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2008-12-29

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

パーキンソン病患者のうつ病治療には旧世代の抗うつ薬のほうが優れている?

サイエンスデイリー(2008年12月29日)―第一選択薬として使用されることの多い抗うつ薬で、セロトニンだけに作用する薬は、パーキンソン病患者のうつ病治療に最適ではない可能性のあることが新たな研究により明らかにされた。この新たな研究は、米国神経学会(American Academy of Neurology)の医学雑誌ニューロロジーRの2008年12月17日オンライン版に掲載されている。うつ病はパーキンソン病患者の50%に認められる。

今回の試験は、脳内の2つの受容体を標的とする旧世代の抗うつ薬を、新世代のセロトニン選択性抗うつ薬およびプラセボと比較した最初の試験である。また、この試験はパーキンソン病患者のうつ病に関するプラセボ比較対照試験としては最大規模である。

今回の試験では、科学者らはパーキンソン病でうつ病を併発していると診断された52例に対し、三環系抗うつ薬(TCA)ノルトリプチリン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)パロキセチンCR、プラセボのいずれかを投与した。三環系抗うつ薬は脳内のノルエピネフリンとセロトニンという異なる2つの受容体に作用する。投与開始から2週間後、4週間後、8週間後に被験者のうつ病症状の改善度について検討した。

試験から、ノルトリプチリン群はパロキセチンCR群と比較して、うつ病症状に改善がみられる可能性がほぼ5倍高いことが明らかにされた。

研究論文の著者であり、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway, NJ)にあるUMDNJロバートウッドジョンソン医科大学(UMDNJ-Robert Wood Johnson Medical School)の精神神経学教授(Professor of Psychiatry and Neurology)でもあるマシュー・メンザ医師(Matthew Menza, MD)は次のように述べている。「今回の試験は多くの重要な事柄を示していると私は考えている。1つ目は、パーキンソン病患者は抗うつ薬の効果を得られるということである。これが重要であるのは、パーキンソン病患者のうつ病は認識されることが少なく、正当な評価が行われず、十分に治療されないためである。もちろん、一般にこの見解はうつ病で重症のパーキンソン病患者の場合である。今回の試験から、患者は助けてもらえるという希望を持つべきなのは明らかである。」「この試験が2つ目に示しているのは、パーキンソン病に併発したうつ病の治療を成功させるには、脳内のセロトニンだけでなくセロトニンとノルエピネフリンの両方に作用する薬の使用が必要だということである。」

また同氏は、今回の試験で検討した古いタイプの抗うつ薬ノルトリプチリンに加えて、セロトニンとノルエピネフリンの両方に作用する抗うつ薬には新しいものもいくつか存在することから、それらを検討する必要があるとも述べている。

三環系抗うつ薬は、比較的古いクラスの抗うつ薬の1つで、1950年代から使用されている。この薬には過量投与リスクのほか、心臓と脳に対する毒性作用による死亡リスクの上昇がみられる。「三環系抗うつ薬を服用している患者の主治医は、その投与量を注意深く監視するべきである。」とメンザ氏は述べている。

この研究は、国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute for Neurological Disorders and Stroke。略称:NINDS)の支援を受けた。


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