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2011-12-05

ソース(記事原文):ロサンゼルス・タイムズ

不安症の治療: 薬物療法または精神療法、もしくはその併用療法が有用

ロサンゼルス・タイムズ(2011年12月5日)― タミー・ワース(Tammy Worth)著

不安症患者には、認知行動療法を選択する患者もいれば、薬剤を選ぶ患者もいる。また、発作を回避するため、これらの併用療法を必要とする患者もいる。

カレン・スマランド(Karen Smuland)さんは常日頃から心配性であったが、2001年9月11日にニューヨーク世界貿易センターが攻撃を受けた後、最初のパニック発作を起こし、自分は死ぬものだと思い込み、最終的に救急科に搬送された。

彼女はオレゴン州ベンドに住む48歳の建築家で、直ぐに全般性不安障害と診断された。

それから数年、精神療法と薬物療法の組み合わせや、たくさんの試行錯誤を繰り返し、この疾患を克服しようと努力してきた。

カレンさんはいくつかの薬剤を試してから、厄介な副作用が生じない唯一の抗不安薬エフェクサーに辿り着いた。複数のカウンセラーの診察を受け、そのうちの1人は彼女に感情を絶え間なく話すよう求め、症状が一層悪化するように感じられたという。また、別のカウンセラーは真正面から立ち向かうことで自分の弱さに対処することを求めたので彼女に恐怖を感じさせた。

3度目のアプローチは、両者の中間あたりで、症状の改善に役立っているという。

カレンさんの経験はよくあることである。不安症に対する治療には、一般に薬物療法または精神療法、もしくはその2つの併用がある。個々の患者で大きなばらつきがあることと、不安症の確かな原因は不明であることから、どの治療計画に効き目があるのか、実際に経験して見つけ出すまでは、なかなか分からない。

専門家らは、不安症が起きる人と、起きない人がいる理由を特定するには至っていない。マサチューセッツ州ベルモントに在るマクレーン病院(McLean Hospital)のトランスレーショナル神経科学副主任ブライアン・ブレンナ(Brian Brennan)博士は「疑問は数多くあるが明確な回答はほとんどない」と述べている。若年期に心的外傷または強度ストレスを経験すると、不安症を生じやすくなると考えられる。おそらく、いくつかの遺伝子が原因となっていると思われ、この原因となる遺伝子が抑うつ状態および不安症に関連しうる重要な脳内化学物質(セロトニンおよびノルエピネフリン)量に影響を及ぼしていると考えられる。

医師らは正確な原因は把握していないものの、一連の薬物療法が不安障害に役立つと理解している。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、脳内で利用可能なセロトニン量を増やす働きをするもので、不安症に対して最も高頻度に使用される薬剤の一種である。初めは抑うつ状態に対する治療に使用されていたものだが、治療を受けた患者では不安症の軽減もみられるようだと医師らが気づいた。

バリウム(ジアゼパム)やザナックス(アルプラゾラム)などのベンゾジアゼピン系薬剤も、多く使われている。同剤は、ガンマアミノ酪酸(GABA)と呼ばれる神経伝達物質の活性(リラクゼーションなど)を増大させる。

ブレンナ氏は、こういった薬剤、特に一般的なSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、大半の患者に概ね安全であるとしている。ただし、性機能障害、体重増加、鎮静、胃腸問題などのかなり高頻度に発生する副作用を生じる患者もいる。

同氏は「いずれの副作用も治療効果の妨げとなる可能性があり、特に薬剤から大した効果が得られない人でその傾向が強い。これらの薬剤はしばしば役立つと言いたいところだが、部分的効果しか得られないか、もしくは全く効果を得られないような大規模な患者集団が存在する」と語った。

NAMI(ニューヨーク市の心の病全米家族会、National Alliance on Mental Illness of New York City)に若年者&プログラムのコーディネーターとして勤める29歳のケイティ・リン(Katie Linn)さんは、不安症に対するSSRI薬の1つレクサプロ(エシタロプラム)を服用している。これまでの人生の大半を軽度不安症と共に過ごしてきたが、大学1年のとき帰宅中に明らかなパニック発作を起こした。リンさんの家族は彼女にストレスがたまっているのではないかと考え、リンさんは治療を探し始めるまでの約6年間「黙って耐えていた」という。

