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2011-10-23

ソース(記事原文):ニューヨークタイムズ・オピニオン

男と女の盗癖

ニューヨークタイムズ・オピニオン(2011年10月22日)― レイチェル・スタイナー(Rachel Shteir)寄稿

レイチェル・スタイナーは「窃盗:万引きの文化史(The Steal: A Cultural History of Shoplifting)」の著者である。

シカゴ ― 万引きの文化史の研究開始にあたり、私はまず女性の事例から調査を開始した。どのみち、万引きの第一波が17世紀後半のロンドンで記録されて以来、万引きは女性のやることだとされていた。男性が路上強盗や殺人罪などのもっと凶悪な犯罪にふけるのに対し、店から盗んだり、すりをしたりといった軽犯罪は「劣った」性によるものだと考えられていたようだ。今日でも、新聞で目にするのは多くの場合、ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)やリンジー・ローハン(Lindsay Lohan)など女性有名人の万引き事件だ。

だが、私は男性の事例を探し続けた。

男性の万引犯は、売店で定期的にヴァニティ・フェア(Vanity Fair)誌やスポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)誌を抜き取る金融関係者や、窃盗は政治的声明であるとするアビー・ホフマン(Abbie Hoffman)の「この本を盗め」(Steal This Book)を彷彿させる万引、つまり、バーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble) を「大企業」と馬鹿にしてそこからは本を盗むが、生協からオーガニックの食料品は盗まない、オレゴン州ポートランドの20歳そこらの男など、多岐に渡る。(高級百貨店の)サックスからシルクのネクタイを盗んだ販売担当重役は、好みがうるさく、かつ気前がよかった。「90ドルより安いネクタイは万引したことがない」と彼は言い、自分の豪華な戦利品の一部は人にあげていたと付け加えた。

つまり、私が学んだのは、万引き犯は皆が皆、退屈した孤独な女性であったり、無一文なので盗みを働く人ではないと、いうことだ。実際、2008年に全米心理ジャーナル(The American Journal of Psychiatry)に掲載された大規模な調査は、万引きをするのは女性より男性が多いと見出した。

しかし、19世紀に窃盗強迫が初めて精神疾患の一種とされたこともあり、昔からの固定観念はいまだ強い。万引きは抑圧された女性の性衝動と、女性が子供の頃に受けた精神的な傷に関連すると考えられていた。フロイト派は手袋、財布、ハンカチの窃盗に性的な意味があるとしていた。

今や精神分析に代わり、精神薬理学が「今日の治療法」となったので、研究者らは、盗みの衝動がどこから生じるのかを見つけ出し、薬で抑制しようとしている。窃盗強迫はギャンブル、飲酒、セックス中毒と並び、強迫神経症の1つとされている。これまでのところ、万引きの衝動を抑えるのに十分な効果があることがわかっているのは、アルコール中毒患者に飲酒を断ち切らせることでよく知られるナルトレキソンだけだ。

医療が高度化し、万引の研究も数多く行われている。小売事業者経営者協会(the Retail Industry Leaders Association)が今月発表した、最近の万引の急増を示した研究はその一例だ。それでも、大半の研究者らはどんなタイプの人が何故万引きをするのか、という問いを探ることができないでいる。

それは答えるのが難しい問題だが、私の研究で、象徴的ではあるが明らかなパターンが浮かび上がった。万引きする品物が、万引き犯の心の奥底にある傷や欲望を、大きく、こちらが困惑するほど明らかにしているということだ。

暴力の絶えない家庭で育ち、野心旺盛なITコンサルタントは、数十年間、ラベンダーや、ハンドタオル、セージなど、家庭用品を万引していたと話した。再出発をしようと懸命な、離婚歴のある元・客室乗務員は、猿の形をした重いドアストッパーを盗んだが、まるでその人気商品が自分をしっかり支えくれることを願っているようだった。ハリウッド在住の若手監督が万引きしたのはDVDプレーヤー。もっとありふれた万引にも、明らかになる事実がある。30年以上万引をしていたある主婦は「ほぼ何でも」万引していたと言うが、中でもいちばんよく盗んだのは鎮痛解熱剤のアドビルとステーキの2つだった。

人によって、窃盗はより寛容な人格を存在させる方法であった。多くの万引犯は戦利品を愛する人に贈っていた。大学院生のとき、恋人を喜ばせるために400スレッドカウント(縫い目)のエジプト綿のシーツをくすねたと自慢した作家がいる。警察官の息子に、(百貨店の)メーシーズで万引したシャワーカーテンを贈った看護師もいる。

そして、盗癖は女性より男性に多く見られるが、盗む品物と場所が異なることがわかった。

2005年にイギリス・ノッティンガムの、センター・フォー・リテイル・リサーチ社(the Centre for Retail Research)のジョシュア・バムフィールド(Joshua Bamfield)が行った調査は、男と女では盗む品物が異なることを示した唯一の調査であろう。女性は衣類、宝石、香水などを万引するが、男性はテレビ、家電製品、電動工具を盗み出すのだ。バムフィールド氏によると、女性は香水をベビーカーに入れてこっそり持ち出す場合が多かったが、男性は盗んだ電動工具を自分のバックパックに隠すことが多かった。また、女性は、多くは結婚後に止めるものの何年も万引を続けることがあり、男性は万引きを暫定的な犯罪で、より儲けの多い犯罪に移行するまでの一時的な行為とみなしていた。

驚くことではないが、私が話を聞いた男女らは、万引について話すとき男女で態度が異なっていた。男性は自分がテレビゲームの英雄であるかのように話す。ターゲットの棚がある通路を駆け巡り、店員や警備員、カメラの裏をかくのがどんなにわくわくすることであるかを説明した男性もいる。一方、私が話を聞いた女性たちは、(小説の)エマ・ボヴァリーであるかのような話しぶりだった。心を奪われたのはロドルフではなく盗んだ塩コショウ入れだったという訳だ。

それでも、何が男性や女性を万引きに駆り立てるのか判明するのにはまだ時間がかかる。この明らかに原始的な衝動がどこから来るのかは、依然として分かりにくい。見たところ単純な軽犯罪の裏に、隠れた欲望やはっきりとしない憧れという神秘的な世界が潜んでいるあたり、科学的というより、詩的といえるかもしれない。


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