ダイエット - このカテゴリーに関連するニュース・情報

下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。

2011-09-26

ソース(記事原文):BBCヘルス

肥満の世界的蔓延

BBCヘルス(2011年8月26日)―ファーガス・ウォルシュ著、医療担当記者

世界的に問題となっている肥満について最近痛切に感じさせられたのが、なんとシエラレオネ(アフリカ西岸にある共和国)にいたときであった。

シエラレオネは世界最貧国の1つであり、栄養障害の発生率と小児の死亡率が最も高い国の1つでもある。

さらに、病棟を歩きながらの医師の話しでは、マラリアや肺炎と、その他すべての重篤な健康問題に加え、もう1つ新たに生じた問題が肥満であるという。

個人的にはそれほど多くの過体重者を見たような覚えはないが、この医師によれば、将来的に体重に関連した心血管疾患や糖尿病などの健康問題が生じる可能性について重大な懸念があると確信をもっているという。

二重負担

したがって、ランセット(医学誌)に肥満の世界的蔓延に取り組むために世界規模の対策を講じる必要性があることについて考察する数多くの研究論文が掲載されているのも分かるような気がした。

ほとんどの発展途上国は、栄養不足と栄養過剰という二重の課題に直面している。栄養不足のほうが差し迫った危機的状況であり命にかかわることも多いため、より広く周知されている。

将来起こりうる多くの健康問題が肥満によって蓄積される。世界保健機関(WHO)では、このことを疾病の二重負担(Double burden)と呼んでおり、WHOは「栄養不足と肥満が発見されることは珍しくなく、同一国や、同一共同体、それに同一家庭内で同時に存在する」と述べている。

WHOによれば、世界人口の65%が、低体重による死亡よりも、過体重と肥満による死亡が多い国に住んでいるという。

受動的過剰摂取

都市生活者の増加や、肉体労働離れ、車利用者の増加のほか、安価な高エネルギー(高カロリー)食品が手軽に入手できることが、肥満増加の背後にある多くの要因の一部である。

Deakin University(メルボルン)のBoyd Swinburn教授が主導する研究チームの1つが、エネルギーの「受動的な過剰摂取」について説明したところでは、「ほぼ全ての国で同時に肥満が増加するのは、主として世界的な食品システムの変化に起因しており、つまり以前に増して加工され、手ごろな価格となり、効果的に宣伝された食品を生産していることが原因であると考えられること」だという。

ランセット誌の付随論説で、英国政府の元科学顧問責任者David King氏は、2007年に発表された影響力のあるForesight試験を引き合いに出した。

「この試験報告の重要な結果の1つは、想定していたよりも個々の体重に関し選択の余地が少ないということであり、現在の肥満の蔓延は怠惰や過食が原因というよりもむしろ、我々の生態が社会と調和しなくなっているということである」。

食べる量を控え、体をもっと動かす

肥満は世界的問題であり、国際規模の解決策が必要とされる。

個人責任が重大であることは明確であると同時に、来月ニューヨークで開催される非感染性疾患の国連会合の前にリーダーシップの要請が急務となっている。

「食べる量を控え、体をもっと動かす」ことが単純な回答かもしれないが、今日の研究では問題はさらに複雑で、政府・企業・社会の行動が必要とされることを示唆している。