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2013-12-09

ソース(記事原文):メディカル・イクスプレス

重症度の低い小児肺炎に対する狭域抗生物質の効果は「広域」と変わらない

メディカル・イクスプレス(2013年12月9日) ― 肺炎で入院し、抗生物質による治療を受けた子どもの転帰を調べたところ、「広域」抗生物質(セフトリアキソンまたはセフォタキシム)と狭域抗生物質(アンピシリンまたはペニシリン)のどちらを使用しても、入院日数や費用などの転帰に差はなかったことが判明した。バンダービルト大学の研究者らが『ペディアトリクス(Pediatrics)』に発表した。

肺炎は米国の子どもに多い入院理由の1つであることや、広域抗生物質の頻繁な過剰処方が耐性菌の問題につながっていることから、今回の知見は重要であるという。

「抗菌スペクトルが広い抗生物質は「ビッグガン」と呼ばれます。どの患者にもビッグガンを使うことがベストな治療になる、と認識される場合もあり、これは肺炎に限ったことではありません。特に、抗生物質選択の判断材料が限られている場合は、こうした認識が選択を難しくします」。研究論文の上席著者で、医療政策学准教授のカルロスG.グリハルバM.D., MPH(Carlos G. Grijalva, M.D., MPH)はこう話す。「判断に役立ててもらうため、今回の研究ではビッグガンとスモールガン(狭域抗生物質)という2つの肺炎治療を比較しました。その結果、臨床転帰や関連費用に有意差はなかったことが判明しました」。

小児感染症学会(Pediatric Infectious Diseases Society)と米国感染症学会(Infectious Diseases Society of America)(PIDS/IDSA)は2011年夏に、市中肺炎に関するガイドラインを共同で発表し、肺炎で入院した大方の子どもには狭域抗生物質での治療を勧めている。しかしこれまで、この治療戦略の有効性を広域抗生物質の場合と比較した研究はほとんどなかった。

研究者らは米国の小児病院43カ所のデータを使って、2005年から2011年の間に肺炎で入院した子ども(6カ月齢から18歳)のうち、「スモールガン」のアンピシリンまたはペニシリン治療を受けた群と、「ビッグガン」の第三世代セファロスポリン(セフトリアキソンまたはセフォタキシム)治療群の転帰を比較した。肺炎の原因菌として最も多いのが肺炎球菌であり、PIDS/IDSAガイドラインによれば、どちらの治療戦略もこの細菌による病気に有効だという。

論文の筆頭著者である小児科学准教授のデレクJ.ウィリアムズM.D. MPH(Derek J. Williams, M.D. MPH)は、広域抗生物質をむやみに使うことが多くなっているせいで、耐性菌による病気を増加させていることを医師らが心配している、と話した。

「広域抗生物質の使用が増えると同時に、耐性菌による病気が増えるのを見てきました。そこで今回の研究では、小児肺炎の治療における抗生物質の効果は狭域でも広域でもさほど変わらない、という仮説を立てました。この知見は、肺炎で入院した大方の子どもには、第一選択として狭域抗生物質を使うのが望ましいことを裏付けています」。

「2000年には米国の小児期予防接種スケジュールに肺炎球菌共役ワクチンが導入されており、こうした予防的介入が肺炎球菌性疾患全般の減少や、耐性菌による病気の減少につながっています。しかし、抗生物質選択の判断材料を与えたり、耐性菌を減らし続けたりするには、より一層の行動が必要です」。

今回の研究では、子どもの90パーセント近くが広域抗生物質による治療を受けており、狭域抗生物質は10パーセントだけだった。

「アンピシリンやペニシリンを推奨している2011 PIDS/IDSAガイドラインは、狭域抗生物質を使う治療への大きな転換を示すものです。そしてこれは、それら狭域と、もっとよく使われている広域を直接比較した初歩研究の1つです」と、ウィリアムズ博士。「アンピシリンまたはペニシリン治療の効果は第三世代セファロスポリンと同程度なのに、ガイドラインが発表される前、狭域抗生物質が使われることはほとんどありませんでした。そのうち、コンセンサスガイドラインの発表と関連する取り組みが、新しく推奨した治療の普及を促進しているか、評価したら面白いでしょう」。


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