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2011-08-28

ソース(記事原文):ザ・スター・オンライン

性器疣贅(イボ)について全て教えます

ザ・スター・オンライン(2011年8月28日)―ミルトン・ラム博士(Dr MILTON LUM)著

性器疣贅(イボ)は軽視できないだけでなく、前癌病変の可能性があります。

性器疣贅とは、性器や肛門、あるいはその周囲に認められる肉質の腫瘍のことです。これはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となって生じるもので、よくみられる性感染症です。

性器疣贅は特に性的に活発な青年期の若者や若年成人でよくみられますが、マレーシアではその有病率の検討は行われていません。性器疣贅がある患者は、その程度や位置によってかかりつけ医やさまざまな専門医の治療を受けます。

HPV感染

HPVには100種類以上の型があり、そのうち約40種類が性器疣贅を引き起こします。中でも性器疣贅の90%はHPV6型と11型が原因です。そのほか、ハイリスク型HPVは子宮頸癌の原因となります。

HPVは、生き残るため皮膚や体腔の内壁(すなわち女性性器、肛門、口腔)にみられる上皮細胞に感染します。HPVは細胞内に侵入すると、自分のコピーを作るよう細胞に指示を出して他の健康な細胞に感染させます。

感染した細胞は最終的には死んで、他の死んだ細胞と一緒に体から剥がれ落ちます。ウイルスは排出されると、別の人に感染します。

膣性交、肛門性交、オーラルセックスの最中、あるいは性具の共有による皮膚と皮膚の接触によってHPVは広がります。通常、症状は感染してから2、3カ月のうちにあらわれますが(この期間を潜伏期間といいます)、潜伏期間が1年という報告もあります。

HPV感染で起こること

一般に女性の性器疣贅は、膣口の周囲(外陰部)、膣の内側、膣と肛門の間、肛門の周囲にみられます。子宮頸部や尿道口にはあまりみられません。

男性の性器疣贅は、一般には陰茎幹、肛門の周囲、陰茎亀頭、尿道の内側、包皮下にみられます。陰嚢と肛門の間の皮膚、また陰嚢にはあまりみられません。

疣贅は、初めのうちは小さい肉質の腫瘍ですが、そのサイズは大きくなっていきます。この腫瘍は単独で、あるいはカリフラワーに似た塊としてあらわれます。

通常、疣贅に痛みはありませんが、特に肛門周囲に位置する場合はかゆみや刺激感がみられることがあります。疣贅が尿道の内側や尿道の周囲にあれば、尿の流れに影響が出る可能性があります。また性交中、性交後に疣贅から出血することもあります。

性器疣贅は視診によって診断されるのが一般的ですが、場合によっては拡大鏡を使用します。膣や子宮頸部の疣贅の診断は、膣鏡と呼ばれる器具を用いて行います。この器具を膣に挿入して、疣贅を見やすくするのです。

同様に、肛門疣贅の場合は直腸鏡、尿道疣贅の場合は尿道鏡と呼ばれる器具を使用します。

既往歴や身体診察の所見によっては、医師が臨床検査や画像検査を勧めることがあります。

HPV感染症の治療

性器疣贅の治療は、局所療法、あるいは物理的除去法によって行います。局所療法は、疣贅に直接薬剤を塗布します。物理的除去法は、電流、液体窒素などによって疣贅を破壊します。

比較的柔らかい疣贅には局所療法、硬い疣贅には物理的除去法がより効果的です。これら治療法を単独で使用することもあれば、併用することもあります。

治療効果には個人差があります。治療には時間がかかりますし、多くの場合、疣贅を消失させるには1コース以上の治療が必要です。そのため、患者に忍耐と根気があることが不可欠になります。

局所治療薬には、ポドフィロトキシン、イミキモド、トリクロロ酢酸があります。

ポドフィロトキシンは疣贅を破壊する薬で、小さい塊の治療に使用します。塗布用スティックを使ってこの液剤を取り、疣贅に垂らします。多少の不快感があるかもしれません。

この薬の使用は、3日間塗布して次の4日間は休薬するというサイクルで行います。改善がみられるまで、このサイクルを4、5回繰り返すのが普通です。

イミキモドはクリーム状の薬で、疣贅を攻撃する免疫系を刺激します。週に3回、比較的大きい疣贅に使用して、塗布の6~10時間後に洗い落します。軽度の副作用として、皮膚の灼熱感、腫脹、硬化、皮膚がうろこ状になる、頭痛などがあります。

トリクロロ酢酸(TCA)は疣贅の細胞内にあるタンパク質を破壊する薬で、小さくて硬い疣贅に使用します。妊婦にも使用可能です。TCAは健康な皮膚にもダメージを与えてしまうため、その塗布は医師や看護師が行います。塗布後に一過性の灼熱感があるかもしれません。

物理的除去法には、切除術、電気焼灼術、凍結療法、レーザー手術があります。処置後、完全に治癒するまでは性交を避けることを勧めます。

切除術は、小さくて硬い疣贅が特にカリフラワー状となっている場合に適応となります。局所麻酔薬を注射して、メスで疣贅を除去します。その後、傷を縫合します。

切除後に瘢痕が形成されることから、通常、大きい疣贅は適応とはなりません。除去部位には不快感があります。

電気焼灼術は、大きい疣贅の治療に対し切除術と組み合わせて使用することが多く、特に局所療法で効果が得られなかった外陰部や肛門周囲の疣贅が適応となります。切除後、まだ残っている疣贅に金属製器具をあてて、電流を流して焼き落とします。この術式は痛みを伴うため、局所または全身麻酔が必要になります。

