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2011-10-28

ソース(記事原文):アトランティック紙

孤立状態からの脱却:季節性感情障害の治療

アトランティック紙 (2011年10月28日) ― アリス・G・ウォルトン(Alice G. Walton)著

人口の6~10%は冬の間に季節性うつ病を患います。でも、この病気を終わらせる方法はあります。

北半球ではどんどん日が短くなり、寒くなっています。そして、中にはどんどん憂鬱な気分になっていく人たちもいます。季節性感情障害(SAD)とは季節性うつ病のことで、一般には冬の間に人口の6~10%がかかります。多くの人は日が短くて寒い冬の時期に少し憂鬱な気分になることがありますが、そのほかの一部の人は症状がもっと深刻です。SADは真性うつ病で精神障害として認められており、一連の特有な症状と治療要件があります。

SADは、臨床的うつ病とほぼ同じように患者にダメージを与えます。うつ病と同じくSADも軽症から重症までさまざまです。この病気は、低緯度よりも高緯度の地域ではるかに多く見られるようです。また北アメリカでは一般的で、有病率は世界のほかの地域よりも高く、ヨーロッパの2倍となっています。

SADによって患者の生活は非常に不快なものとなりますが、幸いなことにこの病気は治療可能です。SADの症状は1年の間で暖かい時期には消失する傾向がありますが、かからなくてもいいのであれば、この病気で苦しむ必要はありません。

うつ病に類似

米国心理学会(American Psychological Association)は、SADを一種の反復性大うつ病性障害とみなしています。通常は秋に始まり、冬の時期には症状が悪化して、春と夏には改善します。

SADの症状のほとんどは「定型」うつ病と同じです。悲しい・絶望的な気分、気力がない、睡眠や食事のパターンの変化、特に午後に集中できない、引きこもり、イライラする、以前は楽しめた活動に興味がなくなる、などがあります。非季節性うつ病とは対照的に、SADでは、体重増加を伴う過食と通常よりも長い睡眠時間という2つの症状が多くみられます。時折、冬ではなく夏の時期に症状がみられる「逆の」SADを発症することがありますが、このタイプはまれです。

SADの原因:体内時計と化学物質

SADの原因は単に寒い気温と、北部の気候の下では外でできる活動の種類が比較的限られていることにあると直感的に思われるかもしれません。しかし実際のところ、SADは冬季の光不足と関係する可能性が高いのです。日が短くなると、私達は自然光にほとんど当たらなくなります。自然光は、気分やうつ状態に関与する神経伝達物質(脳内の化学物質)の量に影響を与えます。

私達は皆、視交叉上核と呼ばれる脳の領域にある細胞で作られた体内「時計」を持っています。この体内時計によって私達はおおむね24時間周期に保たれているのです。ところが、体内時計は規則的な周期でセットし続けるのに日光を必要とするようです。人が暗い場所に居続けると、その自然な周期は延長する傾向にあります。つまり、体内時計を毎朝リセットするきっかけがないと、睡眠-覚醒サイクルは時間の経過とともに25時間に近づいていきます。

周期を24時間に保つために体内時計を「リセット」するのが、早朝の日光であると考えられています。しかし、この難しい問題の残りの半分は私達の遺伝子にあります。「時計遺伝子」が脳内に発現することで、私達は自然なリズムを維持しています。大うつ病や双極性障害のような気分障害では概日リズムが障害されるため、患者は睡眠-覚醒サイクルが乱れていることが知られています。また、時計遺伝子の乱れには何らかの遺伝的素因もあるようです。

この体内時計は、脳のセロトニン系と密接に関係しています。セロトニンは脳内の化学物質であり、うつ病や不安症を患う人では減少しています。抗うつ薬の中でも人気があるクラス、つまりプロザックなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が標的としているのがこの物質です。

