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2011-09-21

ソース(記事原文):オンコロジーナースアドバイザー

化学療法による末梢神経障害:癌治療による衰弱効果

オンコロジーナースアドバイザー(2011年9月21日)―コリーン・エルプ(Colleen H. Erb)著

化学療法を受けている患者の多くに生じる重篤な副作用に末梢神経障害があり、投与量の減少に至る原因となったり、治療の早期中止につながったりする。また、患者のQOL(生活の質)にも著しい影響を及ぼす。がん化学療法による末梢神経障害(以下、CIPN)の全発症率は30%~40%であると考えられているが、使用した化学療法剤によってバラツキがある。処方薬や栄養補助剤の多くが、予防手段または症状管理として検討されているが、現時点でCIPNを適応に承認されている薬はない。

がん化学療法による末梢神経障害(CIPN)とその原因について理解する

CIPNは、神経障害に起因するもので、感覚神経障害と運動神経障害の両方につながる。この発症は、神経(自律、運動、または感覚)の破綻との関連がみられる。随伴する痛みは激しいもので機能的障害を引き起こすことになる。神経障害に特異的な徴候は、使用した薬剤のタイプによって異なる。CIPNの重症度は評価尺度に基づき測定し、治療の必要性があるか、もしくは神経毒性のある薬を中止するかを決定する。

その他のCIPNの要因には、患者の年齢や、薬剤強度、化学療法剤の累積投与量、2剤以上の神経毒性のある化学療法剤の使用のほか、その他の以前からの併存症が挙げられる。主な有害薬剤には、ビンカアルカロイドや、タキサン系薬、それにプラチナ製剤中心の薬剤がある。ただし、他にも多くの薬剤が神経障害の原因となる。

プラチナ製剤を中心とした薬剤

     

これらの薬剤、特にシスプラチンとオキサリプラチン(エロキサチン、ジェネリック薬)が、感覚性ニューロパチーの原因となることが多い。カルボプラチンもその症状を引き起こす原因となるが、発症に至るのはまれである。シスプラチンに関連するCIPNは用量依存的である。シスプラチン投与中の患者では、振動感覚の低下や、深部腱反射の消失、それに感覚異常が生じる。シスプラチン投与中の患者における独特の所見は、神経感覚における高周波聴力の消失と、耳鳴である。オキサリプラチンは、他のプラチナ製剤を中心とした薬剤と異なり、独特の感覚異常や筋痙攣を引き起こし、これは寒さへの曝露によって増強される。具体的には息切れや、寒さに関連した咽喉の知覚異常による嚥下障害などがある。これらの症状は、一般に投与開始から2~3時間以内に始まる。

タキサン系薬

     

タキサンの累積投与量の増加と、CIPNの発症率の上昇に強い関連がみられる。一方、ドセタキセル(Docefrez,タキソテール、ジェネリック薬)は、高用量での投与時、パクリタキセル(アブラキサン、ジェネリック薬)よりも神経毒性が少ない。主な症状は、投与開始から24時間~72時間以内に現れる感覚異常と知覚異常である。通常、発症は近位筋脱力や、筋肉痛/関節痛として始まり、特に膝や肩に多くみられ、まれに夜間の下肢痙攣がみられる。これらの症状は投与後4~7日で回復することが多い。時間の経過とともに、70%を超える患者で四肢の末端に持続性のしびれ感、ピリピリ感、灼けつく痛みを生じる。

ビンカアルカロイド

  

これらの薬剤は、手と脚に、痛みと感覚異常を引き起こすほか、深部腱反射の消失の原因にもなる。なお、自律性ニューロンの破壊所見は、この種の薬剤に特有である。ビンクリスチンは、便秘、腸閉塞、勃起障害を起こすことが多い。したがって、ビンクリスチンの投与開始前に、消化管機能を測定することが必須である。ビンクリスチンおよびビンブラスチンは、脳神経に影響を及ぼし、声帯麻痺、顎痛、または視神経症(まれ)を引き起こす。

神経障害の既往をはじめとするリスク因子

     

化学療法薬だけでなく、リスク因子によっても、CIPNが発症しやすくなる。医療従事者が、感覚性ニューロパチーの既往症と、CIPNを確実に区別できるように、既往症を記録することが望ましい。その他にも糖尿病、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、先天性神経障害、アルコール乱用、その他の服用中の薬などが感覚性ニューロパチーの原因になる。また、感覚性ニューロパチーは、既診断の疾患に起因する症状である可能性もある。神経障害の既往がある患者は、神経障害が急速に悪化することから詳細な観察が必要である。

CIPNの病態生理

末梢神経系(PNS)は、特定の化学療法薬の影響を非常に受けやすい。中枢神経系(CNS)と異なり、末梢神経系(PNS)は血液関門(例えば血液脳関門)によって保護されていない。末梢神経系の神経細胞は、椎体から出て、皮膚分節と呼ばれる特定部位の神経を支配する。各末梢神経系神経細胞は、ミエリン鞘と、細胞体、それに樹状突起に取り囲まれた1個の軸索突起からなる。感覚神経は、脊髄後根神経節に束ねられている。運動ニューロンは脊髄にあるので、神経細胞(ニューロン)に運動神経障害が起こりにくいような高い保護作用が付与されている。

ほとんど全ての場合、CIPNは左右対称性を有し、末梢(脚の指または指先)から始まる。改善しない場合は、近傍に進展して靴下・手袋型に分布する。CIPNのほとんどは、有害な化学療法薬を減量か中止すると、時間経過とともに徐々に回復する。ただし、重篤な損傷または神経細胞死の場合にはCIPNは回復不能となりうる。症状は原因となる薬を止めた後でも悪化するという点で患者は停滞期を経験する。