凍結療法は、特に外陰部やその近く、また陰茎幹にある小さくて多発性の疣贅治療に適応となります。

液体窒素を用いて凍結させることで、疣贅の細胞外膜を破壊します。通常は術中に灼熱感があり、術後は刺激感、水疱形成、不快感があります。

レーザー手術は大きい疣贅の治療に適応となり、例えば肛門や尿道の内側深部などアクセス上の問題がある場合、またTCAの効果が得られない妊婦に使用します。この術式は痛みを伴うことから、局所または全身麻酔が必要です。術後に刺激感、水疱形成、不快感があります。

市販の疣贅治療用クリームは手に出来た疣贅にしか効果がないため、性器疣贅の治療にはそのような治療クリームを使用しないことが重要です。

感染の予防策

最も良い予防法は、セックスパートナーが1人であること、そしてそのパートナーも同様に他のセックスパートナーがいないことです。パートナーが多いほど、感染リスクが高まります。

膣でも肛門でも、すべての性的接触時には(男性用または女性用の)コンドームを使用することが、HPV感染症だけでなくクラミジア感染症、淋病、HIV/AIDSといった他の性感染症(STI)が広がるのを防ぐ効果的な方法です。

性具の共有は避けてください。共有する場合は、性具を洗ってコンドームをかぶせてから、改めて使用してください。

パートナーのどちらかに性器疣贅がある場合は、治療が終了するまで性交は控えたほうがいいでしょう。

HPVだけでなく、このウイルスが人の健康に及ぼす影響の広がりを阻止するには、定期的なフォローアップと子宮頸部細胞診が重要です。

ワクチンは2種類あり、それぞれ子宮頸癌の原因となるHPV16型と18型の感染から守ります。さらにそのうちの1種類は、性器疣贅を引き起こすHPV6型と11型からも守ってくれます。男性と女性どちらの場合も、性器疣贅を防ぐ効果は99%あると考えられています。

オーストラリアは、公費負担によるHPVワクチン接種プログラムを世界で最初に導入した国でした。このプログラムに関するさまざまな研究が、医学文献に報告されています。

フェアリーら(Fairley et al)は、このワクチン接種プログラムの実施後に性器疣贅の急激な減少が認められたと報告しています。

「28歳以下で性器疣贅の診断を受けた女性の割合は、2004年初めから2007年末までは四半期毎に1.8%とわずかに増加していたのに対し、2008年は四半期毎に25.1%減少した。」(セックス・トランス・インフェクト(Sex Transm Infect )2009; 85: 499-502)

ドノバンら(Donovan et al)は、HPVワクチン接種と2011年1月時点でのオーストラリアにおける性器疣贅の傾向に関する研究の中で、次のように述べています。「ワクチン接種プログラムの開始前は、性器疣贅の診断を受けた女性または男性異性愛者の割合に変化はみられなかった。ワクチン接種の開始後は、若い女性居住者で性器疣贅の診断数の減少が認められた(59%)。非居住女性、2007年7月時点で26歳以上の女性、男性同性愛者では有意な減少が認められなかった。」

「ただし、ワクチン接種プログラムの期間中に性器疣贅の診断を受けた男性異性愛者の数は比例的に少なく(28%)、この効果は若い男性のほうが顕著であった。」

彼らはこう結論付けています。「オーストラリアの若い女性における性器疣贅の発生頻度の低下は、HPVワクチン接種の高い普及率に起因しており、集団免疫によって男性異性愛者に予防効果をもたらす可能性がある。」(ランセット(Lancet )2011; 39-44)

サラ・ウッドホールら(Sarah Woodhall et al)は、英国の性器疣贅に起因する治療費と『生活の質で補正した生存年数』の短縮について分析を行い、次のように結論付けました。「性器疣贅は、個人と保健サービスの両方に多大な負担を与えている。性器疣贅の負担に関するデータを、HPVワクチン接種戦略の経済的評価に取り入れるべきである。」(セクシュアリー・トランスミッテッド・ディジーズ(Sexually Transmitted Diseases )2009; 515-521)

ブラザートンら(Brotherton et al)は、2011年6月にランセット誌に掲載された『ビクトリア州におけるHPVワクチン接種プログラムの子宮頸部異常に対する早期効果』と題した研究報告の中で、こう述べています。「地域住民レベルで国のHPVワクチン接種プログラムの子宮頸部異常に対する効果を報告するのは、我々の研究が初めてである。」

「州ベースの子宮頸部スクリーニング登録簿から得られたデータを用いて、我々は、ワクチン接種プログラム実施後の若い女性における高悪性度子宮頸部異常の減少を明らかにした。」(Lancet 2011; 2085-2092)

ワクチンは性器疣贅を大いに防ぐ盾となってくれますが、他の性感染症からは守ってくれません。同様に、ワクチンはそのような感染症の予防においてコンドームの代わりにはなりません。

性器疣贅の治療法は、効果的なものがいくつかあります。その治癒には忍耐と根気が必要です。セックスパートナーを1人だけにすること、そしてコンドームを使用することが、この感染症の広がりを防ぐのには有効です。

HPVワクチン接種の開始後に性器疣贅や高悪性度子宮頸部異常の発生頻度が低下したという報告は、非常に励みになります。

■ミルトン・ラム博士は、マレーシア防御医学委員会(board of Medical Defence Malaysia)のメンバーです。この記事は、資格を持った医師の診察に取って代わること、影響を与えること、あるいは定義することを目的とするものではありません。ここに示した見解は、著者の関係組織の見解を示すものではありません。


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