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2014-01-21

ソース(記事原文):ファーマシー・プラクティス・ニュース

術後せん妄とメラトニン濃度低下の関連性を研究が示す

ファーマシー・プラクティス・ニュース ― デイビッド・ワイルド(David Wild)著

日本の小規模研究において、術後せん妄を呈したICU患者はそうでない患者と比べ、術後1時間時点でのメラトニン濃度が低いことを示唆する知見が得られた。研究結果からは、セボフルラン曝露量とメラトニン濃度の間に負の相関関係があること、またフェンタニル濃度とメラトニン濃度の間に正の相関関係があることも明らかにされている。

ICUの患者集団には、重度の術後合併症としてせん妄を認めることが多い。この研究には関わっていないが術後せん妄の専門家であるアラン・チャプットMD(Alan Chaput, MD)は、この合併症の原因に取り組んだことについて研究者らを称賛した。

「術後にせん妄が見られると、他の合併症発生率や死亡率が高まります」。カナダ・オタワ大学の准教授でもあるチャプット博士はこう話す。「ただ…この知見を基にして、今回明らかとなった関係性に因果関係があるとは決して言い切れません」。

これまで、非ICUで術後せん妄を呈した患者が対象の研究も複数実施されており、同様にメラトニン濃度の変化が明らかとなっている(例:『アネステジオロジー(Anesthesiology)』2009;111:44-49)。ICU患者でもこの相関があるのか調べるために、岡山大学病院(岡山県)の研究者である江木盛時MD(Moritoki Egi, MD)と共同研究者数名はICU外科患者を対象として、せん妄評価ツール(Confusion Assessment Method for the ICU : CAM-ICU)の項目を満たした10名と、せん妄のない23名から前向きに収集したデータを分析した。どちらの患者群も、ICU滞在日数は最低でも2日間に及び、血漿メラトニン濃度の測定は手術当日の早朝と、術後1時間時点、術後1日目と2日目(POD 1と2)の早朝に行った。

術後1時間時点での平均血漿メラトニン濃度は、せん妄患者群では0.45 pg/mLだったのに対し、非せん妄患者群では2.8 pg/mLであった(P=0.037)。術前およびPOD 1と2でのメラトニン濃度に有意差はなかった。

セボフルランまたはフェンタニルへの曝露とメラトニン濃度は有意な相関関係にあり、セボフルラン累積曝露量が1%増えるごとにメラトニン濃度が0.41 pg/mL低下した(P<0.01)。逆に、フェンタニル総投与量が1%増えるごとにメラトニン濃度が0.008 pg/mL上昇した(P<0.01)。セボフルランの最大呼気終末濃度も、術後1時間時点のメラトニン濃度が低いことと有意な相関関係にあった。

江木MDは、術後のメラトニン濃度低下が睡眠障害の引き金となってせん妄リスクを高めると推測している。睡眠障害は、せん妄の既知の危険因子だ。「これが事実なら、外因性メラトニンはメラトニン濃度にどう影響するか、そしてその結果、せん妄に影響があるかどうかを調べるために無作為化試験を実施する価値はあるでしょう」と言う。

チャプット博士は、「個人的には『せん妄の有無』を従属変数にして、例えば『周術期の抗コリン薬への曝露』など、術後せん妄と関連することが分かっているか、あるいは疑わしい他の術前・術中変数とともに『メラトニン』を共変量として組み入れたらよかったと思います。セボフルラン曝露量増加とメラトニン濃度の低下、およびフェンタニル投与量増加とメラトニン濃度上昇という関連性の報告に関しては、研究の規模があまりにも小さすぎて結論を引き出すことができません」と話した。

江木MDは、米国麻酔学会(American Society of Anesthesiologists)の2012年総会でこの知見を発表した(アブストラクト267)。


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