予防策

神経毒性のある薬を投与中の患者に最良の選択肢は予防である。CIPNに対し幅広く認められた唯一の治療法は、患者の日常生活への支障の程度と、QOL(生活の質)に及ぼす影響に基づき、投与量を変更することである。神経障害の既往がある患者は、CIPNを発症するリスクが最も大きい。したがって、治療開始前に、詳細な病歴を患者から得る必要がある。患者に神経障害の既往がある場合は、極めて詳細な観察が不可欠である。栄養補助剤および薬剤について、CIPN予防策の特性が臨床試験で検証されているが、結果はさまざまである。

一部の薬剤は有望であるように思われるものの、臨床試験からは他よりも推奨される薬剤があるという十分な証拠は得られなかった。ビタミンEの研究で、CIPNの減少に極めて有望な結果が示された。しかし、2回目の臨床試験では、グレード(重症度)2以上のCIPNに関してビタミンEとプラセボの間の有意差は示されなかったほか、発症までの時間、CIPNに起因する化学療法剤の減量、または患者評価による症状についても同様であった。相反する結果ではあるが、ビタミンEはCIPNの有望な予防策であるため、その有効性を判定するための臨床試験が別に進行されている。

オキサリプラチンにより誘発された神経障害を予防するため、研究者らはグルコン酸カルシウムと硫酸マグネシウム(以下、CaMg)を静脈内投与すると、CIPNが減少するのではないかという仮説を立てた。ある研究では、オキサリプラチン注入の前後にCaMgを静脈内投与すると、治療の有効性に影響を及ぼすことなく、CIPNが有意に減少することが示された。CONcePT(オキサリプラチン併用の神経毒性予防試験、Combined Oxaliplatin Neurotoxicity Prevention Trial)の初期に、治療に対する反応が有意に低いことが明らかとなり、試験は早期に打ち切られた。しかし、のちに臨床試験を再調査したところ、CaMgの投与を受けた患者において、数値的に反応率が高いことと、高悪性度のCIPNの発生率が低いことが示された。現段階で、CaMg静注の使用を支持するデータは不十分である。

グルタチオンが、ヨーロッパの研究者らによって検討されている。提唱される有効性を支持する仮説とは、プラチナ製剤を中心とした薬剤の蓄積が、脊髄後根神経節で抑制されうるというものである。イタリアの無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、オキサリプラチン治療前に静注グルタチオンを投与した患者において、グレード3以上のCIPNの発生率が低いことと、腫瘍反応に及ぼす影響もわずかであることが認められた。本研究は有望であるとはいえ、対象患者数が非常に少なかった。その他の試験(厳密さには劣る)で、グレード3~4のCIPN発生率が低いことも示された。

治療戦略

きちんとした実施体制・大規模・無作為化試験の欠如により、治療選択肢の多くは有効性の裏付けに乏しい。一方、症状消失は、三環系抗うつ薬(TCA)、抗痙攣薬、オピオイド、または局所鎮痛薬により一部の患者で得られる可能性がある。

アミトリプチリン、デシプラミン(Norpramin、ジェネリック薬)、イミプラミン(スルモンチール、トフラニール、ジェネリック薬)などの三環系抗うつ薬は、ナトリウムチャネルを調節し、ノルアドレナリンとセロトニンの再取り込みを抑制することによって、痛みが軽減されることが知られている。三環系抗うつ薬に関連する有害作用には、抗コリン作用、心血管系作用、鎮静作用などがあり、重大な心臓病を有する患者はこれらの薬剤を使用すべきではない。

抗痙攣薬、特にガバペンチン(Gralise、Neurontin、ジェネリック薬)は、かなり頻繁に使用されているが、研究では実際に使用が推奨されるには至っていない。無作為化試験では、ガバペンチン治療により、症状の重症度が軽減されることは示されなかった。

オピオイドは、CIPNに関連した痛みの治療に用いられており、痛みを最大に抑えられるまで徐々に増量することができる。いったん最大限の緩和が得られたら、長時間作用型オピオイド鎮痛薬を使用し、突発痛に対しては短時間作用型オピオイドを併用するのが好ましい治療法である。三環系抗うつ薬または抗痙攣薬を追加することにより、一部の患者で必要となるオピオイドの総投与量が少なくなる可能性がある。

局所鎮痛薬は有効であると考えられる。2009年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で発表された研究では、バクロフェン/アミトリプチリン/ ケタミン(BAK)により、統計学的に有意ではないものの、ある程度の運動症状の改善が示された。これ以外によく研究された局所用剤には、カプサイシン(Qutenza)があり、痛みの顕著な減少から、痛みや灼熱感の悪化まで広範囲に及ぶ結果が得られている。

一部の非薬理学的治療により有益性が得られる可能性があり、これには経皮神経刺激、リラクゼーション療法、運動などがある。いずれも大規模研究は行われていないので、実際に推奨されている治療法は存在しない。患者に機能障害または平衡感覚障害がある場合には、機能状態を改善するのに理学療法またはリハビリテーション医療への紹介が適していると考えられる。

結論

患者の延命につながる新規治療法の併用や薬物療法の発見は、癌患者の治療を複雑にしている。有望なCIPN予防策が研究されているとはいえ、標準的治療法は確立されていない。患者病歴と詳細な神経学的評価を十分に行うことに加え、早期の投与量の減量が、最も有効な介入である。ビタミンE、CaMg、グルタチオンなどを用いた治療と予防には一貫性のある証拠がみられない。これらを用いた試験が進行中 (www.clinicaltrials.gov)なので、この試験終了まで、この使用は推奨されない。


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