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2013-04-01

ソース(記事原文):ドクター・ティプスター

ミノサイクリンが出血性脳卒中の治療戦略に導入される可能性

ドクター・ティプスター(2013年4月1日)― ジョージア・リージェンツ大学(Georgia Regents University)の研究者らは、広域抗生物質ミノサイクリンが出血性脳卒中により生じた身体障害の度合いを軽減させられるかどうか確認するための試験を主導している。この結果はこれまでのところ有望であり、ミノサイクリンはもう一つの脳卒中(最も多く発生する虚血性脳卒中)によるダメージの治療において安全かつ有効な薬剤であることが示されている。

出血性脳卒中は脳卒中全体の約10%を占めるが、より重篤な結果を招くことが多い。死亡率は出血性脳卒中の方が虚血性脳卒中よりも高いのは留意すべき点である。ただし、早期に治療介入すると回復の可能性が高まる。ジョージア・リージェンツ大学ジョージア医学部の脳卒中専門医ジェフリー・スウィツァー(Jeffrey A.Switzer)氏は、ミノサイクリンの早期投与が脳卒中に起因する出血や大脳病変を軽減させるのではないかと期待している。同氏は「どちらのタイプの脳卒中か確定診断する前に、両者にとって安全であると分かっている脳卒中分野の薬剤を投与できれば、患者を救う新たな戦略となるだろう」としている。

ミノサイクリンは出血に関与するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれる酵素の濃度を低下させ、炎症を軽減するように思われる。MMPは血管の基底膜を破壊するので、血管が出血しやすくなる。先行研究から、特定の脳卒中患者ではMMPおよび炎症細胞の血中濃度が高く、このことは負の予後因子と相関することが明らかにされている。ミノサイクリンの作用機序には鉄の収集があり、鉄はヘモグロビン(酸素運搬)の構造に必須の成分である一方、脳組織と接触すると極めて有害となる。

スウィツァー氏はこの抗生物質が出血性脳卒中により生じた出血や脳損傷を軽減すると期待している。一般に患者の症状は脳卒中後数時間以内に悪化するため、早期の治療介入により予後が改善する可能性がある。ミノサイクリンが出血性脳卒中患者にとって安全な薬剤であることが試験で示されれば、病院到着前に投与できる可能性がある。さらに、この抗生物質は虚血性脳卒中患者にも有益性をもたらす可能性がある(つまり、組織プラスミノーゲン活性化因子を投与できる時間帯を延ばせる[通常は発症後4.5時間以内])。

ミノサイクリンを静脈内投与する前に、出血性脳卒中の確定診断を行うために患者に脳CTが行われる。また、血中MMPおよび炎症性タンパク質濃度の検査が、脳卒中後24時間、7日、90日の時点で行われる。


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