【警告】
ラパカン1mgを使用するにあたって、以下の項目は必ず守って服用してください。
・リンパ脈管筋腫症についての知識を十分に持った医師のもとで使用してください。
・ラパカン1mgを服用することで間質性肺炎の副作用が起こる例が報告されています。海外では間質性肺炎によって死亡した例もあるため、ラパカン1mgを服用する際は、咳や呼吸困難、発熱などの症状などに十分に注意した上で使用してください。死亡例もあるため、投与前と投与中は定期的な胸部CT検査が必要です。万が一ラパカン1mgの服用中に異常が見られた場合は、適切な処置をしなければなりません。またラパカン1mgを継続して服用できるのかについても、慎重に判断する必要があります。
・肝炎ウイルスのキャリアを持った患者に投与する場合は、十分な注意が必要です。ラパカン1mgを投与することで肝炎ウイルスの働きが再び活性化され、肝不全を起こすリスクがあります。また肝不全が死亡につながる可能性もあるため、定期的な肝機能検査が必要です。
【禁忌】
以下に該当する方は使用できません。
・ラパカン1mgの成分ややシロリムス誘導体に対して過敏症の既往歴がある方
・妊娠または妊娠している可能性がある方
【慎重服用】
以下に該当する方は、慎重な投与が必要です。
・肺に間質性陰影がある方
・感染症にかかっている方
・肝機能障害がある方
・肝炎ウイルスや結核などの既往歴がある方
・高齢者の方
ラパカン1mgの使用により、間質性肺炎が悪化する可能性があります。またラパカン1mgには免疫を抑制する働きもあるため、感染症を合併している方が使用すると悪化のおそれがあるため注意しなければなりません。
ラパカン1mgを肝機能障害がある方に使用すると通常よりも血中濃度が上昇して副作用が起こりやすくなります。肝炎ウイルスや結核が再び活性化される可能性があるほか、高齢者では生理機能の低下によって副作用が出やすくなっているため、こちらも注意が必要です。
【使用上の注意】
・間質性肺炎などの疾患が現れる可能性があるため、ラパカン1mgの投与を開始する前、また投与開始後は定期的な胸部CT検査が必要です。また服用中に咳や呼吸困難などの症状が起きた場合は、速やかに担当医へ連絡する必要があります。
・ラパカン1mgには、免疫を抑える働きがあります。そのため普段はかからないような細菌や真菌、ウイルスなどに感染しやすくなることが特徴です。日和見感染にもかかりやすくなるため注意しましょう。またB型肝炎ウイルスや結核のキャリア患者においては、ウイルスが再活性化するリスクもあります。ラパカン1mgの服用を開始する前に、必ずB型肝炎や結核の既往歴がないか確認しなければなりません。
・悪性リンパ腫や悪性腫瘍が起こる可能性があります。
・脂質異常が見られる可能性があります。そのため定期的な検査が必要です。万が一脂質異常が見られた場合は、食事療法や運動療法などを実施したり、脂質異常症の治療薬を服用したりします。
・創傷治癒不良が起こる可能性があります。そのため肺移植をされる方は、手術前に余裕を持ってラパカン1mgの服用を止めなければなりません。肺移植以外の手術も同様に服用の中止が必要です。
・尿蛋白が現れる可能性があります。服用を開始したら定期的な尿蛋白検査が必要です。
・女性に投与する場合は、適切な避妊を行うよう指導が必要です。ラパカン1mgを投与している期間、投与が終わって最低12週間は避妊しなければなりません。
【高齢者】
高齢者では生理機能が落ちているため、より慎重な投与量の調節が必要です。
【妊婦・授乳婦など】
妊娠中または妊娠している可能性のある方は服用できません。また授乳中の服用もできない医薬品です。ラットを使った実験において胚や胎児への毒性があることや、母乳を通して薬剤が移行することが確認されています。
【小児】
18歳未満の患者への使用は、安全性が確立されていないため使用できません。