セロトニン受容体のないマウスは、概日リズムが著しく変化します。人の場合、セロトニンの産生量は冬の時期に著しく減少して、日照時間が長い時期に最も多くなります。そのほかの研究では、脳内循環に利用できるセロトニンの量は夏よりも冬の時期に少ないことが明らかにされています。これは、冬季で日光の利用可能性が低下している状況下では、セロトニンはセロトニントランスポーターに一層強く結合するためです。このセロトニントランスポーターは、セロトニンを再利用するためシナプスから離れているセロトニンを収拾する分子です。

一部の論文著者は、明-暗サイクルとうつ病に関与する脳内化学物質の神経学的な重なりを理由に、概日リズムの障害は気分障害の強力なマーカーであると示唆しています。SADを説明できるメカニズムは簡単なものではありませんが、研究者らはこうした関連性をより詳細に理解し始めており、最終的にはさらに優秀で的を絞った治療が可能になるでしょう。

治療法:光療法、精神療法、抗うつ薬

SADは脳内の1つ以上の系統(光を介した体内時計とセロトニンネットワーク)と関係することから、治療はどちらか一方に的を絞る傾向があります。SADに対しては二段階治療が推奨されることがあり、1つの治療法のみを行うよりも効果的な場合があります。光療法、抗うつ薬、精神療法が、いずれもSADの治療に用いられています。自身のSADの重症度、健康状態、治療の副作用に基づき、あなたに適した治療法についてかかりつけ医と話すことが大切です。

光療法

光を浴びること、つまり光療法はSADの基本的な治療法です。一般に、光療法はライトボックスの光が当たるところに座って行います。ライトボックスは日光に似た光のスペクトルを出す器具です。通常は、しばらくの間座っている場所にライトボックスを設置することにより、光が間接的に目に入ります。太陽と同じように、ライトボックスを直接見詰めないことが大切です。

光療法は、皮膚への照射を介しては作用しないようです。光が網膜に入り、脳内の「時計」である視交叉上核にたどり着いたとき、眼-脳経路に沿ったセロトニン受容体を介して行われる過程で作用すると考えられています。

光療法を試みる前に、医師に相談するのが一番です。そうすれば、医師は使用するライトボックスについて最も優れたタイプのものを勧めることができます。健康保険の種類によってはこの治療法が支払対象となっており、その場合は処方箋が必要になります。

光療法が作用するメカニズムは明確ではありませんが、この治療法がSADに有効なことを研究者らは何度も明らかにしています。実際、光療法は主要な治療手段と考えられています。比較的症状が重いSADを患う人の場合では、この治療法は抗うつ薬の「補助」、つまり補助療法とされます。

光療法にはいくつかの推奨事項があり、早朝の実施でSAD患者の乱れた昼-夜サイクルの相が改まるという仮定の下、朝早くに行うこととされています。しかし、そうではないことがそのほかの研究から判明しています。ある研究は、光療法を早朝または夕方遅くのいずれかに実施したところ、SADに対する治療効果は同程度であったため、タイミングはそれほど重要ではない可能性があることを明らかにしました。

光療法の頻度や期間だけでなく、毎日どの程度ライトボックスの光に当たるべきかについて、かかりつけ医と計画を立てるのが賢明です。光療法に伴う副作用がいくつかあり、悪心、眼精疲労、睡眠障害のほか、場合によっては多幸感や躁病などがみられます。そのため、あなたがどう感じるかをモニタリングして、かかりつけ医と副作用について話し合うことが大切です。

抗うつ薬

SAD患者の一部で、特に症状が重いため生活がかなり乱れている場合は、抗うつ薬が最善の治療選択肢となります。抗うつ薬は非季節性うつ病に用いるのと同じもので、セルトラリン(ゾロフト)やフルオキセチン(プロザック)などのSSRIをはじめ、その多くがSADにも使用されています。ブプロピオン(ウェルブトリンとしても知られています)には徐放性タイプがあり、特にSADの治療用として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。

