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2015-04-10

ソース(記事原文):メドページ・トゥデイ

抗マラリア薬は関節リウマチに有用

メドページ・トゥデイ(2015年4月10日) ― ヒドロキシクロロキンは、メトトレキサートよりも高脂血症を引き起こしにくい。

初期の関節リウマチにおいて、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンによる治療は、メトトレキサートと比較して、高脂血症リスクを低くする可能性のあることが、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)の実施した大規模な後向き研究で示された。

疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の使用を検討した研究においても、腫瘍壊死因子α(TNFα阻害薬)を用いた一部の初期治療において高脂血症リスクの高まる可能性が指摘された。この研究は、同病院の薬剤疫学・薬剤経済学部門の大学院卒後研究者であるリシ・デサイ(Rishi J.Desai)博士が主導したものである。

一般に関節リウマチ患者は心血管疾患リスクがより高いが、複数の研究において、関節リウマチ患者で、関節リウマチでない人よりも、総コレステロール及びLDLコレステロールが低い可能性のあることが示唆されている。デサイ氏らは「この現象は、炎症マーカーと脂質パラメータとの間に逆相関があるという報告で説明づけられる可能性がある」と記している。

今回の研究は、大手民間保険会社2社における2001年~2012年の保険料請求データを検討したものであり、医学誌「関節炎ケア&リサーチ(Arthritis Care and Research)」2015年4月号に掲載された。本研究の主要評価項目は、高脂血症の新規診断とし、その定義は診断及び高脂血症治療薬の処方とした。

また、本研究前の臨床検査値を入手し得た部分集団において脂質値の変動を評価した。

各種の心血管疾患あるいは高脂血症と診断された患者と高脂血症治療薬を処方された患者は本研究から除外することとし、30,831人の大規模グループから本試験対象となる新規関節リウマチ患者17,145人を特定した。

これらの患者(女性が70%以上で平均年齢が40代半ばから後半)を、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)の開始日を指標日として以下の相互排他的な4群のうちの1つに分類した。1) 腫瘍壊死因子α阻害薬(非生物学的製剤DMARD併用下または非併用下)群、2) メトトレキサート(ヒドロキシクロロキン又は腫瘍壊死因子α阻害薬の非併用下)群、3) ヒドロキシクロロキン(メトトレキサート又は腫瘍壊死因子α阻害薬の非併用下)群、4) その他の非生物学的製剤(メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、又は腫瘍壊死因子α阻害薬の非併用下)群。

最大の割合(46.32%)を占めたのはメトトレキサート(標準治療)による治療を開始した群で、次いでヒドロキシクロロキン群(35.75%)、その他の非生物学的製剤群(12.04%)、腫瘍壊死因子α阻害薬群(5.89%)と続いた。その他の非生物学的製剤群は、大半がスルファサラジン(75.6%)で治療を開始し、次いでレフルノミド(15.4%)、アザチオプリン(6.8%)となった。

年齢、高血圧、糖尿病の分布は各4群で類似していた。腫瘍壊死因子α阻害薬の投与開始群で、肥満の発生頻度、喫煙回数、心血管疾患薬・鎮痛剤の使用頻度がより低かったほか、ヒドロキシクロロキン投与開始群で女性の割合(84.06%)が最も高かった。指標日前の外来でC反応性蛋白(CRP)値を入手し得た部分集団において、ヒドロキシクロロキン投与開始群ではCRP高値(3 mg/dLを超える場合と定義)患者の割合が低かった。CRP値の分布は、残りの3つの部分集団で同様であった。

初期の関節リウマチ患者17,145人のうち、364人が高脂血症を発症した。メトトレキサートと比較して、残る3群における高脂血症の補正後ハザード比(HR)及び95%信頼区間(CI)は、腫瘍壊死因子α阻害薬群で1.41(95% CI:0.99~2.00)、ヒドロキシクロロキン群で0.81 (95% CI:0.63~1.04)、その他の非生物学的製剤DMARD群で1.33(95% CI:0.95~1.84)であった。傾向スコアで調整した各群のハザード比は、それぞれ1.18(95%:CI 0.80~1.73)、0.75(95% CI:0.58~0.98)、1.41(95% CI:1.01~1.98)であった。

部分集団解析において、ヒドロキシクロロキン投与は、メトトレキサートと比較して、投与開始前からの脂質に有意な減少が示された。LDLコレステロールの減少は-8.9 mg/dL(95% CI:-15.8 ~ -2.0)、総コレステロールでは-12.3 mg/dL(95% CI:-19.8 ~ -4.8)、トリグリセリドでは-19.5 mg/dL(95% CI:-38.7 ~ -0.3)であった。

関節リウマチ患者及び全身性エリテマトーデス患者を対象とした複数の研究で、コレステロール代謝の予想される役割に基づき、ヒドロキシクロロキンによる脂質低下の可能性が検討され、LDL及び総コレステロールの減少が報告された。関節リウマチ患者における心血管疾患の発症に関して、この10年は炎症作用に最も大きな注目が集まっているものの、引き続き従来の要因が重大な役割を果たしている。「そこで、従来の心血管リスク因子の肯定的変化につながる関節リウマチ治療を理解することで、関節リウマチにおける心血管リスク管理に関する知識が得られる」と著者らは記している。

主要解析では、メトトレキサートと比較して、抗腫瘍壊死因子αによる治療を開始した患者で、高脂血症リスクの上昇が示された一方、傾向スコアで層別した解析ではこの関連性は弱かった。つまり、最終的に腫瘍壊死因子α抑制薬は高脂血症リスク上昇に関連しなかった。「腫瘍壊死因子α阻害薬が高脂血症リスクに及ぼす影響において、標準治療群を含めた全コホート(4群)と傾向スコアで調整したコホートとの間にみられる矛盾は、考察に値する」と著者らは記している。

デサイ氏らによれば、過去のメタ分析で、抗腫瘍壊死因子α投与後に総コレステロール値の上昇が認められた。つまり、炎症指標の高値は、総コレステロールの低下につながる可能性がある一方で、抗腫瘍壊死因子αを介する炎症コントロールは、脂質値を「正常化」する可能性があるとともに、内皮機能改善をはじめとする重要な心血管への有益性を付与すると考えられる。

本研究の限界点として、遡及的(後向き)という観察上の性質のほか、適応による交絡(選択バイアス)の可能性や、保険料請求データでは得られなかった項目(体重、身体運動、食事習慣など)による交絡の可能性を挙げている。

同氏らは、腫瘍壊死因子α阻害薬の高脂血症への効果について、さらなる研究の実施を呼び掛けた。


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