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2011-12-22

ソース(記事原文):サイエンティフィック・アメリカン

恐れ知らずの若さ:プロザックが脳を若返らせることで不安を消失させる

サイエンティフィック・アメリカン(2011年12月22日)― フェリス・ジャブル(Ferris Jabr)著

抗うつ薬は、脳の可塑性を増大させることによって成体マウスにおける恐れを軽減させることが新たな研究で示されている。

実験用成体マウスが特定の刺激(音や閃光)と、電気ショックの痛みを結びつけることを一旦学ぶと、ショックを与えるのを止めても、容易に忘れないようになる。一方、サイエンス(科学誌)12月23日号の新規研究では、抗うつ薬プロザック(フルオキセチン)が、かつて脅威となった刺激が今は害のないものだと学ぶのに必要となる幼若脳の可塑性を、マウスに与えることを明らかにしている。本研究は、うつ病、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を治療するのに、精神療法(セラピー)と抗うつ薬の併用が、薬剤単独またはセラピー単独よりも有効である理由を説明するのに役立つ可能性がある。抗うつ薬が成体脳を刺激し、セラピー中に故障回路を直すと考えられる。

ヘルシンキ大学(University of Helsinki)神経科学センターのニーナ・カルポア(Nina Karpova)氏とエーロ・カストレン(Eero Castren)氏らは、マウスにおいて怖がり行動を作り出し、消失させた。まず、カストレン氏は複数のマウスをケージに入れ、電気ショックを足に与える直前に音を鳴らすということを繰り返した。すぐにマウスは音を聞くたびに恐怖で凍りつくようになったが、その時点でカストレン氏はマウスに「記憶消去のトレーニング」を体験させた。マウスを別のケージに移動させ、同じ音を再度鳴らし、この時は電気ショックを与えなかった。

生後3週未満の若年マウスはその音がもはや危険の予兆ではないことを素早く学び、恐怖に凍りつくことがなくなることを、研究者らが過去に明らかにしている。一方、成体マウスを落ち着かせることのほうが困難である。記憶消去のトレーニング中に成体マウスの恐怖が薄らぐようになったとしても、そのリラックスした状態は長く続かず、1週間後には再び音に脅かされるようになる。

カストレン氏の研究では、記憶消去のトレーニングの体験中にフルオキセチンを投与された成体マウスは、若年マウスとそっくりな行動をした。つまり、同剤を投与されなかったマウスよりも、はるかに迅速に恐怖を消失するとともに、不安が戻ることはなかった。対照的に、フルオキセチンを投与したが、記憶消去のトレーニングを受けなかったマウスは、依然として不安なままであった。

カストレン氏は、抗うつ薬またはセラピーのいずれかの単独よりも、抗うつ薬とセラピーを併用した方が、ほぼ常に有効性が高いというコンセンサスと、今回の結果との間の類似性を説明している。神経細胞間の間隙において神経伝達物質の量を変化させるなど、ほとんどの抗うつ薬が分子レベルで行うことについては知られているが、これらの変化がうつ病を治療する仕組みについては依然として明らかではない。抗うつ薬は単純に脳内の化学物質のバランスの乱れを直すことによってうつ病を治療するという考え方は、研究では支持されていない。最近になって、うつ病が神経細胞を殺傷する一方、プロザックのような抗うつ薬は脳内の新たな神経増殖を促進するという仮説を研究者らが立てた。プロザックが脳領域を幼若な状態に戻すことで、成体脳の典型例でみられるよりも、神経細胞が相互の結合をもっと作り出したり壊したりするようになることが、カストレン氏の研究から示唆されている。つまり、プロザックは脳の可塑性を増大させる。

カストレン氏は、フルオキセチンを投与されたマウスの脳と、投与されなかったマウスの脳において、特徴のある電気的・分子的な可塑性の兆候について観察した。特に、恐怖の反応をつかさどる神経回路の扁桃体を同氏は観察した。フルオキセチンは幼年の神経細胞に関連する細胞接着分子の量を増加させ、成体の神経細胞に関連する輸送タンパク量を減少させることが明らかにされた。また、リラックスすることを学んだマウスの脳から、神経細胞の膜電位における大きな変化も発見した。これらの神経細胞は、学びと記憶に欠かせない長期増強と呼ばれるプロセスを通じて伝達を同期させる点で優れていた。

カストレン氏は「抗うつ薬治療と、認知行動療法を併用する方が、いずれか単独での治療よりも優れた効果が得られることは知られているが、その神経生物学的根拠は不明である」としている。「考えられるメカニズムは、回路網をより幼若で可塑性の状態にするというものであることを我々は示している」と続けた。


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