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2014-10-14

ソース(記事原文):EMS1.com

臨床ソリューション:学校で呼吸困難を起こした8歳の児童

EMS1.com(2014年10月14日) ― 呼吸困難を起こした小学生に対応した。次のステップを正しく行ったか?

今月の優勝者は、アレルギー反応、そして小児特有のエピペン自己注射での治療の必要性を正しく特定したミケーレ・クラヴィッツ(Michele Kravitz)です。お見事!

評価

米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、食物アレルギーの報告は10年間で増加している。この変化がアレルギーの増大によるのか、それとも単に認知が高まったのでもっと報告されるようになったのかは、定かではない。

いずれにしても、現在、米国では18歳未満の子供の約4%に食物アレルギーがあると推定されている。報告されたほとんどすべてのアレルギー反応は、牛乳、卵、ピーナッツ、木の実(アーモンド、クルミなど)、魚、貝、大豆、小麦という8つの食品が原因である。

アレルギー反応の重症度は、対象の食品および患者によって異なる。局所反応の場合も、アナフィラキシーが生じることもある。

治療

アレルギー反応が認められる患者に対応するときには、反応の重症度を見極めることが重要である。一般的にアレルギー反応、アナフィラキシー、アナフィラキシーショックという3つのレベルを区別すれば十分である。

1.抗原が体内に入ると、アレルギー反応が(重症度に関係なく)生じる。抗原は、免疫システムの反応のトリガー物質である。免疫グロブリンEが抗原と結合し、体内の炎症を促進するヒスタミンなどの化学物質の放出を引き起こす。上記のように反応を分類するのに、この炎症の範囲が影響する。

単純なアレルギー反応は、皮膚にじんましん、赤み、かゆみを生じさせることが多い。これらの症状は、一般的に体の抗原に曝露された領域に限定される。アレルギー反応の例は、花粉への暴露による目の赤みや涙である。

2.アナフィラキシーは、ヒスタミンなどの免疫化学物質で体全体に影響が起こる場合に発現する。この影響とは、血管拡張、血管からの体液漏出、肺の気通を囲む筋肉の収縮などである。

既知のまたは疑われる抗原への暴露後、患者が低血圧や呼吸困難を呈するときは、アナフィラキシーを疑うべきである。

3.アナフィラキシーショックはアナフィラキシーが進み、低血圧が顕著になると発現する。

単純なアレルギー反応がみられる患者には、主に対症的な治療を行う。多くのEMS(救急医療)システムでは、このような場合、ジフェンヒドラミンの使用を指示している。しかし、患者がアナフィラキシーまたはアナフィラキシーショックを発症しているときは、エピネフリンが最適な治療薬である。

一部、逆の指導も見られるが、アナフィラキシーにおけるエピネフリンの使用には絶対的禁忌はない。EMS提供者は、意識のある患者に積極的にエピネフリンを使用するのをためらい、代わりにジフェンヒドラミンを投与したり、様子見とする方を好むかもしれない。これは危険な判断である。

ジフェンヒドラミンとエピネフリンの作用機序は、水がいっぱいまで入ったシンクだと考えることができる。この例では、水が体内のヒスタミンなどの免疫化学物質を表す。ジフェンヒドラミンは、通常はヒスタミンと結合されている体内の受容体部位に競争的に結合することによって作用する。

シンクの例では、患者へのジフェンヒドラミンの投与は、水が流れ出るように排水ドレインを開くようなものだ。ドレインを開くとシンクが空になるが、それでも水は変わらず蛇口から流れ続ける。

エピネフリンは血管収縮、肺平滑筋弛緩、ヒスタミンの放出の減少という作用で、アナフィラキシー反応に対抗する。アナフィラキシー患者へのエピネフリン投与は、シンクを満たす蛇口を閉めるようなものだ。

アナフィラキシーなどの深刻なアレルギーの既往歴がある患者の多くは、エピネフリン自己注射器を処方されている。この注射器は薬剤を筋肉内経路で送達するもので、抗原へ曝露があった場合に患者自身または居合わせた人に使用されるよう意図されている。

EMSプロトコールは、薬剤を投与するために自動注入器の携行か、患者の自動注入器の使用かのどちらかを、EMS提供者に許可できる。

転記

スティーブン(Stephen)の病歴とプレゼンテーションに基づき、ピーナッツへの暴露後アナフィラキシー反応が発現したことは明らかである。

まず、スティーブンが処方されたエピネフリン自動注射器を所持しているかどうか、スタッフに尋ねる。スティーブンの緊急フォームを確認し、スタッフはスティーブンが所持していると伝え、注射器が診察室に持ち込まれる。

スティーブンに自己注射できると思うかどうか尋ねる。スティーブンは「いいえ」と首を振る。プロトコールに基づいて、エピネフリンを医師のあなたが注射することを選択する。

スティーブンの名前が自動注射器に記載され、薬の有効期限が切れていないことを確認した後、パッケージから注射器を取り出し、スティーブンの外腿に注射器を押し付け10秒間保持する。

注射後まもなく、スティーブンの呼吸が著しく向上していることに気づく。スティーブンはあなたの質問に答え始め、エンジニアが一連のバイタルサインを取得できるようになる。

最新情報を対応するALS(二次救命処置)ユニットへ無線で連絡し、状態の変化がないかどうか監視し続ける。

参考

米国疾病対策予防センター、「米国の子供の食物アレルギー:有病率と入院の動向("Food Allergy Among U.S. Children: Trends in Prevalence and Hospitalizations")」MCHデータ要約(Data Brief)、米国疾病対策予防センター、2008年10月。Web。2014年9月10日。


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