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2012-11-12

ソース(記事原文):メドページ・トゥデイ

抗ウイルス薬がB型肝炎の発癌リスクを低下

メドページ・トゥデイ(2012年11月12日)― 北米担当記者マイケル・スミス(Michael Smith)著

監修:ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)ペレリマン医学部名誉教授のザルマン・アグス(Zalman S.Agus)博士、看護プランナーのドロシー・カプト(Dorothy Caputo)氏

ボストン ― 慢性B型肝炎患者では、エンテカビル(バラクルード)の長期的治療が肝臓癌リスクを有意に低下させることが、研究者らによって報告された。

虎の門病院(東京)の保坂哲也博士によれば、エンテカビル治療患者の後向きコホート研究で、5年間の追跡調査後における肝細胞癌の累積発生率が3.7%であったという。

未治療の対照群における累積発生率はその約4倍高く13.7%であったことが、米国肝疾患学会(AASLD:American Association for the Study of Liver Disease)年次総会で保坂氏によって報告された。

5年累積発生率は対照群で38.9%、エンテカビル患者ではわずか7%であり、この差の大半は肝硬変患者に起因するものであった。

エンテカビルとはヌクレオシド類似体逆転写酵素阻害薬のことである。

肝硬変を伴わない患者では、累積発生率がエンテカビル群で2.5%、対照群で3.5%となり、群間で有意差は認められなかった、と保坂氏は報告している。

要するに、エンテカビルにより肝硬変患者が「救われる」ということであり、これは肝硬変を伴う患者の発癌リスクが、肝硬変を伴わない患者の発癌リスクと同程度まで改善されることによるものである、と同氏は述べている。

同氏によれば、同じ種類で古くからある薬剤、特にラミブジン(3TC)もまた、慢性B型肝炎ウイルス患者における肝細胞癌の発生率を低下させることが明らかになっている。

しかし、ラミブジンへの耐性は急速に生じるので、長期治療が困難になるという。一方、エンテカビル耐性変異は患者の0.8%でしか認められず、そのうち癌を発症した患者は一人もいなかった、と同氏は報告している。

虎の門病院の保坂氏らは、2004年~2010年にエンテカビルの治療を受けた患者(連続症例)を登録し、ヌクレオシド類似体が認可される前の1973年~1999年に治療を受けた過去の類似対照と比較することにした。

傾向マッチングを用いて、人口統計学的に類似した治療群と対照群を316人ずつ作った。

コックス比例ハザード回帰による多変量解析を用いて、5年時点の癌発生率に影響を及ぼす因子を保坂氏らが明らかにした。具体的には以下の通りである。

・ エンテカビル治療:ハザード比0.37、95% CI:0.15~0.91(P=0.03)
・ 年齢: ハザード比1.06(1歳増加するごと)、95% CI:1.03~1.09 (P<0.001)
・ 肝硬変の既往: ハザード比 4.28、95% CI:1.88~9.73(P=0.013)
・ B型肝炎ウイルス抗原の存在:ハザード比2.26、95% CI:1.88~4.34(P=0.014)
・ 血小板数1.5x105個/mm3未満、ハザード比5.64、95% CI:2.13~15 (P=0.001)

ダラスにあるベイラー大学(Baylor University School)医学部に勤めるロバート・ペリロ(Robert Perrillo)氏は本研究に関与しなかったが、今回の結果について、意外な結果ではないが、B型肝炎の治療が癌予防になるという臨床的確信を後押しするものであるとしている。

ペリロ氏がメドページ・トゥデイ誌に語ったところによれば、同じ種類の別の薬剤を検討した先行研究(ラミブジンのREVEAL-B型肝炎ウイルス試験など)では、治療後に臨床的増悪、合併症、および癌の抑制が明らかとなっているという。

同氏は、治療が癌の予防に役立つと考えられる理由は主に2つあるとしている。

1つめは、B型肝炎ウイルスDNAの濃度が治療で低下するということである。このウイルスは自身のDNAを細胞に組み込んでしまうため、ウイルス濃度が高まると「遅かれ早かれ癌抑制遺伝子が不活性化する」ことになり、ウイルス濃度を下げるとそれが阻止される。

2つめは、治療が肝硬変を回復させるということが証拠づけられているということであり、肝再生の強力な要素となる。肝硬変の肝再生(多数の細胞分裂を伴う)は、癌につながるような細胞変異の発生確率を高める。

同研究者らは外部から受けた研究助成について報告していない。
保坂氏は利益相反状態にないと報告している。
ペリロ氏は、ブリストルマイヤーズスクイブ社(Bristol Myers Squibb)、メルク社(Merck)、およびギレアデ社(Gilead)との金銭的利害関係を報告した。

一次資料:米国肝疾患学会
出典:Hosaka Tetsuyaらによる「Long-term entecavir treatment reduces hepatocellular carcinoma incidence in patients with chronic hepatitis B(エンテカビルによる長期治療は慢性B型肝炎患者における肝細胞癌発生率を減少させる)」2012米国肝疾患学会


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