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2010-06-15

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

長期試験によって慢性不眠症と死亡リスクの上昇が関連付けられた

サイエンスデイリー(2010年6月15日)―2010年6月7日、テキサス州サンアントニオ(San Antonio, Texas)で開かれた第24回米国睡眠関係学会連合年次集会(the 24th annual meeting of the Associated Professional Sleep Societies LLC)(SLEEP 2010)で発表された研究アブストラクトによれば、慢性不眠症の人は死亡リスクが増すのだそうだ。

研究結果から、慢性不眠症の人はそうでない人と比較して、全死因死亡の調整ハザード比が3倍(HR=3.0)高いことが示された。個々の不眠症のタイプを調べたところ、それぞれが報告したタイプに関係なく死亡リスクは高かった。慢性不眠症の人の中でも、早朝覚醒型(HR=3.0)、再入眠が困難な睡眠持続障害型(HR=3.0)、入眠障害型(HR=2.4)、夜間に繰り返し覚醒する睡眠維持障害型(HR=2.3)の4つのタイプの死亡リスクは2倍から3倍と高かった。

「最も驚いたのは、すべての潜在的交絡因子を考慮し、調整した後でも、慢性不眠症の人はそうでない人と比べて死亡リスクが高いという結果でした」筆頭著者で、ウィスコンシン大学マディソン校の生物統計学者ローレル・フィン氏(lead author Laurel Finn, biostatistician at the University of Wisconsin-Madison)はこう述べた。「そのほかの重要な研究結果として、死亡リスクに関し不眠症のタイプ間に差はみられなかったことが挙げられます」

今回の研究は、ウィスコンシン睡眠コホート研究(the Wisconsin Sleep Cohort Study)の参加者で、1989年、1994年、2000年の郵送調査を2回ないし3回完了した2,242例を対象とした。被験者が少なくとも2回の調査で不眠症の症状を報告した場合は、慢性不眠症とみなされた。2010年5月の社会保障死亡指数調査 (Social Security Death Index Search) により、最長19年の追跡調査期間中に128例が死亡したことが明らかとなった。推定死亡ハザード比は、BMI、年齢、性別のほか、慢性気管支炎、心臓発作、脳卒中、高血圧症、糖尿病、うつ病など自己報告による病気で調整された。

同氏は、病気を併発していなくても医師は効果的な不眠症治療を提供する必要があることを、この結果は強調しているとも述べた。

「不眠症は厄介な症状で睡眠の質に悪影響を及ぼすため、不眠症の人は治療を求めることがあります。」さらに、「死亡リスク因子として不眠症を同定したことは、臨床的に意義のあることであり、不眠症治療の優先度を高める可能性があります。」

この研究は、国立衛生研究所(the National Institutes of Health)の国立心肺血液研究所(the National Heart, Lung, and Blood Institute)、国立老化研究所(the National Institute on Aging)、国立研究資源センター(the National Center for Research Resource)から支援を受けた。