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2009-08-14

ソース(記事原文):サイエンスデイリー

頭痛持ちでコーヒーをよく飲む人に悪い知らせ

サイエンスデイリー(米科学誌[2009年8月14日]) —日々カフェインを多量に摂取する人では、少量摂取する人よりも、時折起きる頭痛に悩まされる傾向が強いという研究報告を、ノルウェー科学技術大学(Norwegian University of Science and Technology)の研究チームが、ジャーナル・オブ・ヘデック・ペイン(医学雑誌)に最近掲載した。

一方で、カフェイン摂取量の少ないことが、慢性頭痛の出現確率の増加に関連することが、ノルウェー科学技術大学医学部のクヌート・ハーゲンKnut Hagen)氏を中心とする研究者らによって、「明白な理由のない」研究結果で、同様に報告された。この慢性頭痛の定義は、月に14日以上の頭痛とした。

今回の結果は、大規模な横断調査から得られたもので、HUNT2(ノード・トロンドラッグ[Nord-Trøndelag]健康調査)の一環として行ったカフェイン摂取と頭痛発生率に関する質問票調査に、50,483人が回答したものである。このHUNT2とは、1995年~1997年にさまざまな健康関連項目について全国規模で実施された健康調査である。

 

飲むべきか、飲まざるべきか

カフェインは、世界中で最も多く消費されている刺激物質であり、頭痛に関してプラスとマイナスの効果を持つことが、以前から知られている。例として、カフェインは頭痛を軽減するのに役立つことから、頭痛の鎮痛剤の成分によく用いられている。

しかし、カフェイン摂取と頭痛の関係における世界各地の調査は、コーヒー量を増やすべきか、減らすべきか悩む頭痛持ちの人に解決策をもたらすものではない。カフェインを多量に摂取することで、頭痛と片頭痛の発生率が上昇することを示した研究がいくつかある一方、こうした関連はないことを示した研究も存在する。

加えて、頭痛により勤務時間が奪われることで、社会にとっても、各個人にとっても損失が大きい。その一例として、世界保健機関(World Health Organisation)では、「障害を抱えて生きる年数(years lived with disability)」という評価に基づき、片頭痛を障害の全原因の19位に位置づけている。

スカンジナビアでは特に興味深い問題である。というのも、スカンジナビアの人はコーヒーを飲む量が非常に多く、1日に平均約400mgのカフェインを摂取しているからである。この平均カフェイン摂取量は、その他のヨーロッパ諸国と米国の約2倍にあたり、1日約4杯分のコーヒーに相当する。ただし、コーヒーに含まれるカフェイン量には大きなばらつきがみられる。

 

数の力とその限界

HUNTの調査は、大規模な住民対象の横断的調査であることから説得力を持つが、頭痛となると、その特性から因果関係を確立するのは困難である。例えば、非片頭痛様の頭痛の発生頻度は、カフェイン摂取量が多い人(500mg/日以上)のほうが、摂取量が最も少ない人(平均125mg/日)よりも18%高かったことが、研究者らによって見出された。

しかし、これはカフェインが頭痛を引き起こすことが全てということになるのか、もしくは頭痛になりやすい人が、息抜きを求めてカフェイン入りの飲料を飲むということになるのだろうか。「これは横断的調査であることから、カフェインの多量の摂取が、稀発性頭痛の原因であると結論づけることはできない」と同研究者らは記している。

カフェイン摂取量が中程度または多い人に、慢性頭痛が少ないのはなぜかについて説明することのほうがもっと困難である、と研究者らは述べた。カフェインの摂取が、慢性頭痛を稀発性頭痛に変える一助となっているというのも1つの可能性である。

 

量を控えることが有用な可能性

一方、慢性頭痛で悩む人では、カフェインの特性により引き起こされる頭痛を経験していたために、カフェインの摂取を控えていた可能性も同様にあり、また、稀発性頭痛を持つ人ではカフェインの多量摂取が原因となりうるとは気づいていなかった可能性もある。

インタビューで、ハーゲン氏は、頭痛の問題を抱えている場合、コーヒーの摂取量を控えるよう考慮すべきであるとした。同氏は「カフェインは頭痛の原因になりうるので、頭痛に悩む人は、各自のカフェインの利用に関心を向けるべきである」と述べた。

編集者の注釈:本稿は医学的アドバイス、診断、治療を提供することを意図するものではない。