彼女はNAMIで働いていたので支えてくれる仲間に囲まれていたが、最初は薬を服用しても効き目は感じられなかったという。当初は適切な用量を得るのが難しかったが、最終的に自分の基準用量を見つけ出した。

カウンセリングも受診した。リンさんは「薬の服用で感情の起伏が安定したとはいえ、問題の解決には至らなかった。そこで精神療法を取り入れた。私の場合、両方を併用しなければ回復はありえなかった」と述べている。

リンさんは不安障害に対し最もよく用いられる方法、すなわち認知行動療法を受けた。これは通常約20回の短期治療コースになっており、問題が起きるような状況を患者に特定させ、その状況についての自分の考えを理解させ、否定的な思考パターンを特定させて、その思考に立ち向かうことを患者に教えるものである。精神療法の目標は、問題を明確に受け止め、効果的に対処することにある。

ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)ヒト行動・生殖学のカール・リクルス(Karl Rickels)教授は「精神療法は、普通の日常生活のストレスに対し患者がより適切に対処できるよう手助けし、ストレスを重大に捉ないようにさせるものである」としており、「ささいことは取るに足らない事にすぎないと患者に教えているが、これをうまく教えることができれば、患者の回復が期待できる」と続けた。

パニックと不安症を引き起こす否定的思考パターンについて訓練し直す手助けを目的とした本「You Are Not Your Brain(英文タイトル)」の共著者であり、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)スチュアート&リンダ・レズニック精神神経病院(Stewart and Lynda Resnick Neuropsychiatric Hospital)の精神科医レベッカ・グラディング(Rebecca Gladding)博士は、「脳画像診断の試験では、状況への対処の仕方が変化するにつれ、認知行動療法を体験した脳内に生理学的変化が生じることが明らかにされている」と述べている。

いわゆる攻撃・逃避反応に関与する脳内の扁桃体が落ち着き始め、共感や理解を司る外側前頭前皮質がより活性化する、と同氏は述べている。

「良い部位を一層発揮させて活性化させ、それ以外の部位を静める」とも述べた。

現時点で不安障害に対する最良の治療には依然として試行錯誤が繰り返されているが、医師と患者は完全に手探り状態というわけではない。精神療法、薬物療法、もしくはその併用のいずれが患者に最も良く効く可能性が高いのかを指し示す予測因子がいくつかある。

通則として、不安症が軽いほど、精神療法への反応が優れている傾向がある。

患者の洞察力や熱心さが強いほど、精神療法への反応が優れている傾向がある、ともブレンナ氏は述べた。患者は、なぜ特定の感じ方をするのかを明らかにして、そのことについて話すことができるはずである。治療は対話型なので退屈する場合もあるが、意欲的に訓練を行う必要がある。

言うまでもなく、治療経過と関連のありうるもう1つの要因には治療へのアクセス(診察の受けやすさ)がある。多くの人はかかりつけ医を受診して投薬を受けるが、セラピストは受診しない。精神療法は必ずしも保険が利くわけではないため、薬物療法の方がずっと安価である。

ただし、ほとんどの専門家の意見は同じで、両方の治療法がそれぞれ有効であり、2つを併用するのが一般に最良の方法であるとしている。

例として、アメリカ医師会誌の2000年の記事では、成人321人における投薬と精神療法の併用が、いずれか単独よりも効果が優れていることを明らかにした。ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(医学誌)に掲載された2008年の研究では、不安障害児488人を、認知行動療法群、セルトラリン(ゾロフト)群、併用(認知行動療法+セルトラリン)群、プラセボ群に分けて検討した。3ヶ月後、併用群の患児の80%が改善したのに対し、精神療法群で60%、薬剤のみ群で55%、プラセボ群で23%であった。

最終的に投薬を止めることを選択する患者もおり、リンさんもその一人であった。リンさんは、精神療法、呼吸法、ヨガが、いつか不安症やストレスをコントロールするのに十分役立つ日が来ることを願っているという。

カレンさんをはじめとする別の患者らは、必要である限り、服薬が苦にならないという。

カレンさんは「精神療法は数多く受けたが、自分にとっては薬剤が効果的であった。薬の服用は非常に快適で、薬を飲むことが悪いことだとは思わない」と話した。


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