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2014-12-04

ソース(記事原文):メッドスケープ

リラグルチドが腎臓病を有する糖尿病患者への適応で欧州にて承認

メッドスケープ(2014年12月4日) ― リーサ・ナインゴラン(Lisa Nainggolan)著

注射用グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体作動薬である「リラグルチド」(ノボノルディスク社製造のビクトーザ)を、中等度の腎機能障害を有する成人2型糖尿病患者へ適応拡大することについて、欧州連合の承認勧告が得られた。

英国レスター大学(University of Leicester)のメラニ・デーヴィス(Melanie J Davies)氏は、一般に正式な承認は、ヒト用医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)から推奨受領後2ヵ月以内に得られ、この適応拡大が欧州で支持されれば、リラグルチドはこの難治性患者集団を対象とした数少ない公的認可済み血糖降下薬の一つとなる、と説明している。デーヴィス氏はこの適応拡大を検討したLIRA-RENAL試験の主任研究者である。

同氏は「糖尿病患者は、糖尿病又はその他の併存症により、腎臓に問題を抱えやすいが、これらの患者に使用可能な血糖降下薬の選択肢は限られている」と述べている。

腎臓病専門医デイヴィド・スコット(David Scott)氏(ニューヨーク州ローズデールの臨床研究開発アソシエート)も、同じ見解を示している。同氏は「糖尿病と慢性腎臓病を併発した患者の管理は難しく、こうした患者では治療選択肢が限られるほか、多くの抗糖尿病薬に忍容性不良で、安全性の問題から多くは禁忌となっている」とメッドスケープ・メディカルニュース(Medscape Medical News)に語った。

デーヴィス氏は、LIRA-RENAL試験の結果を、米国糖尿病協会(American Diabetes Association:AHA)2014年科学会議と、欧州糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes :EASD)2014年総会で発表したほか、論文の原稿を医学誌に投稿済みである。スコット氏は、先日フィラデルフィアで開催された2014年米国腎臓学会議(Kidney Week)でも今回の結果を報告している。

中等度ないし重度の腎不全患者は、新しい血糖降下薬の臨床試験から除外されることが多いため、リラグルチドがこの適応で認可されれば、これらの患者の治療に有力な手段が加わることになる、と両医師は述べている。

デーヴィス氏によると「臨床医にとって選択肢がわずかに増えるというだけのことである」という。

この他にも、糖尿病腎症集団での安全性が既に臨床試験データで示されている新薬にジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤リナグリプチン(商品名Tradjenta/Trajenta、ベーリンガーインゲルハイム社)があり、この薬剤は「用量調節せずに腎不全患者に使用できるという特長を持つ」とデーヴィス氏は述べている。

昔ながらの薬剤を腎不全に使用できないのか?

腎不全を有する2型糖尿病患者において新薬を検証することに大きな関心が寄せられているが、その理由の一つは、昔ながらの抗糖尿病薬の多くがこの患者集団で使用できないからである。つまり、禁忌であったり、用量を減らす必要があったりと、使用制限がある。

例えば、メトホルミンは、重症腎不全患者において乳酸アシドーシスを起こすリスクがあるとして、従来から使用されていない。

しかし、メトホルミンと腎機能障害に関する多くの臨床決定は「かなり古いデータ」に基づいている、とスコット氏は考えている。最近になって、初期の腎不全と同様、「病期(ステージ)3a又は3bの安定した慢性腎臓病患者において、メトホルミンを使用できることが示唆された」と同氏は述べている。病期3aの定義は推定糸球体濾過量(eGFR)45~59 mL/min/1.73m2、そして病期3bの定義はeGFRが30~44 mL/min/1.73m2とする。

「慢性腎臓病(CKD)にてメトホルミンを評価したデータのうち参考になるものはあまりないが、数百件分の試験を統合したデータの学術的報告が数年前に発表されており、腎機能障害患者でも、正常な腎機能を持つ患者と同様、致死的乳酸アシドーシスのは発症例は認められないことが明らかにされた」と同氏は補足した。

デーヴィス氏は、一般にメトホルミンはeGFR45までの患者を対象とし、eGFR45未満には使用されておらず、これは英国NICE(英国立医療技術評価機構)の指針でもあるとしている。