症状があらわれ始める前の夏の終わりか秋の初めに薬物治療を開始して、春まで継続するよう医師は勧める場合があります。非季節性うつ病の治療と同様に、抗うつ薬によるSAD治療も十分な効果があらわれるまで数週間かかり、多くの副作用リスクを伴います。副作用には、悪心、下痢、口渇、不安感、不眠、体重増加、性欲の低下、頭痛などがあります。また抗うつ薬の使用がうつ病の再発につながる可能性もあります。

光療法群とフルオキセチン投与群のいずれかに患者を無作為に割り付けて、2つの治療法を3回の冬にわたって直接比較検討したところ、どれほどの患者が治療に反応して、SADの寛解状態になる可能性はどれほどであったかについて、2つの治療法はほぼ同じであったことを研究者らは明らかにしました。光療法のほうが効果発現までの時間が少し短く、副作用も少なかったのですが、どれほど忍容性が優れていたかという点では、違いはわずかでした。

精神療法

従来の対面精神療法は、非季節性うつ病とSADの改善に有用であることが明らかにされています。認知行動療法(CBT)は精神療法の種類の1つで、科学的に研究が行われています。CBTでは、うつ病患者の心の中で繰り返されがちな否定的思考パターンを自覚するよう、そしてそれを生産的で肯定的思考パターンへと積極的に置き換えるよう指導を受けます。例えば、自分を嫌うだろうから新しい人に会おうとするのは無駄だという考えを取り上げて、会う人すべてが自分を好きというわけではないが、いずれは共通点がある人と会うだろうからそうする価値はあるという考えに置き換えます。

CBTの有効性について検討した最近の研究では、CBT群、光療法群、CBTと光療法の併用群のいずれかにSAD患者を割り付けました。3つの治療群はすべて、治療を受けなかった人達(対照群)と比べて結果は良好でした。そして興味深いことに、症状の程度の緩和という点で、3つの治療群の有効性はほぼ同程度でした。CBTと光療法の併用群は、他の2群よりも症状消失の頻度が高かったことから、併用療法はSADの治療により効果的であると考えられました。

CBTはカウンセリングの唯一の選択肢ではありません。うつ病治療に役立つ他の種類の精神療法も、SADの治療には有用です。

最も良く効くのは?

利用可能なSAD治療法の効果は、いずれもほぼ同じであるようです。1件の大規模なレビュー調査において、SADの治療法として光療法、CBT、抗うつ薬フルオキセチンを比較検討したところ、SAD治療における光療法とCBTの有効性はほぼ同じであったことが明らかになりました。また寛解状態となったのは、光療法群のほうがわずかに多かったことも明らかになりました(ただし統計的有意差はありませんでした)。光療法とCBTの併用は光療法のみよりも優れていましたが、やはり有意差はありませんでした。光療法とフルオキセチンの効果も同程度でした。

レビュー対象となった各研究の結果は、光療法には抗うつ薬やCBTの標準治療と全く同じように効果がある可能性を示しています。うつ病の治療は画一的なプログラムではありません。一方、SADも例外ではありません。だからこそ、誰もが各治療法に等しく良好な忍容性があるわけではないため、自分にはどの治療法が適しているのか、かかりつけ医と話し合うことが大切です。

暗闇から抜け出す方法

基本的な生活機能レベルがSADによって低下していれば、治療を受けるべきです。冬の時期に悲しい、疲れた、希望がないと感じているなら、春を待つ必要はありません。気分や毎日のリズムをバランス良く戻すには、抗うつ薬、光療法、精神療法が非常に効果的です。

軽症のSADの場合は、健康に良い食事をとる、ストレスを解消したり気力を取り戻す活動に参加する、運動をするなど、家庭でできる改善策を検討することが有益です。これらの改善策は、非季節性うつ病の効果的な治療法であることが明らかにされています。1日20分でも屋外に出れば、気分がかなり向上することも分かっています。

非季節性うつ病とまさに同じように、SADも重症の場合は心身を衰弱させることから、ダメージを受けているのであれば助けを求めることが大切です。日照時間が長く暖かい時期になればいずれ症状は消失するかもしれませんが、また冬を通して苦しむ必要はありません。


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