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2015-04-13

ソース(記事原文):薬学ジャーナル

研究から―感染症治療に抗生物質の低用量・逐次投与を利用できる可能性

薬学ジャーナル(2015年4月13日) ― 研究者らは、抗生物質2種を亜致死量で逐次投与することにより、細菌感染症の治療だけでなく耐性発現リスクの減少も可能と信じている。

細菌感染症の治療に加えて耐性発現リスクを減らすには、2種の抗生物質を亜致死量で逐次投与する新しい手法が有望だ。国際研究チームはそう信じている。

『プロス・バイオロジー(PLoS Biology)』に2015年4月8日付で掲載された研究によると、大腸菌を用いたin vitro(生体外)治療モデルにおいて相乗的な抗生物質2種による逐次療法を96時間行ったところ、細菌感染が消失したという。

この抗生物質2種の同時投与では感染が消失しなかったそうで、おそらく、薬剤耐性が生じて持続的な細菌増殖という結果になっただろう。

「この研究により、用量・細菌集団の密度・薬剤耐性の間には複雑な関係があることが分かっています」、と研究リーダーのロバート・ベアードモア(Robert Beardmore)(エクセター大学)は言う。「立証したとおり、通常は亜致死と言われる投与量、したがって選択すれば薬剤耐性が増すと考えられる投与量で、細菌量をゼロにまで減らすことが可能です」。

逐次療法というアイデアの基になっているのは「付帯感受性」だ。これは抗生物質2種の各投与の間に見られ、細菌がある抗生物質に対抗するため取った手段のせいで、続いて使用する別の抗生物質への感受性が増すというものである。

「私たちはまず1種の薬剤で処理してから、それを除去して代わりに別の薬剤で処理し、その後このプロセスを繰り返すことによって付帯感受性を活用できるかどうか調べるという研究法をとりました」とベアードモア氏。

研究チームは大腸菌を用いた治療モデルで自分たちの仮説を調べ、相乗的に作用することで知られるエリスロマイシン(マクロライド系)とドキシサイクリン(テトラサイクリン系)で処理をした。使用した大腸菌は、これら抗生物質を排出してしまう多剤排出ポンプを有した株である。

計136の逐次治療を評価し、それぞれ、エリスロマイシンとドキシサイクリンを低用量(IC50)または中用量(IC70)で単剤療法として使用し、その処理時間はさまざまであったが全体の処理時間は常に96時間とした。

菌を一掃できなかったり、結果的に菌が増殖した逐次治療もあったが、5つの治療では96時間が経過するまでにすべてのクローン集団で菌の一掃が確認された。

「こうした成功は付帯感受性に起因すると考えられ、重複ポンプによる交差耐性では薬剤交換後の大腸菌増殖率低下(適切に選択した薬剤切り替えなら問題なく菌を一掃できる低下)を食い止めきれないことを証明している」と研究者らは述べている。

また、簡易in vitroモデルでは付帯感受性を活用できる可能性を立証したものの、ヒトの細菌感染治療に転向できるとは限らない、とも述べている。これまでに、臨床での評価が行われた逐次療法はほとんどない。

ガイズ・アンド・セントトーマスNHS財団トラスト(Guy’s & St Thomas’ NHS Foundation Trust)のポール・ウェイド(Paul Wade)コンサルタント薬剤師(感染症担当)によると、この研究は、「薬物動態学的・薬力学的に投薬を最適化する、英国の臨床現場では一般的とも言える従来のパラダイム『Start Smart, Then Focus(抗生物質の適正使用)』に挑戦したもの」だという。

「この『低用量』手法が、臨床での多岐にわたる応用に適すると考えられるまでの道のりはもちろん長いものでした。しかし、現在は耐性菌感染症とされているものを既存の薬剤で治療できるという、この可能性は、データが明らかになっていることからも入念に調査して検討を続ける価値があります」。


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