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2002-01-26

ソース原文(オリジナル):BBCニュース

卵巣がんの治療に成功した

重篤な卵巣がんに苦しむ女性たちに、集中的な化学療法が新たな希望をもたらしている。

すでに乳がんや前立腺がんの治療に使われている薬剤を、初期治療ののち再発した卵巣がんの患者に投与したところ80%の症例に効果があった。オランダで行われた研究により明らかになった。

現在、再発した卵巣がんに化学療法を行っても効果があるのは全体の半数に過ぎない。

すでに使われている薬剤を用いるこの新しい治療法が卵巣がんの生存率を押し上げることが期待される。

英国では年に7,000人近い女性が卵巣がんに罹患し5年生存率はわずか29%である。

この研究では、当初化学療法の効果が見られたもののその後再発した女性患者98人が被験者となった。

被験者は卵巣がんが再発するまでの期間により3つのグループに分けられた。

1年以上たってから再発したのが38人、4ヵ月から12ヵ月の間だったのが32人、そして最も病状の重い28人は4ヵ月以内に再発していた。

がんが「消えた」

被験者は全員シスプラチンとエトポシドという2種の薬剤を用いた集中的な化学療法を受けた。シスプラチンを開発したのは、ともに英国のがん研究助成機関であるキャンサーリサーチキャンペーン(Cancer Research Campaign:CRC)とインペリアルがん研究基金(Imperial Cancer Research Fund)である。

ほぼ80%の被験者で治療効果が見られ腫瘍が縮小した。

そして43%は卵巣がんの徴候がすべて消えたのだ。

最も重篤な被験者群でさえ46%が治療に反応した。標準的治療では反応率は15%なのにである。

そしてこの群の被験者20%で腫瘍が消失した。

これ以外の群の被験者では治療に反応した症例は90%以上であった。

シスプラチンとエトポシドによる化学療法はさまざまながんに対してすでに行われているが、今回の治療法ではこれまでと比較してはるかに集中的な投与を行った。

シスプラチンには副作用があり患者が副作用から回復するのには通常数週間かかる。しかし今回は強力な制吐剤を併用することでシスプラチンを週1回の頻度で投与した。

「極めて効果的だ」

この研究を率いたロッテルダムがん研究所(Rotterdam Cancer Institute)のロナルド・デ・ウィット博士(Ronald de Wit)は言う:「患者さんたちの容体が悪化してこの治療に耐えられなくなるんじゃないかと心配していました。ところが標準的な治療法と比べると副作用の発現はむしろ少なかったんです。

それにこれらの薬剤はすぐにでも使えるわけです。この治療を直ちに開始して卵巣がんを抑え込んではいけない理由なんてありません。」

そしてこうも述べた:「この研究が成功して嬉しかったです」

「この新しい併用療法は極めて効果的です。患者さんの余命を延ばし、本当の意味で希望を与えることができました。他の治療法ではほとんど望みはなかったと思われる方たちにです。」

専門家は研究が進んだことを歓迎している。

インペリアルがん研究基金(前出)の総裁、ポール・ナース卿(Paul Nurse)はこう語る:「卵巣がんの治療に関するいい知らせをずっと待ち望んでいましたから、この研究結果には大変勇気づけられます。」

CRCの事務局長ゴードン・マクヴィー教授(Gordon McVie)も言う:「現在の化学療法は一部の卵巣がんには効きますが、その大部分が再発してしまいます。卵巣がん全体の治癒率はごくゆっくりとしか改善していません。

この治療法は昔からの薬剤を新たな形で有効活用するものなのです。

この研究結果はCRCが発行している、がん研究に関する科学誌ブリティッシュジャーナルオブキャンサー(British Journal of Cancer)に掲載される。


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