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2012-10-17

ソース(記事原文):メドページ・トゥデイ

ステロイドによる心臓手術の輸血節減

メドページ・トゥデイ(2012年10月17日)― 常勤ライタークリスティーナ・フィオレ(Kristina Fiore)著

監修:ハーバード大学医学部(ボストン)准教授ドリ・ザレズニク(Dori F. Zaleznik)医学博士と、正看護婦で看護プランナーのドロシー・カプト(Dorothy Caputo)氏

ワシントン発 ― 心臓手術中に高用量のステロイドを投与された患者は、血液製剤を必要とする割合が低いことが、研究者らによって発表された。

オランダのユトレヒト大学医療センター(University Medical Center Utrecht)のジャン・ディルマン(Jan Dieleman)博士らによれば、無作為化対照試験の事後的サブスタディにおいて、冠動脈バイパス術中にデキサメタゾン(ステロイド系抗炎症薬)1mg/kgを投与された患者では輸血を受けない人が有意に多かった(61%対57.9%、P=0.03)。

ディルマン氏は「これが輸血節減の効果的方法となりうると考えている」とアメリカ麻酔科学会(American Society of Anesthesiologists)総会で語った。「デキサメタゾンにはお金がかからないので対費用効果がよいと思われる」

コルチコステロイドは炎症反応を抑えるため心臓手術中に投与されることがあるが、これは手術後における自己血液製剤などの静脈内輸液療法や、昇圧剤・強心薬療法の必要性を低下させることを目的としている。

ディルマン氏らは、デキサメタゾンが重大な有害事象へ及ぼす影響を検討した試験(DECS試験)の事後的サブスタディを実施し、高用量コルチコステロイドが輸血回数を減少させるかどうかを評価した。

元となる多施設共同無作為化二重盲検試験は2006年~2011年に冠動脈バイパス術を受けた成人患者4,494人を登録したものである。その試験結果は、アメリカ医師会機関紙(JAMA:Journal of the American Medical Association)に掲載される予定である。

これらの患者のうち2,235人は麻酔導入後にデキサメタゾン一回量を投与され、2,247人はプラセボを投与された。

ディルマン氏らが特に検討したのは、手術後に血液製剤の輸血を受けなかった患者の割合であった。また、手術室とその後の集中治療室における濃縮赤血球、新鮮凍結血漿、または血小板の輸血節減についても調べた。

輸血を受けなかったのは、ステロイド投与患者で61%であったのに対し、プラセボ群では57.9%であったことが明らかにされた(P=0.03)。

同氏らの報告によれば、手術室ではデキサメタゾン群のほうが濃厚赤血球輸血を受けた患者が少なかった(83.9%対80.8%、P<0.01)一方、集中治療室ではこの評価項目に差はなかった。

したがって、この効果は主として手術中における赤血球の輸血が少ないことによって得られる、とディルマン氏は述べている。

また、手術室または集中治療室における別のタイプの血液製剤の輸血率には群間で有意差がみられなかったと補足した。

それでも、心臓手術中における高用量デキサメタゾンの使用は、費用がほとんどかからず、安全性も高いことから、血液製剤輸注の必要性を低下させるための適切な予防的介入となる、とディルマン氏は結論づけている。

本研究に関与しなかったニューヨークのコロンビア大医科大学(Columbia University Medical Center)の心胸郭外科医アイザック・ジョージ(Isaac George)博士は「本試験では重要な臨床エンドポイントが検討されている。というのも、手術後の炎症は、痛み、発熱、癒着、血管拡張を引き起こし手術後の入院経過を悪化させるとともに、虚血に似た症状を呈するからである」とメドページ・トゥデイ(MedPage Today)誌に語った。

一方で、同氏は高用量ステロイドが、創傷治癒を遅らせ、血糖値を上昇させ、感染症を増加させるのではないかと懸念している。

ジョージ氏は「創傷治癒障害のリスクが既に高い高齢患者に手術を施す今の時代においては、特に現実的問題である」としている。「臨床適応外のステロイドは胸骨の治癒に長期的・短期的影響を及ぼす可能性が実際にある」

同氏によれば、高齢者は胃腸系の見地からステロイドに耐えられない可能性があり、「これらのリスクは心肺バイパス術中に悪化する」という。

また、ジョージ氏は「心臓手術中の輸血節減のための系統的な臨床アルゴリズム(輸血量節減法)には効果があるという有望なデータが存在する」とメドページ・トゥデイ誌に語った。「これらのアルゴリズムを安全な協奏的方法で組み合わせることにより、ステロイド関連リスクを伴うことなく、さらに意義のある輸血節減を得られる可能性がある」

同氏は、さらなる試験を実施し、この条件下における低用量ステロイドの影響を評価するのがよいと考えられるとしている。


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