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2011-09-14

ソース(記事原文):アイリッシュ・メディカル・タイムス

強迫性障害を理解する

アイリッシュ・メディカル・タイムス(2011年9月14日)―スティーブン・マクウィリアムス(Stephen McWilliams)博士は、強迫性障害の複雑な症状に注目し、治療できる方法はないか検討している。

強迫神経症を患う小説家メルヴィン・ユドール(Melvin Udall)氏は、自分の診察にあたった精神科医が、待合室に腰掛けていた別の患者の方へ向き直し、軽くため息をつきながら「これ以上良くならなかったらどうしましょう?」と尋ねたとしており、そんな医師に不満を現している。

いやはや、ユドール氏の待合室にいた患者は、戸惑っているようで微動だにせず、発言者の風変わりな様子から、それ以上考える必要性を打ち消されたかのようであった。その一方で、傍観者はこの質問を痛切に胸に刻むことになる。

ユドール氏の喜劇「恋愛小説家(日本のタイトル名)」(As Good As It Gets)で、ジャック・ニコルソンがアカデミー賞を受賞した。ユドール氏は潔癖であることに取りつかれており、例えば、手を洗うのに毎回新しい石鹸を使わずにはいられないほどである。その他の強迫行為には、ドアの鍵を回したりスイッチを押したりする回数をぴったり5回とすること、舗道の割れ目を密かに避けること、毎日ちょうど同じ時刻に地元のレストランで昼食をとること、いつものウエートレスが給仕しているあいだ自分のプラスチックの食器類を振りかざすことの必要性などが挙げられる。要するに、強迫性障害(OCD)は彼の存在そのものを支配している。

強迫観念

映画の中で描写された特徴は、中等度から重度の強迫性障害を有する患者が経験したことの実例である。一般に知られているように、強迫観念とは苦悩を与えるような思考、アイデア、イメージである一方、強迫行為は強迫観念に応じて行う常同行動の繰り返しである。

精神・行動障害国際分類の第10版 (ICD-10、WHO、1993年)によれば、診断基準を満たすには、強迫観念または強迫行為、もしくはその両方が、2週間以上にわたり大半の日で認められることが必要である。

このような症状は、主に時間の浪費により患者の社会的・職業的・個人的な機能の妨げとなる。また、強迫観念および強迫行為には以下の特徴がある。

■ これらは患者の心の中から生じるもので、「外部の人に強いられたり影響されたりした」ものではない。

■ これらは反復性で不快であると同時に、1つ以上の強迫観念または強迫行為が存在することは、極端または理性的でないと認められる。

■ 患者はこれらに抵抗しようとしている(ただし、非常に長期にわたる強迫観念または強迫行為では抵抗力もわずかであると考えられる)。強迫観念または強迫行為のうち少なくとも1つがある場合、抵抗しても失敗に終わる。

■ これらは満足を与えるものではないが、強迫行為を行うことにより不安から一時的に解放される場合がある。

■ 最後に、診断基準を満たすには、強迫観念および強迫行為が、統合失調症や感情障害をはじめとする別の精神疾患に起因しないこととする。

有病率

ロビン氏ら(1984年)によれば、地域社会における強迫性障害(OCD)の有病率は3%であり、男性と女性の比率は約5:6であるという。

発病の平均年齢は20歳だが、少年ではこれよりずっと早い時期である可能性がある。というのも、一般に発病から、治療を求める時期まで、最長7年の遅れがみられるからである。

一方、強迫性障害の発病は、知らぬ間に徐々に起きる可能性があり、抑うつ状態をはじめとする別の疾患を併発する場合がある。実際、抑うつ状態と同様に、強迫性障害に対する病因論には、セロトニン仮説などがある。例えば、m-クロロフェニルピペラジン(metachlorophenylpiperidine: セロトニン受容体刺激薬)は、強迫性障害の症状の原因になることが報告されている。

アダム氏らによる最近の研究(2011年)では、ドイツにおいて18歳~65歳の一般集団約4,000人にスクリーニングを行い、地域社会における強迫性障害の12ヶ月有病率について評価した。本研究では、強迫性障害の12ヶ月有病率が0.7%であったのに対し、閾値下強迫性障害(主要な基準の全部ではないが一部を満たすもの)の有病率は4.5%であったことが明らかにされた。

また、本研究では、参加者の8.3%に1つ以上の強迫性症状が認められたが、診断基準を満たさなかったことも示された。

さらに重要に思われたのは、認められた症状(診断基準を満たしたか否かにかかわらず)から、薬物乱用や依存症、感情障害、その他の不安障害、身体表現性障害、精神病、双極性疾患などの様々な精神疾患が、臨床上問題となる合併症として示されたとする著者らの主張であった。

ところで、実際的な見地から、どのように強迫性障害の診断を行うのか? 診断は一般に詳細な病歴に基づき、 強迫観念および強迫行為の性質・重症度を検討する臨床的なものであるが、強迫観念・強迫行為尺度(YBOCS)やYBOCSの青少年用尺度 (CYBOCS) などの特別な評価尺度を症状のチェックリストとして使用することもできる。