両氏によれば、スルホニル尿素剤に関して言えば、この種の薬剤は一般に高齢の腎臓機能障害患者において体重増加や低血糖リスクなどの薬剤関連の副作用が起こるため、使用しないようにしているという。チアゾリジンジオン ピオグリタゾンについては、浮腫や心不全リスクなど問題があり、これらの患者集団での使用を控えることが多い、とデーヴィス氏は述べている。

慢性腎臓病は進行するにつれ、治療選択肢が限られてくるので、インスリン治療が必要となることが多い。インスリン治療は、厳格な血糖コントロールを目標としている高齢患者において、体重増加、低血糖、死亡率増加を招くことが多い。

カナグリフロジンを検討するCREDENCE試験が開始

デーヴィス氏によると、糖尿病の新規薬剤のほとんどは、糖尿病腎症において腎臓から尿中に排泄されるため、用量調節を必要とする。具体的には、リナグリプチン以外のDPP-4阻害薬や、リラグルチド以外の大半のGLP-1アゴニスト、そして別の新規開発されたナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害剤がある。

現在のSGLT-2阻害剤のライセンスでは、腎不全患者(患者によってeGFRが60未満又は45未満)が適応外となっている。しかし、腎排泄されるとはいえ、腎保護作用をもたらす可能性のあるSGLT阻害薬は大変興味深い。SGLT阻害薬の一つであるカナグリフロジン(ヤンセン社製造のInvokanaという薬剤)は、糖尿病腎症集団にて検証中である。

大規模多施設共同ランダム化CREDENCE試験(糖尿病腎症患者におけるカナグリフロジンが腎臓及び心血管系の転帰に及ぼす効果を検討する試験)では、顕性アルブミン尿を伴う病期(ステージ)2又は3の慢性腎臓病で、既に標準治療を受けた患者3,000人を登録する予定である、とスコット氏はメッドスケープ・メディカルニュース(Medscape Medical News)に語った。カナグリフロジン100 mg/日又はプラセボのいずれかにランダム割付し、5年間投与することとし、結果は2019年以降になる見込み。

スコット氏は「この試験は、抗糖尿病薬の血糖値に及ぼす影響とは無関係の付加的な腎保護作用について評価する数少ない試験の一つであるため、大変興味深い」と指摘している。

LIRA-RENAL試験の結果に基づく欧州医薬品評価委員会(CHMP)の承認勧告

リラグルチドの適応拡大における承認勧告はLIRA-RENAL試験に基づくものであった。LIRA-RENAL試験では、中等度の腎機能障害(eGFR 30~59 mL/min/1.73m2)を有する2型糖尿病患者が、現在の治療(経口血糖降下薬又はインスリン)に加えて、リラグルチド注射1.8 mg(140人)あるいはプラセボ(137人)を26週投与された。

患者の平均年齢は67歳、糖尿病の平均罹患期間は15年であった。

主要評価項目はHbA1c値の治療開始前からの変化量とした。リラグルチドはプラセボと比べて血糖コントロールに優れていることが示された。具体的には、治療開始前から26週目までのHbA1c値の平均変化は、リラグルチド群で-1.05%であったのに対し、プラセボ群で-0.38%であった。

リラグルチド投与群にはGLP-1アゴニストのメリットとして知られる体重減少も見られたほか、低血糖リスクも低かった。

しかし、消化管の副作用、主に吐き気と嘔吐は、リラグルチド群の方が35.7%で、プラセボの17.5%よりも高かった。また、有害事象による治療中止率も、リラグルチド群(13.6%)の方が、プラセボ群(2.9%)よりも高かった。

米国糖尿病協会のポスター発表されたデータによれば、リパーゼ値とアミラーゼ値の治療開始前からの増加がリラグルチド群で認められたのに対し、プラセボ群では見られなかった。この「臨床的意義は不明」である。

なお、試験終了時に、リラグルチド群で膵炎を起こしていた患者はいなかった。

この他にも予想外の安全性や忍容性の問題はなく、6ヵ月間の試験期間中、被験者の腎機能が悪化しなかった点も重要である。さらに、リラグルチドが血糖に及ぼす効果は、糸球体濾過量(eGFR)別の部分集団で一貫していた。

今回の結果は、慢性腎臓病を伴う糖尿病患者における新たな治療選択肢が、少なくとも欧州にて間もなく認可されると期待させるものであり、現時点で限られた治療選択肢しかない臨床医に選択肢がもう1つ追加されることになる、とデーヴィス氏は締めくくった。


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