性感染症(STI) - このカテゴリーに関連するニュース・情報

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2008-09-08

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

性感染症によりHIV感染リスクが高まる仕組み

サイエンスデイリー(米科学誌[2008年9月8日]) — 性感染症(陰部ヘルペス、淋病、梅毒、クラミジアなど)を有する人や、カンジダ膣炎(酵母感染)と細菌性腟炎を有する女性は、性的接触によりヒト免疫不全ウイルス(HIV)に暴露した場合、HIVに感染するリスクが高まる。

性感染症がこうした影響を及ぼす経緯と理由には、いくつかの解釈が提言されているものの、厳密には明らかにされていない。今回、オランダのVU大学メディカルセンター(VU University Medical Center)のトイニス・ゲイテンビーク(Teunis B.H. Geijtenbeek)氏は、生体外におけるヒト皮膚片モデルで、性感染症によりHIV-1型の感染が増加する仕組みについて明らかにし、これによりHIV感染を防ぐための治療調整が施されうることに期待している。

生体外におけるヒト皮膚片モデルにおいて、ランゲルハンス細胞(LC)として知られる未熟な免疫細胞がHIVを捕獲したものの、完全なHIV感染症の誘起に不可欠となるT細胞へのウイルス伝達が効率よく行われなかった。これに対し、ランゲルハンス細胞を炎症性刺激によって活性化した場合には、効率的なウイルスの伝達が認められた。性感染症である鵞口瘡と淋病の原因となる感染病原体が、腟内および皮膚片に同じ炎症性刺激を引き起こすことから、性感染症を起こす感染病原体の存在下でランゲルハンス細胞が活性化する可能性があり、それによって各患者のHIV感染リスクが高まると著者らは示唆している。

さらに、これらのデータでは抗炎症性治療によりHIV感染を防ぐ方法が得られうることが示唆される。