を与えてくれるかもしれない。

アナストロゾールエキセメスタンの2つのアロマターゼ阻害薬を補助療法として直接比較する臨床試験が初めて実施され、その結果、それぞれの阻害薬を服用した患者群の生存率と再発阻止率が同程度であることがわかった。骨粗鬆症発生の危険性を含む副作用プロフィールには若干の違いが認められた。

ポール・E. ゴス医師、医学博士(Paul E. Goss)はボストンにあるハーバード医科大学院(Harvard Medical School in Boston)の医学教授である。2010年12月8日から12日に開催された第33回CTRC-AACRサンアントニオ乳がんシンポジウム(the 33rd Annual CTRC-AACR San Antonio Breast Cancer Symposium)において、ゴス教授は本試験の詳細な結果を発表した。

ホルモン受容体陽性乳がんではエストロゲンが腫瘍の成長を促進するため、現在、患者は手術後5年間エストロゲン産生を抑制する薬剤を投与される。アロマターゼ阻害薬はアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素を妨害する。

これまでの研究で、アロマターゼ阻害薬は標準的な内分泌治療に対する優位性を示していた。このうち、第一選択補助療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ているのはアナストロゾールレトロゾールのみである。

しかしゴス教授によると、この2つ以外の、エキセメスタンなどのアロマターゼ阻害薬の方が有効性が高く、骨や器官、脂質代謝に対するものも含め副作用も少ないかもしれないと研究者らは仮定したのだという。

「薬剤分類の違いについて言えば、アナストロゾールは非ステロイド性阻害薬であるのに対し、エキセメスタンはステロイド性阻害薬です」とゴス教授は言う。

この仮説を検証するために、カナダのクイーンズ大学(Queen's University, Canada)のカナダ国立癌研究所臨床試験グループ(the NCIC Clinical Trials Group)は、カナダ、米国、欧州の7,576名の女性を対象に、2つの治療薬を比較するための大規模な無作為化臨床試験を指揮した。この試験は、米国国立がん研究所の癌治療評価プログラム(the U.S. National Cancer Institute's Cancer Therapy Evaluation Program)と、欧州に拠点を置く乳がん国際研究グループ(International Breast Cancer Study Group)の支援を受けた。

「乳がんの再発予防や総生存率について、エキセメスタンアナストロゾールと同じくらい有効だとわかりました」とゴス教授は語る。「エキセメスタンを投与した患者群では、アナストロゾールを投与した群と比べて骨粗鬆症の発生率もコレステロール値も低いことが判明しました。情緒の変化や血液検査の肝機能異常値などの、他の副作用の報告はエキセメスタン群のほうが多かったのですが、副作用の発生件数そのものはわずかなものでした。これらの結果を考えると、エキセメスタンアナストロゾールに代わる初期補助療法として考慮するに値します。」

エキセメスタンは現時点では、標準的な内分泌治療であるタモキシフェン投与後の使用、および転移性乳がんに対する第二選択療法としての使用に関してFDAの承認を得ている。

「利用できる3つのアロマターゼ阻害薬の特許はやがて切れます。今回の試験結果は、世界中で乳がんに対して最も一般的に処方されている薬剤に替わる、新しい選択肢を与えてくれるものです。」

ゴス教授によれば患者にとってのよい知らせは、この試験では術後継続管理期間が4年以上の患者の経過がきわめて良好で、総生存率が91パーセントだったということである。「スクリーニング、手術、放射線療法、化学療法、内分泌治療などで数多くの進歩が見られたことの総合的な結果が、この総生存率なのかもしれません」とゴス教授は述べた。

この臨床試験では当初、アロマターゼ阻害薬と併用した際の、セレコキシブというCOX-2阻害薬の役割を調べることも予定していた。しかしCOX-2阻害薬が心臓疾患と関連する懸念が生じたため、本試験のこの部分は7年間の試験期間が始まって2年もたたないうちに中止された。当時、計1,635名の女性がセレコキシブを投与されていた。

COX-2阻害薬は非ステロイド性抗炎症薬で、炎症を伴う疼痛と腫脹の原因となるCOX-2酵素を抑制することで炎症を軽減する。COX-2酵素は前がん組織ならびにがん組織にも反応して生産される。

「ですから、乳がんの再発抑制にCOX-2阻害薬が果たす役割はわからないままです。」ゴス教授は語った。


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