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2015-05-06

ソース(記事原文):その他ソース

皮膚軟部組織感染の治療に抗生物質の選択は大切?

【メッド・スケープ】(2015年5月6日) ウィリアムT.バスコ著 ― 単純皮膚感染におけるクリンダマイシン対トリメトプリム・スルファメトキサゾール配合剤

研究概要

このレポートは、皮膚感染の治療を受けている患者の無作為臨床試験の結果の詳細である。患者は全員、蜂巣炎または膿瘍形成のいずれか、または両方を持ち、登録の少なくとも24時間前に診断を受けている。なお患者は、2009年から2011年の間にアメリカの4つの州にある救急治療施設および外来診療所に登録されていた。

感染の原因が人間または動物の噛みつきによる場合、口腔体温>38.5度(華氏101.3度)(または>6-11ヵ月の子どもでは38度(華氏100.4度))の患者、免疫制御薬治療を受けている人、免疫障害のある患者などは除外した。さらに除外基準として、単純皮膚感染の高いリスクがありそうな人も登録できないようにした。

蜂巣炎または膿瘍形成>5cm(大型膿瘍形成/蜂巣炎群)を持つ患者の結果が報告された。すべての膿瘍形成は排膿し、膿瘍の排膿後、患者は無作為に1:1の割合で分けられ、2種類の研究薬を投与された。クリンダマイシンのグループは毎日適切な服用量を1日3回、残りのグループはトリメトプリム/スルファメトキサゾール(TMP-SMX)を1日2回、また昼は偽薬を投与した。

投与量は体重に応じて増減され、必要に応じて液剤を使用した。錠剤と液剤はいずれも治療グループが見てもわからないようにした。

細菌を特定するため、皮膚液や滲出液は可能な限り培養した。研究中、研究者たちには微生物学の結果がわからないようにした。

抗生物質治療の終了後(治癒判定)7-10日経過後に発生した患者は調査中に診察し、1ヵ月の経過観察を行なった。以下は、治療失敗と思われるケースである:治癒判定調査で活動性病変の出現、最初の48時間以内に副作用の出現による抗生物質研究の中止、体のほかの部分での皮膚感染、感染の外科治療の追加、感染による入院。

研究結果

研究者たちは、クリンダマイシンのグループとして264名、TMP-SMXグループとして260名、合計524名の患者を登録した。そのうち約半数は男性で、黒人が53%、白人が40%、さらにヒスパニック系が29%そして29.6%が子供であった。全体の30.5%には膿瘍があり、53.4%は蜂巣炎そして15.6%が両方を持っていた。

患者の56.5%から得た培養のうち、ほとんどが(93.5%)が陽性だった。陽性培養の78%は黄色ブドウ球菌に成長し、これらの分離株の中で77%がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)であった。しかしながら、蜂巣炎単体では黄色ブドウ球菌にはほとんど成長しなかった。TMP-SMXに対する耐性はわずか0.5%だが、クリンダマイシンに対する耐性は分離株の12.4%で見つかった。

治癒判定の結果、TMP-SMXグループのうち77.7%が治癒したのに対し、クリンダマイシンのグループでは80%強であり、統計的に有意な差異はみられなかった。研究者たちは治療企図解析または診察を受けた個体数による分析においても違いがなかったことを研修者たちは発見した。蜂巣炎のみを罹患している患者または複合膿瘍を伴う患者を個別に調べた場合も含め、サブグループ分析において治療の不成功には違いがないことを確認した。

1ヵ月の経過観察における治癒率においてもクリンダマイシンのグループで73.1%、TMP-SMXグループでは67.7%と、顕著な差は見られなかった。両方のグループの18-19%の患者のうち約10%が下痢、2.5%で吐き気や嘔吐などの副作用が起こった。また両グループにおける治療中断の割合も類似しており、8-9%であった。

患者におけるクリンダマイシンおよびTMP-SMXの治療結果に大きな差異は見られず、また治療法の選択肢による副作用もほぼ同じであると、研究者たちは結論を出した。

観点

前回の観察研究では、皮膚や軟部組織感染治療における抗生物質の種類による大きな差異は見られなかったのは興味深かったが、果たしてこれらの結果が臨床試験を支持できるかどうかを判断するのは難しい。さらに、子供における前回の臨床試験の証拠のいくつかは、皮膚や軟部組織感染の治療に使用したセファレキシンおよびクリンダマイシンの結果の相違を示すことができていない。MRSA活性での2つの薬剤の間には、結果では的確に10%またそれ以上の違いがあったが、この無作為臨床試験は相違の欠如という点で似ている。私が2011年にこの試験および観察分析を見直したところ、膿瘍が排膿された後では、抗生物質の選択において若干の違いが見られることを示していた。

論点は依然として2011年から変わりがない:もし排膿すれば、その後の抗生物質の選択はさほど重要ではない。付随論説に記してあるとおり、もし患者が蜂巣炎だけを患っている場合は、メチシリン感受性の黄色ブドウ球菌または化膿レンサ球菌を標的とする抗生物質を選択し、また膿瘍を呈している場合にのみMRSAをカバーする療法の選択を考慮すべきである。


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