元来このような評価尺度は、例えば発病前(または関連する)人格評価による付随的な病歴を含む幅広い臨床状況で使用される。これらの調査に基づいて、生物学的・心理学的・社会的な治療などからなる強迫性障害に対する集学的治療方法(複数の治療手段を用いること)を行うのが一般に最良である。

英国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)のガイドラインでは、心理療法のほうが薬物療法よりも有効なので、心理療法を一次治療として用いるよう推奨している。一方、機能障害が中等度から重度である場合、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)または認知行動療法(CBT)、もしくは1つの治療法では効果が不十分であれば両方を用いることを、NICEガイドラインでは提案している。

薬物療法

最新のモーズレイ処方ガイドライン第10版によれば、強迫性障害に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の承認済み用量は、抑うつ状態に対するものより一般に高用量である。例えば、フルオキセチンおよびパロキセチンは、1日あたり最高60mgまで使用できる。ただし、標準的用量の方が有効である場合もあり、特に維持療法を行う際にその傾向が強い、と本ガイドラインでは指摘している。

また、初回治療への効果が一般に抑うつ状態に対して得られる時期よりも遅れること(最長12週間)と、強迫性障害患者のほとんどは経時的に症状が強まったり弱まったりしたとしても持続しがちな症状を生じることが現在の見解として強調されている。初回治療に効果がみられたのちに治療を中止した患者では最高80%で再発がみられたのに対し、2年間治療を継続した患者では25%~40%にすぎなかった。

本ガイドラインによると、SSRIは突然中止すべきものではなく、耐えられる限り数週間~数ヶ月間かけて、徐々に減らしていくべきである。

抗精神病薬

次の薬理学的な選択肢(両ガイドラインに準拠すると)は、セロトニン系三環系抗うつ薬クロミプラミンである。これで効果がなければ、抗精神病薬を追加するか、もしくは1つの選択肢としてクロミプラミンとシタロプラムの併用投与を行うことを、NICEガイドラインでは推奨している。モーズレイ処方ガイドラインで言及している二次治療とその後の処置には、低用量のSSRIを増量するとともに、クエチアピンまたはリスペリドン(ただしハロペリドールは除く)などの抗精神薬、もしくはミルタザピンのような別の抗うつ薬を併用することなどが挙げられている。

一方、強迫性障害の治療には、ベンラファキシン、デュロキセチン、ブスピロン、短期クロナゼパム、(まれに)抗アンドロゲン薬が用いられており、結果にはばらつきがあり、クロミプラミンの点滴静注についても同様である。元来、注目を集める複雑な治療法ほど、精神医学の専門医による診療において、より適切な投与が行われている。

強迫性障害の治療に用いられる心理的処置には、認知行動療法などがある。行動的視点から, 段階的な暴露?反応妨害法(exposure and response prevention)が、行動の解決案の計画に沿って用いられ、診療中はセラピストがコントロールするが、診療の合間は自己管理(「宿題」形式)となる。

認知的視点から、思考中断法を教示する一方、 適応不良な認識、完璧主義の理想、病的疑念、好ましくない結果への覚悟の過多について確認し改善することも目的とする。

一方、別の方法には家族療法や心理教育などがある。当然のことながら、いずれかの方法を単独で用いるよりも、薬剤療法と心理療法の併用するほうが一般に有効である。

予後に関しては、多くの強迫性障害患者には、慢性かつ生涯にわたる症状が認められ、経時的に寛解しては再発する。予後不良の因子には、男性であること、変わろうとする意欲に乏しいこと、発病前の人格がクラスターA(妄想性、分裂病型、分裂病質)に分類されることのほか、対称への執着などの特定の強迫観念があることなどが挙げられる。

一方、ごくまれな治療不応性で重篤な症例では、帯状回切開術などの精神外科が適用されている。精神外科については、あまり適用されてないことも一因となり根拠が比較的乏しい一方、その使用について当然ながら議論が続いており、倫理上の複雑さも残る。

さらなる評価

強迫性障害が最近少し注目されるようになったのは、特に症状改善へのNICEガイドラインの着手によるところが大きい。一次医療としての処置は、一般に認知行動療法で開始するものと考えられ、可能な場合(もしくは重症度によって決定)は前述の通りSSRIを投与する。その後の選択肢としてクロミプラミンが残る。これらの初期療法に効果がみられなかった患者は、さらなる評価と治療のため精神医学の専門医を受診するのが妥当であろう。

したがって、メルヴィン・ユドール氏が示唆するように、これ以上好転しそうにはない場合どうするのか? おそらく楽観できる余地はまだ少しある。我々の強迫性障害の理解が深まれば、メルヴィン・ユドールが描いたジャック・ニコルソンの全体像のような人格に安心感を抱けるかもしれない。


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