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2014-07-17

ソース(記事原文):メッドスケープ

ドキシサイクリン:眼疾患に対する二重の役割?

メッドスケープ(2014年7月17日) ― 検眼士ブリアン・ホッブス(Brianne N. Hobbs) 著

重症非増殖糖尿病網膜症または低中間リスク増殖糖尿病網膜症の患者においてドキシサイクリンが網膜機能と糖尿病性網膜症の進行に及ぼす効果をプラセボと比較ランダム化臨床試験

研究者:Scott IU, Jackson GR, Quillen DAら米国眼科学会誌(JAMA Ophthalmology)2014;132:535-543

眼疾患におけるドキシサイクリン

ドキシサイクリンは、マイボーム腺機能不全の管理において既に重要な役割を果たしているが、これとは別に一般的な眼疾患である糖尿病性網膜症の治療にも有効となる可能性がある。

現行の糖尿病性網膜症の治療法は血糖・血圧・コレステロール値の厳密なコントロールに重点を置くものであるが、糖尿病による眼疾患を予防するための新たな選択肢が望まれる。糖尿病の発生機序には炎症過程が含まれるという報告が多数あり、ドキシサイクリンの持つ抗炎症作用でそれを最小限に抑えられる可能性がある。

研究の要約

概念実証試験とは、少人数の患者グループを対象に、治療介入と転帰の関連性の可能性を検討しようとする探索的試験である。本試験は、糖尿病患者における低用量ドキシサイクリンと網膜機能との関連性を説明するために実施された。このランダム化プラセボ対照臨床試験の結果は最近になって発表された。

重症非増殖糖尿病網膜症または初期の低中間リスク増殖糖尿病網膜症患者30人を、24ヵ月間にわたりドキシサイクリン50 mgを1日1回投与する群とプラセボを投与する群のいずれかにランダムに割り付けた。治療(ドキシサイクリン)群と対照群の治療開始前の特性は概ね同様であったが、対照群の方がドキシサイクリン群よりも糖尿病期間が平均7年長く、治療群における優位な転帰の一因となった。

試験結果

主要評価項目は24ヵ月時点の網膜機能と糖尿病網膜症のステージ(重症度)としたが、数多くの解剖学的及び機能的なパラメータも定量した。

本試験では、初期の網膜変化に対して感度が高いと考えられている評価項目を選択することにより、網膜機能の微小変化を検出する確率を高めようと試みた。この検査には視野計FDP(frequency doubling perimetry)を用いた。先行研究によると、FDP検査による平均網膜感度は、網膜内層の微小変化を検出する上で、他の検査法よりも優れている。

FDP網膜感度は、プラセボ群の方が平均1.9デシベル(-1.9 dB)低く、ドキシサイクリン群で1.8デシベル(+1.8 dB)上昇した。群間差は6ヵ月後に有意となった(P= 0.04)。この差は試験終了時にも統計学的に有意なままであったが(P= 0.02)、視野などの主観的検査には変動がつきものである上に、治療効果は比較的小さいことから、臨床的意義に疑問の余地が残る。

スウェーデン閾値測定アルゴリズム(SITA)24-2検査、対比感度、暗順応、視力、QOL、解剖学的所見などの多数の項目が評価されたが、いずれも有意な群間差は認められなかった。ドキシサイクリン群のうち4人(27%)が試験から脱落した。ただし、ドキシサイクリンによる副作用は報告されなかった。

観点

糖尿病患者の視覚機能を改善または保護するためには、費用対効果の高い効率的な治療法を開発することが、大きな一歩を踏み出すことにつながる。ドキシサイクリンの処方は、侵襲性の高い、高価な治療を必要とする網膜症晩期合併症の予防または遅延に役立つ可能性がある。

本試験は、少ない症例数や、治療群での高い脱落率、疑問の余地が残る臨床的有用性の評価項目が弱点となっているのは明らかだが、糖尿病性網膜症に対するドキシサイクリンの潜在的治療効果に関する追加情報を提示するという目的は達成された。

より高用量のドキシサイクリンで、より高い有効性を得られる可能性がある。50 mg用量はマイボーム腺機能不全における局所的な抗炎症作用を得るのに有用であるが、これ以上の高用量は全身性疾患に対する抗炎症作用を得るのに必要とされると考えられる。糖尿病患者におけるドキシサイクリンの効果をより正確に説明付けるには、局所網膜電図などの網膜機能に対する客観的測定が役立つ可能性があると考えられる。ドキシサイクリンは軽度の糖尿病患者において一層有益となる可能性がある。本試験では重症非増殖糖尿病網膜症または初期の増殖糖尿病網膜症患者でしか検討されていない。

将来的に、糖尿病による視力低下の防御と、マイボーム腺機能不全の症状改善という二重の役割がドキシサイクリンに認められるということが証明される見込みがある。


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