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2010-12-15

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

脳の新たな記憶増強メカニズム

サイエンスデイリー2010年12月15日―カリフォルニア大学アーヴァイン校(UC Irvine;UCI)の研究者らが記憶を増強する脳内のメカニズムを新たに特定した。

ドイツのミュンスター大学(University of Munster)の科学者と協力して、UCIの研究チームがニューロペプチドS(NPS)という小さなタンパク質が不快な出来事から単純な物体まであらゆるものの記憶を強化し持続させることを明らかにした。

研究主任でUSI薬学部のライナー・レインシャイド助教授(Rainer Reinscheid)によると、この発見は脳がどのように記憶を蓄えるかについて重要な手掛かりをもたらし、アルツハイマー病、認知症、その他の認知障害の新しい治療法につながるかもしれないという。

「その上、心的外傷後ストレス障害の理解を深めるのに役立つ可能性があります。心的外傷後ストレス障害では衝撃的な出来事の記憶が過度に増強されてしまっているのです。」助教授はこう述べた。

学習体験の直後に脳内のNPS受容体を活性化すると、その体験をはるかに長い期間、はるかに強く思い出すことがマウスを使った実験でわかった。

この記憶増強は最長1週間続いた。しかしNPS受容体の活性化を妨げると、ほんの1日か2日後に実験しても、マウスは学習したことを―全く覚えていない、というわけでなければ―それほど強くは思い出せない、と助教授は言う。

研究結果は、NPSには覚醒効果と鎮静効果がある、という助教授のこれまでの発見に合致するもので、12月8日付けの学術誌・神経精神薬理学(Neuropsychopharmacology)の先行電子版に掲載される。

「NPSにより注意力が高まり、そして不安が軽減されるため動物の学習能力が高まるようです。NPSシステム活性化の後、記憶力が著しく改善されます。この効果は持続的で記憶する内容とは無関係です」と助教授は語った。

UCIのナオエ・オカムラ(Naoe Okamura)、セリア・ガラウ(Celia Garau)、ディー・デュアンダオ(Dee Duangdao)、スチュワート・クラーク(Stewart Clark)、ミュンスター大学のカイ・ユングリング(Kay Jungling)、ハンス・クリスティアン・パーペ(Hans-Christian Pape)が今回の研究に貢献した。本研究は米国国立精神衛生研究所(National Institute of Mental Health)から一部資金援助を受けた。