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2010-04-13

ソース(記事原文):BBCニュース

前立腺癌ワクチンを承認

アメリカ食品医薬品局は、前立腺癌の‘ワクチン’を承認した。このワクチンの効能は免疫システムの働きを利用し、前立腺癌を攻撃するのである。

プロベンジは、アメリカ食品医薬品局に初めて承認された免疫療法薬であり、進行性の前立腺がんを患う男性用の薬である。

服用量は個人個人で異なり、費用も高額である。患者1人当たり$93,000掛かる。

プロベンジは現在の癌治療法を補助する医薬品であり、それらにとって代わるものではない、と専門家は述べた。

医師は、免疫システムの働きを高め、癌細胞を撃退する方法を数十年間模索してきた。

プロベンジを用いた治療で成功が期待される実験は幾つかある。その中の1つが、病期Dにあるメラノーマの治療に実験用ワクチンを用いたケースである。

この最新の治療では、各患者から採取した特別な血液細胞が使われる。この血液細胞は、癌細胞を危険因子とみなすよう免疫システムに働きかける。

この血液細胞を前立腺がんのがん細胞に含まれるたんぱく質(ほとんどの前立腺がん細胞に存在する)と免疫システムを刺激する物質と混ぜ合わせるのである。

進行性癌

プロベンジは前立腺がんの治療薬ではないが、前立腺がんが進行し体の他の部位に転移した場合や通常のホルモン治療が効かなくなった場合に用いられている。

臨床試験では、プロベンジにより患者の寿命が4カ月延びることが確認された。

これに対し、化学療法を用いた場合の延命期間は、平均で3カ月である。

フィル・カントフ医師はダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)に勤める腫瘍医であり、プロベンジ研究の参加者である。カントフ医師は、「ここで重要なのは、プロベンジが承認を得る初めての免疫療法薬ということだ。今後5年から10年以内に免疫療法は癌治療に広く用いられることになるだろう」と語った。

イギリスでは現在、癌により死亡した男性の12%を前立腺癌が占めている。そして前立腺癌により死亡する男性患者数は、癌患者の中で2番目に多い。

85歳以上の男性の死亡原因に癌があげられるが、その中でも前立腺癌による死亡数は最も多い。

前立腺癌チャリティー(The Prostate Cancer Charity)の最高責任者ジョン・ニート氏は、「この様な免疫療法薬が、癌患者に更なる延命効果をもたらす可能性がある、とこのニュースは伝えている。これには期待がもてる」と述べた。

しかし彼は、こう続けている「プロベンジを用いた治療に当初の目論見通りの効果がみられたとしても、未だに謎の部分が残っている」

「現時点では、この治療を施すのに必要な機器を備える施設はヨーロッパには無いというのが我々の見解である」

「更に、英国においてプロベンジンは未承認である。そして、プロベンジンを長期使用した場合の効能と副作用を医師達が熟知し、自信を持って末期前立腺癌の治療薬として使用するようになるまでにあと数年かかる」

英国キャンサー・リサーチ(Cancer Research UK)の前立腺癌専門医クリス・パーカー医師は次のように述べた。「プロベンジが承認されたことを受け、患者の免疫システムを利用した癌治療に関する新たな研究分野が開拓されることを我々は望んでいる」